2017.6.17 午前1:30頃、伊豆半島・石廊崎の南東沖約20kmの海上で、アメリカ海軍のミサイル駆逐艦(通称イージス艦) フィッツジェラルドと、フィリピン船籍のコンテナ船「ACX(エーシーエックス) CRYSTAL(クリスタル)」が衝突する事故がありました。。。
行方不明の方もおられます。
早急な救助が望まれます。
巷では、高性能のイージス艦がなぜ、、など賑わっていますが。。。
そもそも、イージスシステムは、高性能の防空システムですから、水上の目標には機能しません。(イージスシステム全体としての対水上機能が、という細かい点は別として)
大型のイージス用のレーダーも、対空用であり、戦闘や訓練時以外はシステムを使っていないので、機能自体していません^^
そして、艦艇といえども船なので、通常の航行は、航海レーダーを使います。
その航海レーダーは、民生品を使っている国も少なくありません。
周囲の船の状況がわかればよいので十分です。
Q: 装甲は無いの??
艦艇といっても、駆逐艦なので、鉄板の厚さは、装甲レベルではありません。
もともと駆逐艦は高速力がウリなので、装甲なんて重たいもの載せたら意味がありません。まあ、商船より鉄板は厚いですけどね。。。
弾薬庫等にそれなりの防御はありますが。。。戦艦の装甲に比べたら、値しません。
特に船は、正面のほうが側面より強いので、横からぶつかられれぱ、横を突かれたほうが弱いです^^
艦艇のほうが運動性能が良い、ですが、それが発揮されるのは、戦闘などのときで、魚雷が発射されたからと回避するのではなく、もうぶつかるという段階では、タダの船なので、大差ありません。
船というのは、舵が船尾についているので、舵を切ると、お尻を振って向きを変えます。
なので、船の全長より、間隔が狭くなると、下手に舵を切ると、ぶつかります。
航跡を見ればわかりますが、船体全長の半分以上、振り込んでいるのがわかります。
(2番艦も舵を切っているので、実際にはもっと大きく振っています)
2006.10.22 相模湾 自衛隊観艦式 予行1(部隊訓練)
2隻がこのように高速で併走するのは、高い錬度が求められます。
2012.10.8 相模湾 自衛隊観艦式 事前公開1/洋上補給の訓練展示
艦体って記載が報道にも見られますが。。。
商船は船体、艦艇だから艦体ってのは、、、マニア雑誌の賑やかしなので。。。
艦体と艦隊、、ともに「カンタイ」なので、紛らわしいから使いません。
知ったかぶりの赤っ恥モノです。。。
コンテナ船が、フィリピン船籍だから、とか、テロだという声が多いですが。。。
フィリピン船籍であっても、日本郵船の運行管理のコンテナ船です。
テロなら、もっと破壊しないと意味無いでしょうし、そもそも、船をぶつけに行くのがどれほど大変なことか。。。
普通なら、避けますからね。。。
コンテナ船をテロ集団が奪って、、、
に至っては、こっそり奪って、こっそり接近、なんてのができるわけがありません。
奪った段階で大騒ぎになりますし、接近するにも、艦艇の航行計画は非公開が多いので、狙えません。。。
たまたま見かけたときのために、、、船乗りになって、、、テロの機会を待つくらいなら、手っ取り早く、にぎやかなことしますよね?
視界も良いのに。。。
といっても深夜です。
操船シミュレーターの、レインボーブリッジ越しに大井コンテナ埠頭を見たところ。
Q: どっちが悪いか。。。
実際の針路、速度、見張り状況、回避手続き、等が不明なのでなんともいえませんが。。。
一義的には、右舷に船を見ているほう(今回はイージス艦)が避ける必要があります。
ただ、、、交差点の出会い頭の事故では無いので、遅くても、5分、10分前に、何とかしていれば、ぶつかりません。
コンテナ船の船長さんも、船の責任者として、無関係な他人事では終わりませんし
、イージス艦の艦長さんも、国有財産であり、戦力を一部でも失う運行に対しては、逃れようがありません。
責任者は、責任を果たすべきで、回避可能な事象を、避けずにぶち当ててしまえば、責めはもとより、間抜けとさえいわれます。
実際の運行は、船長さん、艦長さんではなく、当直士官である場合が多いですが、それを束ねるのが、船長さん、艦長さんですから。。。
コンテナ船の航路
衝突の1:30前後の拡大
東に進んでいて、1:30頃に衝突時に、90度南に向かい、東に約30分進んで反転、現場海域に戻っていることがわかります。
DDG62 Fitzgerald です。
平成26年6月14日 横須賀港
にほんブログ村
人気ブログランキングへ