LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

ある親の気持ち

2006年05月07日 | Weblog
私は高校生の息子からこの1月にカミングアウトされました。当然驚きましたが、私の驚きはそれだけではありませんでした。息子から渡された「同性愛の基礎知識」を読んで、自分のこれまでの認識がいかに誤ったものであったかを思い知ったのです。そしてこんな大切なことをどうして誰も教えてくれなかったんだろうと不思議でなりませんでした。ネット上を行き来し、いろいろな人がいることを知り、こんな偏見に満ちた社会の中で彼らがどれほど苦しんでいるかを知るにつれ、じっとしてはいられなくなったのです。
特に自分がセクシュアル・マイノリティではないかと気づき始めるのが、思春期の真っ只中と知りました。それでなくても不安定なこの時期に、誰にも相談できない子どもたちがどれほど孤独で不安な毎日を送っているか、想像しただけでも胸が痛みます。息子が5年近くもの間たった一人で自分を支え、自暴自棄にならず、自分を大切にしてきてくれたこと、親として本当に感謝しています。そして、人間がどれほど多様で可能性に満ちたすばらしい存在であるかを教えてくれたことにも。
社会は正しい認識を持っていません。教育者も、行政も、「人権・・・」と名のつくところで働いている人達でさえです。今の日本の政治を動かしている人は、ジェンダー教育なんてもってのほか!と言っているような人たちです。自分の間違った認識を認めようともせず、苦しんでいる人の声に耳を傾けようともしない。けれども、世界は今、本当の人間のあり方を知り、どんな人も幸せを享受できる社会を作ろうと動いています。こんな政治家は世界から取り残されていくでしょう。人間は成長しているのですから。
このほど同じ思いを持ったメンバーが集まり、「親と友人の会」ができることになりました。親として、そして真実を知った一人の人間として、社会への啓発を始めていきたいと思っています。これはすべての人間に関わる問題であり、民主主義の社会の問題だからです。
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