フルート吹きのほっと一息

フルートのこと、音楽のこと、作曲家のこと。そして愛犬トム君との日々。
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キュイ 五つの小品

2011年02月08日 | 作品あれこれ

 

 

ロシア五人組と呼ばれる中に

ツェーザリ・キュイ(1835年 - 1918年)という作曲家がいる。

 

 

私でも知っている様な特に有名な作品はない。

たまたま「Kさん」に薦められたキュイの室内楽。

手を付けてみたらこれが想像以上に面白い。

まず、譜面。パッと見、とても単純なのだ。

指回りのトロイ私でも30分も練習すれば全部吹ける。

そのくせして音楽の構築性がすばらしい。

なんという完成度の高さなのか!

 

        ●フルート、ヴァイオリン、ピアノのための五つの小品●

         作品56。1897年初版 キュイ62歳 ロシア音楽協会

           ペテルブルク支部長時代の作品でございます 

 

        第一楽章 バディヌリ

        子供が遊んでいる様なイメージなんだなぁ

        ピアノの有佳さんが「かわいい曲だわ~」って。

 

        第二楽章 子守唄

        1mov.も2mov.もシンプルな第一主題と第二主題のやりとり

        ゆりかごのリズム。

        聴きながら眠る子供とワンコの図が練習風景でございました。

 

        第三楽章 スケルツォ

        ヴィオラの真麗子さんが「フランス音楽みたいね~」

 

        第四楽章 ノクターン

        コテコテのロシアの叙情

        後ろではナイチンゲールがさえずっている

        これよこれ。ロシアの作品はこうでなくちゃ!

        (あれれ、共演している二人がさらっと演奏する・・・・)

        そんな訳でお二人に

        私のお気に入りのロシア歌曲のCDを押し付けたら

        あっという間にロシアの音楽に変わった。(うっふっふ~)

 

        第五楽章 ワルツ

        オシャレで軽やかなんだな。

        このウイットにとんだ感じとシャープな感じは

        いったいどこからくるのか??

 

 

 

なんて思いながら3年くらい演奏していたのだけれど、

最近本を読んでいたら、あらら。。キュイが登場です~。

 

ナポレオンが率いるフランス軍が

1812年ロシア帝国に攻め入ったが寒さに閉口して敗走。

ナポレオン軍に従軍してロシアで戦った後

ロシアに留まり、リトアニアの女性と結婚したフランス軍人がいた。

キュイのお父さんなのだ。

 

というわけでフランスとリトアニアの二つの故国をもつ

ツェーザリ・キュイ(セザール・キュイ)なのでありました。

もちろん、どちらの国の影響も大きいでしょ。

フランス音楽みたいだなと思っていたのも納得デス。

 

そしてこのセザール・キュイは本職は軍人で

専門は堡塁建築(戦争の基地みたいのね)。

軍事教育家としての評価の高い業績も残しているそう。

 

と、読むと、上記「五つの小品」の

構築性の面白さと「建築」がつながって

演奏している方としては妙に納得なのであります。

 

ああ、面白い。

面白いのは私だけかな・・・

 


3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
共演者は (管理人)
2011-02-10 11:22:42
共演者は面白いと言ってくれる。
良かったよかった。

♪の間にあるもの、
楽譜の行間にあるもの、
作品の後ろに流れているもの、
そして時代を超えて私達。

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ほぉお! (まるりこ)
2011-02-09 17:57:35
あんなに可愛く、夢のある、それでいて骨太のようでデリケートな曲風…キュイとは軍人さん、軍事教育関連の方だったんですね意外や意外、厳格なればこその繊細さ、ロマンなのかもですね〓面白いです~
返信する
面白いです (yuka)
2011-02-09 00:36:31
今、キュイには会えないので・・・

人って話てなんぼ!のところがありますが、
楽譜から飲み取ることができるのは、
これまた時代を超えたコミニケーションですね。
返信する

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