冒険ドライブ

母の大好きな丸●製麺に行きました。いつものお店ではなく、出掛けたデパートの近くにあるという店舗。
駐車場を出て、母の「あっちの道に出て、あそこを曲がったら直ぐ右側」という案内に、わたしはドキドキしながら車を進めます。というのも・・・

先日わたしの運転で母の実家へ行ったときのこと。
20年位ぶりのわたしは全然道を覚えていません。それでも母が道案内は任せてというのでナビの設定もせず向かい、結局迷って最終的にはナビを頼りました。
その帰り道、母は大丈夫と言うものの往路の事があったので最初からナビを入れました（来るときは迷ってグルグルしたし、精進落としの料理屋さん発で来た道帰るではなかったので）。

暫く走ったところで、曲がる交差点を迷い出す母。ナビを見ていたわたしはもう少し先じゃない？と対応していたのですが、「ああ、解った、次の交差点を曲がってね」と母。でもナビが示すのは大分先の交差点。母の言う交差点が近づき、母が「ここだよ」と言うのをナビを指差しもう少し先みたいだよと返します。でも母は「お母さん解るから、ここだから、ここだよ！」と。それでもナビを信じて交差点を直進してしまうと、助手席から「ここなのに〜！」と駄々っ子のようなそれでいて切ない半泣き声が。後ろめたさと運転中と言うこともあり、母の顔を見ることが出来ません。わたしも悲しくなってしまいました。

ここ数年、母の認知症症状は着々と進んできています。長期も短期も記憶障害が目立ちます。本人も気にしているので傷つけたくは無いし、まだまだしっかりしている部分も多いので、どう対応すれば良いか迷ってばかりです。

母の主張に付き合って、駄目だったら戻れば良かったのかなぁ。でも、もう時間も遅かったし迷いたくなかったのです。２人とも暫く無言になってしまいました。
その気まずさを思い出し、ドキドキしながら丸●を目指します。母の案内通りに曲がって右手を探すとはたして・・・ありました！　ホッとしたし嬉しかったしで、いつも以上に美味しくうどんを戴きました。