<剱岳の日ノ出>
北アルプス;大日岳縦走;第3日目(1);大日小屋から大日平へ
(塔ノ岳常連有志)
2018年8月2日(木)~4日(土)
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第3日目;2018年8月4日(土) 晴
<ルート地図>
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<大日小屋の朝>
▇あまりよく眠れない夜を過ごす
昨夜は随分と早い時間に就寝してしまったので,時間の間隔が大分狂ってしまう.煎餅布団の生なのか,夜中に腰が痛くなって目が覚める.
”もうそろそろ朝かな…”
と思って,時計を見る.なんとまだ22時を少し過ぎたところ.沢山の宿泊客と雑魚寝をしているので,ごそごそと体を動かすわけにもいかず,ほぼジッとしたまま腰の痛さに耐え続ける.
眠れない,眠れないと焦っている内に,何時の間にかまたウトウト.すぐに目が覚める.こんなことを朝まで何回も繰り返す.ウトウトし出すと,怖い夢を見る.どうやら夢の中で,3日目に予想される難所を果たして無事に塚できるかを心配しているようである.心配のあまり,なにか一言,寝言を言ったらしく,朝になってから同行の方々から,
「…何か寝言を言っていましたよ…」
とニヤニヤ.
”ろくでもないこと,口走ったんじゃないだろうな…”
と心配になる.
4時頃だろうか.女性群からヒソヒソ…
「大日岳山頂から日ノ出を見るんだったら,そろそろ出掛けないと…」
私は,即,不参加.
二言,三言,ヒソヒソ話をした結果,わざわざ大日岳に登らなくても,ここで日ノ出を見れば十分ということになったようである.
▇東の空が明るくなる
5時少し前に,防寒具を着て小屋の外へ出てみる,やっぱり少々寒い.でも,今日もお天気は上々のようである.
東の空が明るくなりはじめる.目の前には剱岳がシルエットになって大きく聳えている.その稜線がだんだんと明るく光り始める.
<剱岳の稜線が光り始める>
▇日ノ出
5時18分,剱岳の右方から日が登る(冒頭の写真).
日ノ出を見ている人達の顔が,一瞬茜色に染まる.近くにある雪渓も茜色に輝いている.
山頂からの日ノ出は,何時眺めても感動する.
<日ノ出を拝む>
▇朝食
5時30分から朝食.
係員に誘導されて,テーブルに付く.
朝食のメニューは下の写真の通りである.例によって,味噌汁とご飯はお替わり自由である.特に味噌汁が美味しい.
30分ほどで朝食を終える.
<朝食>
<大日小屋を出発>
▇いきなり急な下り坂
朝食直後はトイレ,洗面所ともに混雑するので,少し時間をおいてユックリとする.
朝の雑踏が少し収まった頃,トイレと洗面を済ませて,小屋の外に出る.そして各自適当にウォームアップストレッチを済ませる.
6時35分,下山開始.
私はのっけから登山靴の重さが気になる.
”標高差が1400メートル以上あるぞ…慎重に下ろう”
と自分自身に言い聞かせる.
下り始めると,すぐにジグザグの急な下り坂が連続する.巨岩累々の間を縫うような厳しい下り坂である.難易度は丹沢の大倉尾根の比ではない.たちまちの内に登山靴の重さが気になり始める.遙か眼下に広大な平原が広がっているのが見えている.
<眼下に広大な大日平が広がる>
▇ハシゴ,鎖場の連続
やがてハシゴ,鎖場が連続する難所に差し掛かる.この程度の難所ならこれまで何回となく経験しているので,特に嫌と言うこともないが,やっぱり応分の体力を消耗する.
7時47分,標高2,120メートル地点のちょっとした空間を見付けて,7時55分まで休憩を取る.私は山専用のヘルメットを着用している.でも,切り立った崖の上から小石でも落ちてこないかと心配しながらの休憩である.
近くに咲いている黄色い花に慰められる(間違えるとハズカシイので花の名前は書かない).
<標高2,120メートル地点で休憩>
<大日平>
▇大日平に降り立つ
暫くの間,厳しい下り坂が連続する.絶えず緊張が強いられる.足が遅い私がどうしても同行の皆さんの足を引っ張ってしまう.私は心中で申し訳ないやら,情けないやらの複雑な気分で慎重に下り続ける.
8時47分,どうやら厳しい下り坂が終わって,標高1,870メートル地点に到着する.ここで,5分ほど休憩を取る.雲一つない快晴である.直射日光がやけにまぶしい.
この辺りから,木道が延々と続くようになる.
<木道が始まる>
▇心地よい大日平
休憩を終えて,8時58分に歩き出す.
ここはラムサール条約に加入している平原である.広々とした平原である.なだらかな起伏の木道が延々と続く.いくら重い靴を履いていても,なだらかな道ならばまあまあ普通に歩ける.至って快調.
<ラムサール条約加入の大日平を行く>
▇大日平小屋に到着
9時24分,何とか大日平小屋に到着する.ここで大分早めの昼食を摂ることに決定.
大日平小屋で,塔ノ岳常連のKIさんにバッタリ会う.思わぬところでのバッタリなので双方ビックリ.
KIさんは,私たちとは逆に,これから大日小屋方面に向かわれるとのこと.単独登山とは凄いなと感心する.
小屋前のベンチに座って,ユックリと昼食を摂る.予め3日前に仕入れたパンだけの食事である.大分わびしいが,山行での昼食はまあこんなものだ.
飲料水が不足しそうなので,大日平小屋で水を補給する.100円である.
<大日平小屋>
(つづく)
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