スパイスコラム

陸の孤島から、せめて一振りのスパイスを!!

草枕

2025-02-27 08:21:20 | 地域
獅子の会山歩会2月度は、熊本市の西部に位置する「金峰山」、標高665 mの一ノ岳と呼ばれるカルデラ式火山で、東の阿蘇に対して西の金峰山と称され、市街地を見守るようにそびえていた。

熊本市在住のメンバーK氏に感謝、彼の計らいで登山自体眺望も素晴らしく、掌のナッツを食べに飛んでくるヤマガラも感動ものであった。
登山後、漱石ゆかりの地の「草枕の道」や「峠の茶屋」へも案内してもらった。

草枕の道の石畳は杉林の枯葉に埋もれ、その先に続く竹林へともう少し足を延ばしてみたい衝動に駆られた。
山路を登りながら、こう考えた。
もうちょっと行けば、漱石が向こうから歩いて来るのではなかろうかと…。

「山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通とおせば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
住みにくさが高こうじると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。
人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣にちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。」(「草枕」夏目漱石)


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