<ツナッヒシャッテルから湖を見下ろす>
オーストリアの山旅:第10日目(2);アカールシャルテ峠
(アルパインツアー)
2014年6月26日(木)~7月7日(日)
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http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/184745cd44d5661778b1aba4dad05013
第10日目;2014年7月5日(土) (つづき)
<ルート地図>
■第6日目のルート全体図
↓
■拡大図(イグナツマッティス小屋→アカールシャルテ) 拡大図
<二つの湖を見下ろしながら…>
■ウンタージグラッシェゼー上のトラバース道
7時丁度に,イグナツマッティス小屋から歩き出す.
ウンタージグラッシェゼー湖畔から数10メートル上のトラバース道を西に向かって歩き出す.進行方向左手にはウンタージグラッシェゼーが見下ろせる.
いよいよ今日は,シュラードミング・タウエリング縦走トレッキング6日目,最終日である.長いなと思っていたトレッキングも,もう今日は最終日かと思うと,少々名残惜しい気もするし,一方では何かと不自由な小屋泊まりも,昨夜で終わって,今日は都会にある高級ホテルに宿泊できるかと思うと嬉しくもある.
進行方向前方には残雪の山が聳えている.
歩き始めてから,4~5分で,左手前方にオーベルジグラッシェゼー(上ジグラッシェ湖)とジグラッシェゼーヒュッテが見え始める.この辺りからトラバース道は下り坂になる.
<眼下にオーベルジグラッシェゼーとジグラッシェゼーヒュッテが見える>
■ジグラッシェゼーヒュッテ
なだらかな坂道を下って,7時20分にジグラッシェゼーヒュッテに到着する.このヒュッテも中々洒落た外観の建物である.ヒュッテ前のテラスで,このヒュッテの従業員と思われる小太りの女性が,何か作業をしている.
今はまだオフシーズンのためか,宿泊客は余りいないようである.
私たちは,このヒュッテには立ち寄らずに,そのまま通過する.
このヒュッテを過ぎると.登山道は登りになる.歩き進むにつれて,上り勾配が次第にきつくなる.
この辺りの山は,どうやら花崗岩が主体のようである.ダハシュタイン周辺は石灰岩が主体だったのと対照的である.
<ジグラッシェゼーヒュッテに到着>
■二つの湖を見下ろす
高度が増すにつれて,次第に景色が開ける.
7時32分頃,ウンタージグラッシェゼーとオーベルジグラッシェゼーの二つの湖が重なって見える所を通過する.
<二つの湖が重なって見える>
<雪渓を越えてツナッヒシャッテルへ>
■沢山の雪渓
標高が高くなるにつれて,沢山の雪渓が現れる.
私たちは雪渓の間を縫うようにして登り続ける.ときどき大きな雪渓に出くわすと,その雪渓を横断する.
足元の土は花崗岩が風化したザラザラの砂礫である.
このような岩石が多いところでは,金銀や硫化物の銅鉛亜鉛などを産出することが多いので,先頭を行く現地ガイドのWGさんに,
「この辺りに金山はありませんか…」
と伺ってみる.
「この先の山麓に金の採掘場がありますよ…」
との返事である.
“昔々,鉱床学で習ったことは,結構合っているな.こりゃあ満更でもないな…”
と私は一人悦に入っている.
<雪渓が見え始める>
■谷筋を登る
岩礫の登山道が続く.緩やかな上り勾配である.ごくユックリとしたペースで登り続ける.私たちが登っている所はU字形の谷筋である.
これは私の勝手な想像だが,
“このU字谷は,ひょっとしたら,昔々,氷河が流れていたのかもしれない…どこかにモレーンがないかな…”
もし,本当にそうならば面白いが,まあ,違うだろうなとも思いながら,他の人には話さずに自分の胸の内に納めておく.
前方を,私たち以外の登山グループが歩いている.
<U字谷の中の緩やかな登り坂が続く>
■ツナッヒシャッテルで休憩
8時05分,ツナッヒシャッテル(標高2,059メートル)に到着する.ここで休憩.
眼下に二つのジグラッシェゼーが見えている.湖の左手に,先ほど歩いていた登山道がクネクネと見えている(冒頭の写真).
“ほほう…何時の間にか随分登ったな…”
立ち止まると,今,真夏だとは思えないほど,少々寒い.
休憩中にWGさんと雑談.
「…日本人の皆さんは強いですね.皆さん年配なのに…野菜を食べているせいでしょうか.オーストリアでは,このコースは40才ぐらいの人が対象です…」
とポツリと言う.
”…ん,そうとも言い切れないよ….もともとこのツアーには山好きが集まっているんで,私たちを平均的な日本人と思ったら違うかもしれないよ…”
と心の中では思ったが,説明が面倒なので,グッと胸の内に納める.
9時15分,休憩を終えて,また歩き始める.
■羊の牧場
歩き出してすぐに羊の集団に出くわす.この辺りは羊の牧場のようである.
羊たちが私たちにどの程度の興味を持っているのか良くわからないが,草を食むのを止めて,ジッと私たちの方を見ている.
羊たちを別に脅かすつもりもないし,近寄りたいとも思わないが,沢山の羊に見つめられると何となく不気味である.でも,とにかく仕草が可愛い.
<羊の牧場>
<雪渓と岩稜の高原>
■次から次へと現れる雪渓
標高が高まるにつれて,幾つもの雪渓も突き当たる.雪渓を何回渡ったか,その内に分からなくなる.ただどの雪渓も特に大規模なものや,急なトラバース道などはないので,特にアイゼンなど使わなくても十分に歩けるので大助かりである.
<幾つもの雪渓を登る>
■岩稜を行く
雪渓が増えるとともに,登山道は岩稜っぽくなる.高原状の尾根っぽい道を行く.小さな登り下りが連続する.
見渡す限り沢山の雪渓と岩稜である.なんとも心地よい散策路である.
<沢山の雪渓と岩稜の道を行く>
■自然に出来た暗渠
8時45分頃,WGさんが,
「ちょっと,こっちへ来てください…」
と言いながら,登山道から右手にちょっと外れる.突き当たりに自然出来た不気味な穴が開いている.穴の中から水が流れる音が聞こえてくる.
WGさんが,
「ここは,自然に出来た穴の中を水が流れている珍しい所です…」
と得意げに説明する.
<水が流れる自然の暗渠>
■眼下に湖が見える
8時47分,標高2,275メートル地点で休憩を取る.ここは尾根沿いの場所である.見晴がよい.眼下にウンタージグラッシェゼーが見えている.地図で確かめると,この湖の畔にオーベルヒュッテという山小屋がある筈である.
私達は,何時の間にか,随分と高い所まで登ってきたなというのが実感である.
8時55分,休憩を終えて再び歩き出す.
<眼下にウンタージグラッシェゼーが見える>
<アカールシャルテの峠へ>
■アカールシャルテ到着
9時09分,アカールシャルテ(標高2,315メートル)に到着する.
本日の行程も,ここまで登ると目鼻が付いた感じがする.アカールシャルテの峠には棒が1本立っている.その棒の周囲には,私達より先に到着したグループの人達が休憩を取っている.
峠の向こうに見える空は一面の雲である.
<アカールシャルテ峠に到着>
■アカールシャルテの目印
アカールシャルテの目印になっていると棒に付いている標識を確認する.
この標識に何が書いてあるか気になるので,標識の裏表両側の写真を撮る.確かに,この標識には“Ahkacharte 2,315m”と書いてある.
一同,この標識の前で,交代で記念写真を撮り合う.
<アカールシャルテの標識>
■アカールシャルテで休憩
私達は,他のグループの登山者と一緒に,アカールシャルテで休憩を取る.残念ながら空模様は余り良くなく,辺りは霧に覆われていて,見通しは余り良くない.
冷たい風が吹いている.気温がどの程度あるのか分からないが,休憩を取っていると,とても寒くなる.
<アカールシャルテで休憩>
(つづく)
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「オーストリア山岳トレッキング」の索引
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「オーストリア山岳トレッキング」の目次
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