中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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モロッコ訪問記(10):第3日目:マラケシュ観光(3)

2009年07月30日 07時06分45秒 | モロッコ;ツブカル山
                  <メナラ庭園のオリーブ畑>

     モロッコ訪問期(10):第3日目:マラケシュ観光(3)
           (アルパインツアー)
         2009年6月7日(日)~18日(木)

2009年6月9日(火)
 (つづき)

<サアード朝の墳墓群>

■やっぱりネコの天国
 狭い通路に片隅で,何匹ものネコが香箱を作って寝ている.近くを通っても,なんの頓着もなく眠りこけている.中には通路で2匹の子ネコに乳を与えている母ネコもいる.こんなネコたちを好き勝手にさせておくマラケシュの人たちが好きになる.
 私はネコを抱きかかえたいなと思うが,折角,良い気持ちで寝ているネコに迷惑を掛けても可愛そうである.写真をそっと撮って,その場を立ち去る.
 ネコたちの栄養状態は,結構良さそうである.住民がネコたちに十分なエサを与えているに違いない.だから,鎌倉の源氏山公園あたりにいる野良猫と比較すると,実に鷹揚だし,毛並みも綺麗である.
 この街で,ネコの写真を撮り続けたら,きっと素晴らしい作品ができるだろうなと思う.
 どこからともなく,うまそうな香りが漂ってくる.
 10時22分,また賑やかな市場を通過する.



■サアード朝の墳墓群
 狭くてクネクネとした道を抜けると広場に出る.10時27分,旧市街の南にあるサアード王朝の墳墓群に到着する.サアード王朝は16世紀に栄えた王朝である.狭い通路を抜けて中に入る.入場料は10DHのようである.旅行パックの中に,料金が入っているらしくて,アブダラさんがまとめて支払う.
 アブダラさんの説明によると,入ってすぐ左手にある部屋が礼拝堂である.メッカの方向を表すミハラーブという窪みがある.中は荘厳な雰囲気に包まれている.何となく神妙な気持ちになって,外から静粛に拝見する.
 これまで,マレーシア,ネパールなどで,回教の寺院を訪れたことがあるが,異教徒の私は入場を断られた.その点,ちょっと意外な感じがする.ここは観光スポットということだろうか.
 まずは,1番目の部屋,ミハラーブの間を見学する.何となく荘厳な感じがする.アブダラさんの説明によると,壁に窪みのある方向にメッカがあるという.

■アルマンスール王の墓
 次いで,2番目の部屋,アルマンスール王の墓を詣でる.周囲の壁が緻密な模様で埋め尽くされている.アブダラさんから,いろいろと説明を受けるが,なかなか頭に入らない.

                   <アルマンスール王の墓>

■大理石の円柱
 2番目の部屋には12本の円柱が建っている.ここも荘厳な雰囲気が漂っている.素晴らしいモザイク張りの部屋である.円柱の大理石は,イタリヤやカナダから輸入したものだという.
 円柱の継ぎ目には鉛の固まりを挿入してある.これは地震による揺れを鉛で吸収するためだという.

              <円柱の継ぎ目に鉛のブロックが挟み込まれている>

■王家の墓
 ついで,3番目の部屋は,アルマンスール王の子ども達他サアード王家の王族達の墓である.サアード王朝は,現王家の前の王家に当たるという.
 中庭を一回りする.
 中庭には,石造りの棺が沢山並んでいる.遺体を白いブランケットで包んで納棺する.その際に,顔がメッカの方向を向くようにしている.
 ここには,約360柱の墓が集まっているという.

               <王家一族の墓が並んでいる>
      ※墓の中の人たちは,自分が観光資源になるとは思っていないだろうな・・

■デパートで休憩
 10時40分頃,私たちはサアード朝の墳墓群を後にする.
 金魚のウンコのように,アブダラさんの後にピッタリと付いて,賑やかな商店街を歩く.そして,10時50分に大きなデパートの到着する.店の名前はどこにも表示していないので分からない.後でアブダラさんに店の名を伺って,ノートに書こうと思っている内に,聞くのを忘れた.
 店に入って,いきなりエレベータで2階に行くように指示される.2階でエレベータを下りると,目の前は広い店舗になっている.近くにいる店員が,ボデーランゲージで慇懃に,
 「・・・こちらへどうぞ・・」
と手で指し示す.
 案内に従って進むと,トイレがある.なるほど,トイレ休憩だったなと改めて思う.
 広い店内に,高さ2メートルほどの陳列棚が,何列にもズラリと並んでいる.棚と棚との間の通路の幅は,1メートルほどしかない.通路を歩いていると,何ともいえない圧迫感がある.
 おびただしい数の商品が陳列されている.いかにもアラブを思わせるような金ぴかの飾り物が,所狭しとばかり並べられている.そのほかに衣類,履き物,装身具,鞄など,食品以外の品物は,何でも揃っているようである.
 海外旅行に出た場合,私は質素倹約を旨としているので,衝動買いは一切しないし,土産物も極力買わないようにしている.このデパートに入ったときも,端から一切買い物はしないと決めている.そうなると,店内を歩き回るのも直ぐに苦痛になる.
 広い店内に,買い物客は疎ら.それに店員も,東南アジアの店のように,しつこく買え買えと言い寄ってこないので,大助かりである.店内を適当に歩いている内に,一体,自分がどの辺りにいるのか,次第に方向感覚が失われる.
 店内をうろついていて,店内が,やたらに静かなことに気が付く.人気がないのはもちろんだが,拡声器が使われていないらしく,バックグラウンド音楽も流れていないし,宣伝や呼び出しの放送もない.店内は静まりかえっている.
 店内をあちこち迷いながら,11時10分頃,1階の集合場所へ戻る.

             <デパートの内部:ギッシリと商品が陳列されている>
         ※客の数が少なくて,閑散としている.店内が広いので,歩いている内に,
          自分がどこにいるのか分からなくなる.

<アグノウ門からメナラ庭園>

■アグノウ門へ

 11時25分,デパートを出て,高い塀沿いに,街中をブラブラと歩く.
 どちらの方向に歩いているのか,良く分からないが,右左にクネクネと曲がる.一同,まるでカモの雛のように,アブダラさんの後に続く.どうやら旧市街の南の方へ歩いているようである.
 11時35分,アグノウ門(Bab Agnaou)の前に出る.辺りには観光客風の人たちが沢山見集まっている.
 アーチ型の重厚な門である.サンドストーンで作られているようである.いかにもアラブ風(?)の赤と緑の細かい模様が彫り込まれている.

          <アグノウ門:観光客の背丈と較べれば門の大きさが分かる>

■メナラ庭園に到着
 アグノウ門を潜って,広場へ出る.小さな広場だが,自動車や馬車で結構混雑している.私たちの専用バスが駐車している.日差しが暑いので,直ぐにバスに乗り込む.
 11時36分,広場を発車する.広いメナラ通り(Ave. de la Menara)を西南西に走る.見事なアカシヤの街路樹が続く.
 11時38分,右折してムハンマド6世通り(Ave, Mohanmmed Ⅵ)を北北西に走る.周辺は広大な広場である.ムハンマド6世通りを500メートルほど入ったところで,また左折,ムーレイハッサン通り(Rue Moulay el Hassan)に入る.直ぐにこの広い道路は突き当たりに到着する(11時42分).
 辺り一面にオリーブ畑が広がっている.
 アブダラさんのガイドで,オリーブ畑の中を散策する.畑の中にラテライトの赤土がむき出しの道が続く.畑の中に小さな溝が彫り込まれている.堀の中には潅漑用水がチョロチョロと流れている.アブダラさんの話によると,この水は遠くアトラス山脈から引いてきたものだという.

         <オリーブ畑:ここだけで900本のオリーブが植えられている>
              ※中央の黒い服が案愛役のアブダラさん.

■長方形の池
 ブドウ畑の先に高さ5メートルほどの堤が見えている.堤の上に登ってみる.目の前に長方形の大きな池が広がっている.池の畔に立つと,南の方に高い山が連なっているのが見える.アトラス山脈である.逆に今登ってきた方を眺めると,どこまでもオリーブ畑が広がっている.
 アブダラさんが,
 「この池には,魚が沢山居るよ・・」
という.
 ラテライトの細粒を含んだ水は濁っているので,簡単には魚影を見ることはできないが,暫く,水面を凝視している内に,やっと大きな鯉を1匹見つけることができた.
 池の畔から再びオリーブ畑に戻る.アブダラさんからオリーブの説明がある.
 「・・・1日の温度差が0℃から35℃くらいあって,年間四つの季節があるところでないと,良いオリーブは育たないよ・・・オリーブの木の平均寿命は大体200年.このオリーブ畑は12世紀から続いているので,その間に何回も植え替えられているんです.・・・」
 「オリーブは収穫期によって色が違うんです.10月は緑,11月はピンク,12月は黒色です.ここの畑には,約900本のオリーブがあります・・・」

                   <メナラ庭園の池>

                           (つづく)

「モロッコ訪問記」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/9f515d246c2653439f03383dc23e7d95
「モロッコ訪問記」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/62b2779bf21064ede786d92368a28a91
「モロッコ訪問記」の最初の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/31b79faa79d02b8fe28dc5177880d2e4
「モロッコ訪問記」の索引
(編集中)


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