<乳頭山からの眺望>
春の三浦アルプス南尾根縦走
(山旅スクール5期有志)
2011年3月27日(日)
<山行地図>
■山に登りたい
東日本大地震以来,丹沢山塊特に西丹沢地区には登山を自粛するようにというお触れが出ている.また,計画停電の余波を受けて,交通機関の運転状況もままならないことから,私もここ2週間ほど塔ノ岳詣でを自粛している.災害を受けられた方には申し訳ないが,ずっと山歩きを自粛していると,体内にだんだんと鬱憤が蓄積してくる.このままでは,どうにもならないので,私の所から近場にお住まいの山旅スクール5期の方々に,三浦アルプスでも歩かないかとお誘いする.
大方の山仲間の心情は,私と同じだったらしくて,たちまちの内に6人の賛同者が集まった.トドさん,ノシイカさん,N本さん,湧水さん,ジャイアンさんの6名である(男性2人,女性4人).
今日の山行は憂さ晴らしが目的.特段,凝ったルートを取らずに,JR田浦駅から歩き出して,三浦アルプス南尾根を素直に縦走,そして時間があれば,大峰山も縦走して,森戸神社を参拝した後,逗子まで歩く予定である.
■田浦梅の里
JR田浦駅10時集合の予定.ただ,節電のための縮退運転で,湘南新宿ラインの電車が動いていない.結構不便である.結局,田浦駅着10時03分の電車で,全員が揃う.
10時05分,JR田浦駅から歩き出す.少し寒い感じもするが,快晴で心地よい日和である.
例によって,ノソノソ歩きで,田浦の住宅地を抜けてから,階段を一気に登って,10時56分頃,田浦梅の里の見晴らしの良い広場に到着する.
今日は空気が澄んでいるので,東京湾を見下ろす風景は一段と見事である.東京湾の向こう側の千葉までハッキリと見えている.
どこからともなく,作業服を着た中高年の男性が近付いてくる.
「・・ご説明しましょうか・・」
と私達に声を掛ける.
観光地に限らず.どこを歩いていても,この種のお誘いを受けることがしばしばある.特にグループの中に女性が居ると,その傾向が強い.ご説明は有り難いが,こちらの時間の都合など一切無関係に,ご自身の知っていることを全部話したがる方が居られる.
本音を言えば.タイムキーピングをしている私には,この種のお申し出は,とても迷惑なのである.なぜならば,手短に・・と,お願いしても,なかなか話が終わらないからである.
「あそこに,スカイツリーが見えますよ・・・あの千葉の海岸にある工場で,この間の地震のときに火事になりましたよ・・・米軍の原子力空母があの辺りに停泊していましたよ・・」
話は延々と続きそうである.
4~5分経ったところで,
「どうも有り難うございました・・」
とお礼を言って,強制終了.サッサと歩き出そうとする.
「これからどちらへ行かれるんですか・・地図は持っていますか・・?」
と,なおも話しかけてくる.
でも,まあ,ご厚意で話しかけてくれたので我慢しなければ・・・
とはいえ,このようなお話には興味がない.
<ありがたい説明だが,時間を気にしないので,とても困る>
<田浦梅の里からの眺望:遠くにスカイツリーがボンヤリ見える>
■花で引っかかる
11時18分,横須賀横浜道路の跨線橋を渡る.いよいよ三浦アルプスに取り付く.
跨線橋を渡ると,途端に山道になる.小さな登り下りが続くヤセ尾根を渡る.花好きなジャイアンさんの解説が始まる.
「これ,花は咲いていないけれどもシュスランですよ・・・これがトリカブトです・・」
と解説が尽きない.
11時30分頃,東尾根直下の急坂に突き当たる.今日は足許が良く乾いているので歩きやすい.助かる.
<シュスラン(?)> <トリカブト>
■東尾根に到着
11時34分,東尾根の尾根道に到着する.グループの前後で,やや間隔が空いてしまう.だれからともなく,
「これから,どちらへ行きますか・・」
という質問が出る.南尾根,中尾根,北尾根,どこでも良いけれども,今日は少しばかり長距離を歩くのが目的なので,南尾根を辿ることにする.
今日は路面が乾いているので,とても歩きやすい.しかし,後のことをまるで考えていないように見えるジャイアンと花好きは,何かちょっとした花があると,やたらにストップしてしまう.
私は,心中,穏やかでない.こんな調子では,何時,終点に付くか分からない.
とにかくダラダラが何時までも続く.私の様子に見かねたトドさんが,
「FHさん,サッサと先を歩きなさい」
という.私は,我が意を得たり.・・で,そのままサッサと先に歩き始める.
■鉄塔下で昼食
12時06分,漸く鉄塔下に到着する.
当初の予定では,この鉄塔下で,少し早めの昼食を摂るつもりだったが,私の心づもりより,15分ほど遅れている.この先が思いやられる.
鉄塔下の芝生に春の太陽がタップリと降り注いでいる.風も殆ど吹いていない.暑くもさくくもなくて実に心地よい.奥様方が,それぞれのご家庭の味を,お裾分けしてくれる.
私達が食事をしている間に,1~2名の登山客が通過していく.
■焼けた立木
昼食を終えて,12時40分に再び歩き出す.
ここから先,小さなアップダウンを何回となく繰り返す.深い竹藪の中を通過したり,突然急な坂道を登ったかと思うと,今度は急な下り坂になる.ときどき迷い道の分岐がある.
三浦アルプスは,尾根道を外さないように歩かないと,予期しないところに下山してしまうので,何回歩いても要注意である.
13時19分頃,大きな木が焼けて倒壊している場所を通過する.この木の周辺は数メートルにわたって焼けた痕跡がある.雷でも落ちたのか,それともタバコの火の不始末か,私には火災の原因は分からない.
<竹藪の道>
■ドングリ並木の丘
何回も急な登り下りを通過して,13時50分にドングリ並木の丘に到着する.
ここで給水のために5分ほど休憩.ここから春の温かそうな日射しを浴びた大楠山の眺望が開けている.実に気持ちがよい所である.
<ドングリ並木>
<ドングリ並木からの眺望>
■スミレの群生
ドングリ並木から進行方向右手の急斜面を下る.小石や礫が露出する滑りやすい斜面である.
暫く進むと,進行方向右手の土手にスミレが群生してるのを見つける.あまりに可愛いので,花オンチの私も思わず写真に収める.
■葉山アルプスに出る
やがて観音塚分岐に到着する.
この分岐を左に進むと,やがて沢山の倒木に遭遇する.その先が野趣豊かな荒れた道になり,一色の住宅地に下山できる.
ここで観音塚へ行くか,それとも一色へ下山するか少々迷うが,結局は定番の観音塚コースを進む.
14時14分,俗称葉山アルプスの周回道路に飛び出すようにして突き当たる.ここまで来れば,後は整備された公園道路である.
<観音塚>
<葉山アルプスに出る>
■仙元山展望台
公園内の周回道路を仙元山へ向けて歩く.途中,急傾斜で長い階段道を登ったり下りたりを繰り返す.
この階段道で,参加者の一人が,
「・・足が痙攣しそう・・」
と訴える.この時点で大峰山を周回することを諦める.伺うと,ここ1ヶ月ほど山歩きをしていなかったので足が萎えているようだとのこと.
ジャイアンと私がこの方のリュックを交代で持って,ごくユックリペースで歩き続ける.
15時02分,ようやく仙元山展望台(標高118m)に到着する.展望台に備え付けてある何組かのベンチは,沢山のハイカーで一杯である.登山道では,ハイカーと殆どすれ違わなかった.一体,どこからこんなに沢山のハイカーが集まっているのか一瞬不思議に思うが,要するに麓の方々が,この展望台までハイキングに来ているようである.
<仙元山展望台からの展望>
■風早橋から逗子へ
大峰山へ廻るのを諦めた私達は,展望台からの急な階段道をノンビリと下り,協会脇を通過して,16時丁度に,バス停風早橋に到着する.
「ここから,バスに乗りますか? それとも逗子まで歩きますか・・」
と一同に尋ねる.大半の方が,なんとなく歩き足りなさそうな顔をしているので,逗子まで歩くことに決定.
16時15分,葉山トンネルに到着する.
新しく作られた葉山トンネルには,立派な歩道が付いているので,さほどの圧迫感もなく,通り抜けることができる.
16時30分,無事,新逗子駅に到着する.
遠方からの参加者を除いて,全員で新逗子駅構内の某コーヒーチェーン店に入る.一杯200円也のコーヒーを味わいながら,30分ほど雑談する.そして解散.
次回は,4月8日に,甘茶を賞味する会を開くことを決めて解散する.
<葉山トンネル>
<ラップタイム>
10:05 JR田浦駅歩き出し
11:03 田浦梅の里展望台
11:42 乳頭山
12:05 送電鉄塔(12:40まで昼食)
13:52 ドングリ並木の丘(13:59まで休憩)
15:07 仙元山展望台(15:37まで休憩)
16:00 バス停風早橋
16:30 新逗子駅
[山行記録]
■水平歩行距離 10.9km
■累積登攀高度 604m
■累積下降高度 601m
■所要時間(休憩時間込み)
JR田浦 発 10:05
新逗子 着 16:30
(所要時間) 6時間25分(5.42h)
10.9km/5.42h=1.59km/h
(おわり)
「関東・上信越の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/31efb9de3271beb41b7989b8d025eb8b
「関東・」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/4d5965092d18ca06016e6f47978cb3c6
「三浦アルプス」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/31efb9de3271beb41b7989b8d025eb8b
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