中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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箱根:冠ヶ岳・神山・駒ヶ岳縦走

2007年05月28日 10時47分24秒 | 関東・伊豆箱根・上信越

         箱根:冠ヶ岳・神山・駒ヶ岳縦走
         (ARENAオフラインミーティング)
         2007年5月27日(日) 



■早雲山から歩き出す

 陽春の5月,私達ARENAグループ月例ハイキングは箱根路を歩くことになった。参加者は,幹事長の「長」さん,東京の某大学院大学教授「南」さん,某社添乗員の「S」さん,それにFlower-hillの4名である(男性3名,アルカリ性1名)。
 一向は,強羅からケーブルに乗り換えて,9時に早雲山駅(標高755m)に集合する。
 駅前の広場には,何かのイベントがあるのか,俄作りの受付ができている。辺りは何となく物々しい雰囲気である。私達は軽くストレッチをした後,9時25分に早雲山駅前の登山口から歩き出す。急な階段を登り詰めると,いよいよ登山道が始まる。このルートはこれまで何回となく歩いているが,今回,あらためて「かなりの急坂だな」と実感する。

             <早雲山登山口>

 登山道は大涌谷の左岸沿いに深い緑の森林地帯をトラバース気味に進む。海風が尾根で遮られているためか,風もなくやけに蒸し暑い。所々,雨で土砂が流れたためか,木の根が露出していて歩きにくいところに突き当たる。
 坂道を登りながらSUUNTOの高度計で登攀速度を計測すると,350メートル/時を超える速度になっている。こんなことを言うのは不適切かも知れないが,今日のメンバーは,平素,極簡単なハイキングしかしていないので,この登攀速度は少し速すぎるのではないかと心配になる。このままでは後半になって足が攣ったり,膝を痛くする人がでかねないので,極力ユックリと歩くように促す。

         <何と綺麗な! 花一杯の登山道>

■同行3人
 9時57分,標高980メートル付近で,衣服調整のために,ほんの数分休憩を取る。そして,さらにジグザグ道を登って,10時21分,標高1160メートル地点で,5分ほど小休止する。高年齢のご夫婦と小太りした中年男性が私達と前後して登っている。
 中年男性は,汗ビッショリになって喘ぎながら登ってくる。お互いに挨拶を交わす。彼によると,今日は箱根一周50キロメートルのマラソン大会が開催されているとのことである。彼と同じ会社の後輩が,このマラソン大会に参加しているので,途中で彼を激励するために,神山まで登るという。

■箱根一周50キロ・マラソン大会
 小休止後,私達は相変わらずユックリペースで登り続ける。やがて登山道が尾根道沿いになる。そこはかとなく硫黄の臭いが漂ってくる。私達は大涌谷沿いの水平な尾根道を辿っている。10時35分,標高1220メートル地点で,朽ち果てた木製の社殿の前を通過する。そして,10時41分にお中道分岐点(1220m)に到着する。

          <路傍に朽ち果てたお社が建つ 無情>

 この分岐点には数名のマラソン関係者が待機している。彼らから話を伺うと,今日は箱根町とノースフェース社が関係するマラソン大会が開催されていて,塔の峰,明星ヶ竹,明神ヶ岳,金時山,三国山,神山をぐるり一周,延長50キロメートルを走り抜けるとのことである。私のような凡人では,歩いても3日は掛かりそうなコースを,僅か1回で走り抜くというから凄い。男女それぞれ1位になった人は,ツールドモンブラン1週マラソンコースに招待するということである。
 「来年は是非参加してください・・・」
と私達年輩組を誘う。とても無理,無理。

■大涌谷登山道が通れる
 お中道分岐から右折して下り坂を進む。やがて美しい樹木に囲まれた素晴らしい平原を横断する。時間があれば,ここで暫くの間ジッとしていたなと思う。さらに進むと巨石がゴロゴロと重なった自然の石庭に入る。踏み跡がやや不明瞭になるが,注意をしながら先へ進む。やがて,登山道はなだらかなトラバース道になる。この道を過ぎて少し下ると,大涌谷分岐点(1195m)に到着する。

           <観光客で賑わう大涌谷分岐点>
            ※最近再会された大涌谷登山口から,この分岐
             まで登って引き返す観光客が増えている。


 大涌谷からの登山道は,ここ数年,通行禁止になっていたが,数日前から通行可能になっている。登山道の途中に新鋭の有毒ガス検知器が設置され,もし有毒ガスが発生したら,直ちに登山者に通報するシステムが完成したという。大涌谷登山道が開通したこともあって,軽装の登山客が分岐点周辺に屯している。

■冠ヶ岳を往復
 私達はこの分岐点をそのまま通過して,神山への急坂を登り始める。この辺りが,今日のハイキングコースの中では,一番の難所である。急なジグザグ道を登り詰めると,やがて尾根道に出る。登山道の勾配が緩やかになり,木々の間から芦ノ湖や金時山が見え隠れする。本来ならば富士山も見えるはずだが,今日は晴天にもかかわらず,黄砂か春霞に遮られて全く姿を見せない。
 11時13分に赤い鳥居の残骸を通過する。その後直ぐに冠ヶ岳への分岐に到着する。そのまま冠ヶ岳に向かう。立派なお社を通過して,11時23分に冠ヶ岳山頂(1385m)に到着する。山頂は観光客で混雑している。

            <冠ヶ岳山頂>

■神山へ
 ほんの1~2分,山頂に居ただけで,往路を引き返し,再び神山を目指して,坂道を登り続ける。そして,11時41分に神山山頂(1438m)に到着する。ここは箱根連山の最高峰である。山頂は樹木に覆われていて,見通しは余り良くない。狭い山頂で登山客が休憩を取っている。ここにもマラソン大会の関係者が待機している。
 山頂の空き地に腰を下ろして昼食を摂る。しばらくして,先ほど会った中年男性が汗ビッショリになって,山頂に到着する。彼は,ここで友人を待つという。
 私達が昼食を摂っていると,マラソンのトップが神山山頂に到着する。引き締まった体格の青年である。それから5分ほど経って,2番の走者が山頂を通過する。これまで50キロメートルも走ってきたとは思えないほど,しっかりした足取りで通過していく。

              <神山山頂>

■足が攣る
 12時23分に神山山頂を出発する。途中の登山道が多分泥濘だろうと思って,スパッツを装着する。神山から坂を下り始めると,次々にマラソン走者とすれ違う。その度に進路を譲る。
 少し下り始めたところで,同行のSさんが急に立ち止まる。
 「足の内側が攣ってしまった・・・」
という大腰筋が疲労したようである。
 様子を聞くと,彼は足が攣るのを用心して,昨夜と今朝,漢方薬「ツムラ68」を服用してきたという。彼が回復するまで休憩である。休憩中に,手持ちの梅干しを彼に分ける。梅干しが足の回復に聞くという俗説があるからである。実は私も個人用に足の痙攣防止薬を持っているが,素人が他人に薬を分けることは法律で禁止されているので,できない。梅干しは薬ではなく,食べ物である。
 数分で,彼は復帰する。私が彼のリュックを持とうかと提案するが,もう少し頑張ってみるとのことである。

■駒ヶ岳山頂へ
 長い下り坂を下り続ける。途中からV字型に掘れてしまった泥濘の登山道に変わる。やがて,マラソン女子第1位の人とすれ違う。狭いV字型の場所で,マラソン選手とすれ違うのは結構大変である。Sさんの足の様子を見ながら,少しずつユックリと下り続ける。そして13時06分に防ヶ沢分岐広場(1246m)に到着する。
 広場から振り返ると,今下ってきた神山の山頂が見上げるような位置に見えている。山腹は見事な新緑に覆われている。ところどころに薄紫の花が咲き乱れている。行く手には駒ヶ岳の山頂が手に取るような位置に見えている。
 広場で深呼吸をした後,13時14分に広場を出発する。やや急なジグザグ道を登る。沢を跨ぐ短い橋を渡って,沢の左岸から右岸に移る。そして踏み跡がやや不明瞭で大きな石が累積している谷間を登りつめる。なだらかな凹地を登る途中から左折すると,なだらかな傾斜の草原に出る。ここが駒ヶ岳の山頂(1346m)の一角である。

            <箱根駒ヶ岳山頂>

 神社脇の石の庭で休憩を取る。春霞におぼろな富士山の山麓が大きく広がっている。その手前に越前岳が聳えている。目線より少し低い位置に長尾峠が見えている。隣に金時山が鋭く聳えている。山頂は風もなく穏やかである。

■ロープウェーで下山
 山頂の情景を堪能した私達は,14時00分発の駒ヶ岳ロープウェーに乗って下山する。

          <箱根園から見上げる箱根駒ヶ岳>

 丁度接続が良くて,箱根園14時30分発ターンバイク経由小田原行バスに乗車する。バスの中で居眠りをしている内に,いつの間にか,バスは小田原市内を走っている。
 15時27分にバスは小田原駅前に到着する。
 ここで解散。
 私は,小田原15時40分発東海道本線東京行に乗って帰宅する。

[ラップタイム]

 9:25  早雲山歩き出し
  ↓
10:41  お中道分岐
  ↓
10:51  大涌谷分岐
  ↓
11:23  冠ヶ岳山頂
  ↓
11:41  神山山頂着
12:23    〃 発
  ↓
13:31  駒ヶ岳山頂着
14:00    〃  発
  ∥    (ロープウェー)
14:07  箱根園(解散)

■累計登攀高度   850m
 登攀速度     383m/h

■累計下降高度   230m
 下降速度     255m/h
 ※休憩時間が多かったために,極端に遅くなった。
                      (おわり)

 



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