🇨🇳また武漢？中国研究チームが新コロナウイルスHKU5-CoV-2を発見

🇨🇳中国の研究チームが、新たなコウモリ由来のコロナウイルス「HKU5-CoV-2」を発見したそうです。このウイルス、なんと人間にも感染する可能性があるとか…。しかも、またしても武漢が関係しているとのこと。

新たなウイルス「HKU5-CoV-2」とは？

2025年2月21日、科学誌『Cell』に掲載された研究によると、中国の広州研究所、広州科学院、武漢大学、そして武漢ウイルス研究所のチームが、この新しいウイルスを発見したとのこと。研究を主導したのは、コウモリウイルス研究の第一人者で「バットウーマン」とも呼ばれる石正麗（せき せいれい）博士です。彼女のチームは、コウモリから採取したサンプルを分析し、この新しいコロナウイルスを特定しました。

人間への感染リスクは？

研究チームによれば、HKU5-CoV-2は新型コロナウイルス（SARS-CoV-2）と同様に、人間の細胞にあるACE2受容体と結合する能力を持っているとのこと。ただし、その結合効率はSARS-CoV-2の約1/50と低く、現時点での人間への感染リスクは高くないとされています。しかし、動物から人間への感染の可能性は否定できないため、引き続き監視が必要とされています。

また武漢が関係しているの？

今回の研究には、武漢ウイルス研究所が参加しています。この研究所は、新型コロナウイルスの起源に関する議論で注目を集めた場所でもあります。そのため、「また武漢かよ」と感じる方もいるかもしれません。しかし、石正麗博士をはじめとする研究者たちは、ウイルスの起源や感染経路を解明するために日々努力を続けています。

新たなウイルス発見の背景

石正麗博士は、過去20年間にわたりコウモリ由来のコロナウイルス研究を続けており、2013年にはSARS様ウイルスの発見、2019年にはRaTG13の特定など、多くの成果を上げています。今回のHKU5-CoV-2の発見も、その継続的な研究活動の一環として行われました。研究チームは、広州のBSL-4（バイオセーフティーレベル4）施設でウイルスの構造解析や宿主範囲の特性を詳細に解明しました。

ウイルスの特徴と分類

HKU5-CoV-2は、ベータコロナウイルス属のMerbecovirus亜属に分類され、MERS（中東呼吸器症候群）を引き起こすMERS-CoVと遺伝的に近い関係にあります。特に、スパイクタンパク質にフーリン切断部位を持つことが特徴的です。実験室での研究では、人工的に培養した人間の肺や腸の組織に感染する能力が確認されていますが、現時点で人間の臨床症例は報告されていません。

国際社会の反応と今後の展望

この発見を受けて、世界保健機関（WHO）はHKU5-CoV-2をパンデミック準備リストに追加するかどうかを検討しています。また、Nature Microbiology誌の編集長は「ウイルス進化を理解する上で画期的な発見」と評価しています。一方で、ミネソタ大学の研究者らは、現段階でのパンデミックリスクの議論は時期尚早とし、慎重な姿勢を示しています。

まとめ

新たに発見されたHKU5-CoV-2は、現時点で人間への感染リスクは低いとされていますが、ウイルスの進化や変異の可能性を考慮すると、引き続き監視と研究が必要です。私たち一人ひとりが正確な情報を持ち、冷静に対応することが求められています。