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沼津にプチ遠征に行く途中、ベルナール・ビュフェ美術館に寄ってきました。
以前この美術館の収蔵品が横浜に来ていたことがあり、機会があれば本家本元を訪れてみたいとずっと思っていました。
東名高速道路の沼津のひとつ手前、裾野インターを降りて30分ほど走ったでしょうか、お天気が良ければきっと富士山が綺麗に見えるのでしょうが、文字通りその裾野を登って行ったところが「クレマチスの丘」というゾーンで、そこにいくつかある美術館の一つがこのビュフェ美術館。
木々に囲まれた小道を登って行くと、これまた新緑の木々に囲まれた美術館が見えてきます。
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外壁にはビュフェのサインが。
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美術館が建っているところは、恐らく山の斜面なのでしょう、高低差をうまく利用し、また自然光をふんだんに取り入れた回廊や展示室がゆったりと並んでいます。節電のせいもあるのでしょうが、私が見渡した限り、人工の光が付いている展示室は(ビデオが上映されているところを除いては)無かったような気がします。
さて展示は、ビュフェの画業を一望する、一幅の壮大な絵巻物。実は私、自分自身が本当にビュフェが好きなのか嫌いなのか、ここに行けば分かるのではないか?と思っていたのですが、結局のところやはりよく分かりませんでした。
これは入口で貰ったパンフレット(クリックすると大きくなります)。
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私が多分一番長い時間その前に居たのはこの絵ですが、
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(ベルナール・ビュフェ「ピエロ」油彩、1955年)
ビュフェはどうしてこうも黒々とした線で輪郭を切り取るんだろうとか、ビュフェの描く人間はどうしてみんな悲しそうな顔をしているのだろう(ルオーみたいだ)とか、油彩と同じくらい見応えのあった版画の、背景の空白の部分に引かれた無数の線を見てブリヂストン美術館にあるレンブラントを思い出したりとか、それでもやはり風景画の方が好みだなぁと思って買ってきた絵葉書が2枚とも、2年前に横浜で観たものと同じだと後で気付くとか、
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(ベルナール・ビュフェ「大運河」油彩、1962年)
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(ベルナール・ビュフェ「ボゥリューの眺め A」油彩、1957年)
ともかく、正味1時間半、気付けばとても集中して絵と向き合っていました。
GW中というのに来場者がまばらだったことも幸いしたかも知れません。けれど、文字通り絵と対話するには恰好の空間。ほとんどの絵にガラスが入っていなかったことも、自然光のもとでビュフェの荒々しい筆遣いを間近に観るには有難かったです。
ベルナール・ビュフェ。
好きか嫌いかと問われれば即答は出来ないけれど、それでも何故か惹かれる、無視出来ない、私にとってはそんな画家です。また訪ねる機会もあるでしょう、きっと。
ベルナール・ビュフェ美術館
静岡県長泉町東野クレマチスの丘 (スルガ平) 515-57
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