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先日のパッサカリアもそうですが、最近よくバッハのオルガン曲を聴いています。
手持ちの何枚かのCDを繰り返し聴いているうちに、またちょっと引っかかった曲がありました。それがこの「幻想曲とフーガ ト短調」。特に私が惹かれるのは、後半のフーガ。
フーガというのは、簡単に言うと、同じテーマが繰り返し色々な声部に現れては追いかけっこをすると思って頂ければ結構です。それが右手と左手、そしてペダルとの順々に現れ、転調を繰り返しながら次々に受け渡されては紡がれていく。そして、時折圧倒的な響きで混じる不協和音の数々。
いつも言っているような気がしますが、私がこれをどこかの教会か何かで聴いてしまったら、ルーベンスの絵の前でのネロとパトラッシェのように、きっとその場に倒れ込んでしまうと思います。
幸いにもリストがピアノ用に編曲してくれています(冒頭の楽譜)。先日パッサカリアに取りかかったばかりですが、何だかこのフーガから先に弾きたい気分です。
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因みに先日の「パッサカリア」もこの「幻想曲とフーガ」も、実は学生の頃買ったレコードに入っていました。
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当時はこのA面の(有名な)「トッカータとフーガ ニ短調」ばかり聴いていて、B面に「パッサカリア」と「幻想曲とフーガ」が入っていることをすっかり忘れていました。何十年も経ってまたこうして改めて好きになるとは、よくあることではありますが、面白いですね。
ご参考に、このレコードの演奏家、マリー=クレール・アランの演奏もどうぞ。(フーガは5分35秒を過ぎた辺りからです。)
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