ウイルヘルム山登頂記(20):山頂を目指して(6)
長い悪路とハプニング続出のドライブ
2007年2月10日(土)~17日(日)
第6日目 2007年2月15日(水)(つづき)
■ベティー小屋で一休み
6時25分にピュンデ湖畔のベースキャンプを出発した私達は,9時07分に,無事,ベティー小屋(Betty’s Lodge)に到着する。小屋の周辺には,数十名の人達が集まっている。老若男女さまざまである。
一体,どうして?
何かイベントでもあるのだろうか?
所が真相は,たった7名の私達と,オーストリア人2人が,彼らにとって,格好の見せ物になっているようである。沢山の興味深げな眼,眼,眼,・・・が,私達に注がれる。そして,ここからがわれらのリーダー,ケイの真骨頂である。ケイは群衆の中に入り込んで,
「イェ~ェ・・ィ・・」
と愛嬌を振りまく。とたんに集まった人達の間に,ほんわかとしたムードが広がり始める。
ケイが盛んに「時間通りに来ているかな」と盛んに心配していた四輪駆動車2台が,もう広場の片隅にチャンと来ている。これも,ケイが,繰り返し,繰り返し,運転手に時間通りに来るように言い続けた結果だろう。
■俄市場
広場の両側には,10名以上の人達が俄市場を開いている。ゴザのような敷物を敷いて,その上にこれまであちらこちらで見慣れた民芸品を並べている。ついでに,犬がゴザの前でノンビリと座り込んでいる。並べられている民芸品は,マウントハーゲンのハイランダーホテルの前で開いていたお店と,ほとんど同ように見える。中には面白いものもあるかも知れないが,私は欲しいという気にはならない。ただ,仲間の一部の方は頻りに買い物をしている。勿論,お客は私達7人とオーストリア人2人である。「果たして,これで商売になるのかな」と他人事ながら心配になる。
<ベティー小屋前の俄市場>
■不要品を寄付する
ベティー小屋に戻る。ケイが大きなビニール袋を持ってくる。そして私達に,
「何か不要なものがあったら,この袋の中に入れて下さい・・・」
と促す。袋に入れた品物を,ベティーさん経由で,お世話になったガイド達に寄付するとのことである。
私には特に不要なものはなかったので,何も寄付しなかったが,何人かの方々は,マット,長靴,タオルなどを寄付する。結構な集まりである。たちまちの内に,大きな袋が一杯になる。
ベティー小屋の従業員が,1足5キナ(約250円)で,登山靴や長靴の泥を洗い流すサービスをしてくれる。少々高いなと思ったが,泥だらけの長靴は,バッグに仕舞うのにも始末が悪いので,私も長靴を洗って貰うことにした。すると,若い女性が,小屋のテラスの片隅で,バケツの水を靴に掛けながら素手で洗っている。タワシが無いので,素手では,ねっとりとした泥は,なかなか落ちないので大変な作業になる。
■ベティー小屋でお茶
食堂でお茶のサービスを受ける。コーヒー,紅茶,沢山の果物の提供を受ける。
「ここからは自動車に乗るだけ・・・もう,歩かなくても良いんだ・・・」
と思うと,気分がとても良くなる。満足感に浸りながら飲み物を賞味する。
10時30分に四駆の自動車に乗る。乗る順序は往路と同じにする。従って私は一番先に乗り込んで,ドライバーの上着の臭さを嗅ぎながら過ごすことになる。乗車すると,床に大きな段ボール箱が置いてある。中身は水の入ったペットボトルである。邪魔なので,勝手に前の運転席に放り出す。もう一台の四駆には私達の荷物と,オーストリア人2人が乗っているようである。
■ソロモンの言い訳
皆が乗車すると,すぐに発車する。私達の車の運転席には,運転手,警察官,ソロモンの3人が窮屈そうに座る。私達が放り出した段ボールが丁度警察官の足の所にある。上背のある警察官は窮屈そうに足をあちこちに置き直しながら苦労して座っている。 発車すると,すぐに飛んでもない悪路になる。車は上下左右に大きく揺れる。いきなり洗濯機の中に放り込まれたようにな気分になる。
なお,段ボールに入っているペットボトルは,ポーターが運び忘れたものらしい。このペットボトルが無かったために,今朝,皆に配る水が足りなかったという訳である。後で,ソロモンが,
「・・・水が足りなかったのは,ポーターが運び忘れたためで,私の責任ではない・・・」
とケイに言い訳をしたそうである。
ガタガタ道をゆさゆさドシドシと揺られながら,車は,少しずつ,下り続ける。斜面をトラバースしている道を通過する。路面を見ると,頭の大きさくらいの石がゴロゴロと転がっている。中には,さらに大きな石もある。どうやら最近斜面から転がり落ちてきた石のようである。日本だったら,頻繁に落石のある危険な道は,間違いなく通行止めになる。
■皆でエンヤコラ
11時20分頃,往路で苦労した土砂崩れの現場に到着する。丁度そのとき,上りのトラックが坂を登れずに立ち往生している。立ち往生している車のまわりには沢山の人集りができている。彼らは一生懸命にエンコした車を泥道から引っ張り出そうとしているが,うまくいかない。ついに私達の乗っている車が後ろ向きになって,坂道に近付く。そして,細い麻縄を二重にして,エンコした車と私達の車を結びつける。エンコ車を私達の車が引っ張り出そうというのである。私はこの麻縄を見た途端に「すぐ切れるな」と直感する。やっぱり,予想通り,引っ張った途端に麻縄はプツンと切れる。すると何処からともなくクサリが出てくる。今度はなんとか脱出に成功する。
<泥道で車がエンコしている>
さて次は,私達の車が,この難所を通過する版である。案の定,登り切れずに坂の途中でエンコする。ドライバーが盛んにエンジンを吹かすので,車はますます泥の中に填り込む。吹かせが吹かすほど,車輪が泥にめり込んで,空回りになる。辺りに焼けこげた臭いが漂ってくる。こんなことをしていたら,肝心のエンジンが焼けてしまうのではないかと,ますます心配になる。
周りの人達が,私達の車に取り付いて,エンヤコラ,エンヤコラと揺さぶって,填り込んだ泥から車を出そうとするが,なかなかうまくいかない。ついに,ソロモンも手伝いに出る。それでも埒があかないので,今度は警察官までもが,ハダシになり,ズボンの裾を巻き上げて,エンヤコラ,エンヤコラを始める。皆が一致協力した甲斐があって,私達の車はどうやら,はまり込んだ泥から脱出することができた。
<私達が乗っている車を皆でエンヤコラ:右端の手は警察官>
今度は,私達の車を坂の20~30メートル手前まで後退させる。そして,遠くから勢いを付けて,一気に泥道を登り詰める。坂の途中で,すんでの所で再び泥に填り込みそうになるが,どうやらやっと難所を通過する。無事通過後,ドライバーが協力してくれた人達に,いくらかのお金をお礼として支払ったようである。
■警察官も一緒にキャベツを買う
ようやく泥地獄を脱出した私達の車は,再び凸凹道を下り始める。
11時54分に,ドライバーがまた車を停める。道路脇を見ると数人の人達が,地べたに敷物を敷いて,キャベツなどの野菜を並べている。
<道端の市場>
<警察官もドライバーから貰った小遣いでキャベツを買い込む>
ドライバー,ソロモン,警察官が揃って下車する。そして,それぞれが大きなキャベツ数個の他,野菜類をしこたま買い込んでいる。警察官も,先ほどのエンヤコラのお礼として,ドライバーからなにがしかのお金を貰ったようである。そしえ,そのお金でキャベツを買ったそうである。
3人が,しこたま野菜を買い込んだために,ただでさえ水入り段ボールで狭い運転席が,キャベツで収拾がつかないほどの状態になる。3人は悪戦苦闘しながら無理矢理自動車に乗り込む。11時58分,私達の車は何事もなかったかのように発車する。
■交通事故は羊で補償?
12時09分,またドライバーが車を停める。そして,道端に居た少女を手招きする。そして,その少女と,長々と何か話をしている。少女は15~16歳位だろうか,とても可愛い顔をしている。そして,ドライバーの話を聞きながら,頻りに頷いている。
「・・・この辺りで自動車事故を起こして,老人を殺してしまった・・補償金足りなかったので,羊を飼うことになっているが,まだ羊のお金を支払っていない。後から必ず支払うと遺族に伝えてくれ・・・」
と遺族と知り合いのこの少女に言付けたとのことである。
■関所かな?
そしてまた,車は何事もなかったかのように走り出す。
12時21分頃,私達の車は,突然,2メートルほどの棒を持った若い男数名に取り囲まれる。先ほど肉体労働をしたばかりの警察官が立ち会って,何か相談をしている。どうやら,ここは関所のようなところで,通過する車から,なにがしかの通行料金を徴収しているようである。
<突然,棒を持った若い男の集団に囲まれる。殺気が漲る>
11時46分,私達の車は何事もなかったかのように,再び走り出す。
13時38分,私達の車の前方に,トラックが停車していて動かない。どうやら現地の住民と何かトラブルを起こしているようである。この“とばっちり”を受けて,私達の車は,またもや停車する。そして,13時44分頃,ようやくまた動き出す。何があったのかサッパリ分からない。
■トイレもままならない
今度は,同行の女性が,
「・・・トイレに行きたい・・」
と言い出す。
「ダメ,ダメ,ここで車を停めたら,トラブルになる・・」
とドライバーが即座にNO!と言う。
相変わらずゴロゴロ道が続く。ソロモンが,突然,
「日本にはこういう道は無いのか・・?」
と私達に聞く。
「日本では,農道でも舗装されているよ・・・」
と誰かが答える。
「PNGの道路の舗装率は20%だよ・・・」
とソロモンが答える。
「もう少しで,悪路も終わりだよ・・・」
(つづく)
長い悪路とハプニング続出のドライブ
2007年2月10日(土)~17日(日)
第6日目 2007年2月15日(水)(つづき)
■ベティー小屋で一休み
6時25分にピュンデ湖畔のベースキャンプを出発した私達は,9時07分に,無事,ベティー小屋(Betty’s Lodge)に到着する。小屋の周辺には,数十名の人達が集まっている。老若男女さまざまである。
一体,どうして?
何かイベントでもあるのだろうか?
所が真相は,たった7名の私達と,オーストリア人2人が,彼らにとって,格好の見せ物になっているようである。沢山の興味深げな眼,眼,眼,・・・が,私達に注がれる。そして,ここからがわれらのリーダー,ケイの真骨頂である。ケイは群衆の中に入り込んで,
「イェ~ェ・・ィ・・」
と愛嬌を振りまく。とたんに集まった人達の間に,ほんわかとしたムードが広がり始める。
ケイが盛んに「時間通りに来ているかな」と盛んに心配していた四輪駆動車2台が,もう広場の片隅にチャンと来ている。これも,ケイが,繰り返し,繰り返し,運転手に時間通りに来るように言い続けた結果だろう。
■俄市場
広場の両側には,10名以上の人達が俄市場を開いている。ゴザのような敷物を敷いて,その上にこれまであちらこちらで見慣れた民芸品を並べている。ついでに,犬がゴザの前でノンビリと座り込んでいる。並べられている民芸品は,マウントハーゲンのハイランダーホテルの前で開いていたお店と,ほとんど同ように見える。中には面白いものもあるかも知れないが,私は欲しいという気にはならない。ただ,仲間の一部の方は頻りに買い物をしている。勿論,お客は私達7人とオーストリア人2人である。「果たして,これで商売になるのかな」と他人事ながら心配になる。
<ベティー小屋前の俄市場>
■不要品を寄付する
ベティー小屋に戻る。ケイが大きなビニール袋を持ってくる。そして私達に,
「何か不要なものがあったら,この袋の中に入れて下さい・・・」
と促す。袋に入れた品物を,ベティーさん経由で,お世話になったガイド達に寄付するとのことである。
私には特に不要なものはなかったので,何も寄付しなかったが,何人かの方々は,マット,長靴,タオルなどを寄付する。結構な集まりである。たちまちの内に,大きな袋が一杯になる。
ベティー小屋の従業員が,1足5キナ(約250円)で,登山靴や長靴の泥を洗い流すサービスをしてくれる。少々高いなと思ったが,泥だらけの長靴は,バッグに仕舞うのにも始末が悪いので,私も長靴を洗って貰うことにした。すると,若い女性が,小屋のテラスの片隅で,バケツの水を靴に掛けながら素手で洗っている。タワシが無いので,素手では,ねっとりとした泥は,なかなか落ちないので大変な作業になる。
■ベティー小屋でお茶
食堂でお茶のサービスを受ける。コーヒー,紅茶,沢山の果物の提供を受ける。
「ここからは自動車に乗るだけ・・・もう,歩かなくても良いんだ・・・」
と思うと,気分がとても良くなる。満足感に浸りながら飲み物を賞味する。
10時30分に四駆の自動車に乗る。乗る順序は往路と同じにする。従って私は一番先に乗り込んで,ドライバーの上着の臭さを嗅ぎながら過ごすことになる。乗車すると,床に大きな段ボール箱が置いてある。中身は水の入ったペットボトルである。邪魔なので,勝手に前の運転席に放り出す。もう一台の四駆には私達の荷物と,オーストリア人2人が乗っているようである。
■ソロモンの言い訳
皆が乗車すると,すぐに発車する。私達の車の運転席には,運転手,警察官,ソロモンの3人が窮屈そうに座る。私達が放り出した段ボールが丁度警察官の足の所にある。上背のある警察官は窮屈そうに足をあちこちに置き直しながら苦労して座っている。 発車すると,すぐに飛んでもない悪路になる。車は上下左右に大きく揺れる。いきなり洗濯機の中に放り込まれたようにな気分になる。
なお,段ボールに入っているペットボトルは,ポーターが運び忘れたものらしい。このペットボトルが無かったために,今朝,皆に配る水が足りなかったという訳である。後で,ソロモンが,
「・・・水が足りなかったのは,ポーターが運び忘れたためで,私の責任ではない・・・」
とケイに言い訳をしたそうである。
ガタガタ道をゆさゆさドシドシと揺られながら,車は,少しずつ,下り続ける。斜面をトラバースしている道を通過する。路面を見ると,頭の大きさくらいの石がゴロゴロと転がっている。中には,さらに大きな石もある。どうやら最近斜面から転がり落ちてきた石のようである。日本だったら,頻繁に落石のある危険な道は,間違いなく通行止めになる。
■皆でエンヤコラ
11時20分頃,往路で苦労した土砂崩れの現場に到着する。丁度そのとき,上りのトラックが坂を登れずに立ち往生している。立ち往生している車のまわりには沢山の人集りができている。彼らは一生懸命にエンコした車を泥道から引っ張り出そうとしているが,うまくいかない。ついに私達の乗っている車が後ろ向きになって,坂道に近付く。そして,細い麻縄を二重にして,エンコした車と私達の車を結びつける。エンコ車を私達の車が引っ張り出そうというのである。私はこの麻縄を見た途端に「すぐ切れるな」と直感する。やっぱり,予想通り,引っ張った途端に麻縄はプツンと切れる。すると何処からともなくクサリが出てくる。今度はなんとか脱出に成功する。
<泥道で車がエンコしている>
さて次は,私達の車が,この難所を通過する版である。案の定,登り切れずに坂の途中でエンコする。ドライバーが盛んにエンジンを吹かすので,車はますます泥の中に填り込む。吹かせが吹かすほど,車輪が泥にめり込んで,空回りになる。辺りに焼けこげた臭いが漂ってくる。こんなことをしていたら,肝心のエンジンが焼けてしまうのではないかと,ますます心配になる。
周りの人達が,私達の車に取り付いて,エンヤコラ,エンヤコラと揺さぶって,填り込んだ泥から車を出そうとするが,なかなかうまくいかない。ついに,ソロモンも手伝いに出る。それでも埒があかないので,今度は警察官までもが,ハダシになり,ズボンの裾を巻き上げて,エンヤコラ,エンヤコラを始める。皆が一致協力した甲斐があって,私達の車はどうやら,はまり込んだ泥から脱出することができた。
<私達が乗っている車を皆でエンヤコラ:右端の手は警察官>
今度は,私達の車を坂の20~30メートル手前まで後退させる。そして,遠くから勢いを付けて,一気に泥道を登り詰める。坂の途中で,すんでの所で再び泥に填り込みそうになるが,どうやらやっと難所を通過する。無事通過後,ドライバーが協力してくれた人達に,いくらかのお金をお礼として支払ったようである。
■警察官も一緒にキャベツを買う
ようやく泥地獄を脱出した私達の車は,再び凸凹道を下り始める。
11時54分に,ドライバーがまた車を停める。道路脇を見ると数人の人達が,地べたに敷物を敷いて,キャベツなどの野菜を並べている。
<道端の市場>
<警察官もドライバーから貰った小遣いでキャベツを買い込む>
ドライバー,ソロモン,警察官が揃って下車する。そして,それぞれが大きなキャベツ数個の他,野菜類をしこたま買い込んでいる。警察官も,先ほどのエンヤコラのお礼として,ドライバーからなにがしかのお金を貰ったようである。そしえ,そのお金でキャベツを買ったそうである。
3人が,しこたま野菜を買い込んだために,ただでさえ水入り段ボールで狭い運転席が,キャベツで収拾がつかないほどの状態になる。3人は悪戦苦闘しながら無理矢理自動車に乗り込む。11時58分,私達の車は何事もなかったかのように発車する。
■交通事故は羊で補償?
12時09分,またドライバーが車を停める。そして,道端に居た少女を手招きする。そして,その少女と,長々と何か話をしている。少女は15~16歳位だろうか,とても可愛い顔をしている。そして,ドライバーの話を聞きながら,頻りに頷いている。
「・・・この辺りで自動車事故を起こして,老人を殺してしまった・・補償金足りなかったので,羊を飼うことになっているが,まだ羊のお金を支払っていない。後から必ず支払うと遺族に伝えてくれ・・・」
と遺族と知り合いのこの少女に言付けたとのことである。
■関所かな?
そしてまた,車は何事もなかったかのように走り出す。
12時21分頃,私達の車は,突然,2メートルほどの棒を持った若い男数名に取り囲まれる。先ほど肉体労働をしたばかりの警察官が立ち会って,何か相談をしている。どうやら,ここは関所のようなところで,通過する車から,なにがしかの通行料金を徴収しているようである。
<突然,棒を持った若い男の集団に囲まれる。殺気が漲る>
11時46分,私達の車は何事もなかったかのように,再び走り出す。
13時38分,私達の車の前方に,トラックが停車していて動かない。どうやら現地の住民と何かトラブルを起こしているようである。この“とばっちり”を受けて,私達の車は,またもや停車する。そして,13時44分頃,ようやくまた動き出す。何があったのかサッパリ分からない。
■トイレもままならない
今度は,同行の女性が,
「・・・トイレに行きたい・・」
と言い出す。
「ダメ,ダメ,ここで車を停めたら,トラブルになる・・」
とドライバーが即座にNO!と言う。
相変わらずゴロゴロ道が続く。ソロモンが,突然,
「日本にはこういう道は無いのか・・?」
と私達に聞く。
「日本では,農道でも舗装されているよ・・・」
と誰かが答える。
「PNGの道路の舗装率は20%だよ・・・」
とソロモンが答える。
「もう少しで,悪路も終わりだよ・・・」
(つづく)