<フラワーセンター大船の桜>
春の鎌倉:癒しのフラワーセンター
(単独散策)
2011年3月25日(金)
■気が滅入る
3月12日に,東日本を襲った大地震から2週間ほど経過した.多少は回数が減ったとはいえ,まだまだ,かなり大きな余震が続いている.また,福島原発の事故処理は一進一退で,未だに明るい兆しが見えないままである.
戦後,虚脱状態の廃墟から逞しく蘇った日本の歩みを,この眼で見てきた私達昭和一桁の人間に共通している心情は,けなげにも立ち直った日本が,こよなく愛(いと)おしく,可憐に感じることである.
その日本が,今,正に戦後最大の苦境の喘いでいる.
天災だから諦めるしかない.でも,分かっていても,言いようもない無念さと悔しさで,ジリジリした感情に苛まれてしまう.日本の行く末が,散り急ぐ桜の花と二重写しに思えてくる.でも,日本中の都市が焼け野原になったのに,不死鳥のように蘇った歴史がある.
池田首相が,
「日本はもはや戦後ではない」
と所得倍増計画を打ち出したときは,ビンボー暮らしをしていたのに,未来に対して明るい希望があった.
今,私達に必要なのは,未来への明るいビジョンを,明確,かつ具体的に示すことだろう.では,それは何か?・・・ム,ム,ム,私には分からない.
■散歩に出掛ける:まずは鎌倉中央公園
私は居ても立っても居られない焦れったい気持ちを,少しでも和らげようと思って,この所,恒例になっている“滅多やらら歩き”に出掛ける.まあ,一種の気晴らしである.
午前中はヤボ用で明け暮れる.
昼食を早めに終えて,気晴らし散歩にでかける.上等な靴を履くのは勿体ないので,踵がちびれたよれよれの運動靴を履いて,まずは近場の鎌倉中央公園を目指す.
気がついてみると,今日は随分と暖かい.公園には幼児を連れた家族連れが何組か訪れている.幼児達が無心に遊んでいる姿を見ていると,自分の気持ちがとても穏やかになるのが分かる.子ども達は本当に可愛い.私は幼児達から元気を貰ったような気分になる.
<鎌倉中央公園>
<下の池の畔にて>
■山崎の江の島道標と妙法寺
山崎口から公園の外へ出る.今日はどの辺りを歩き回ろうかと思案しながら,とりあえずはバス停山崎口を目指す.歩いている内に,
「そうだ! 今日は県立フラワーセンターへ行ってみよう・・」
と思い立つ.
私は,花のことは,まるっきし分からないが,それでも美しい花は美しいと思う.ただ,その花の名前が分からないし,覚えられないだけのことである.
山崎の江の島道標の前を通過する.この道標付近はゴミの集積場になっているのか,沢山のゴミが散乱している.折角の文化財が泣いている.もっとも鎌倉市内には,この種の文化財が至るところにあるので,あまりに身近すぎて大切にする気にならないのかもしれない.
でも,まあ,私のようなよそ者がとやかく言うことではない.
<江の島道標> <山崎の庚申塔>
■県立フラワーセンター大船に到着
山崎から天神山の裾野を廻って,東海道本線の上を跨ぐ山崎跨線橋を渡る.そして,13時頃,県立フラワーセンター大船に到着する.受付で,年寄りの入場料金100円也を支払って,園内に入る.
結構,沢山の方々が園内を散策している.一眼レフのデジカメを持った年配の男性が随分多いようである.私を含めて男性客の殆どは1人客である.自分のことを棚に上げて,みんな寂しそうだなと同情する.
広い園内を見渡すと,心も広々としてくる.
<妙法寺(山崎)> <フラワーセンター大船>
■まずは園内一回り
園内に入ると,まさに春爛漫.沢山の草花が見事に咲いている.
「やっぱり,来て良かったな・・・」
とりあえずは,園内を一回りすることにする.園内をまわりながらも,時々,もっと急がなければという衝動に駆られる.今日はこの先何処へ廻るという計画もないので,ノンビリとしていれば良いのに,どうしても,セカセカ心が湧いてくる.
グループを案内しているときには,何時も
「・・・この辺りは何時頃通過しないと,予定の時間に目的地に着かないぞ・・」
という一種の強迫観念を持ちながら歩いている.そんなことが身体のどこかに染みついていて,一人で散策していても,ついついセカセカしそうになる.
■熱帯植物園
綺麗に手入れされた芝生が心地よい.ここで寝転んで昼寝でもしていようかと思うが,それでは,折角,フラワーセンターに來たのに勿体ない.まずは熱帯植物が展示されている温室を訪れる.
温室の中に入った途端に,ムッとする湿った熱気を感じる.さすがに熱帯である.
温室の中には,色とりどりの花が咲いている.花の名前など,端から覚える気はないが,とにかく見事である.例によって滅多矢鱈に花の写真を撮る.
■スズメに戯れる
30分ほどで温室を出る.
今回は,1人で入園しているので,誰にも気兼ねが要らない.好き勝手に園内を散策する.そうしているうちに,だんだんと気分が良くなる.
芝生の中を歩いていると,目の前で数羽の雀が,無心で.チョコチョコ何かを啄んでいる.可愛い.そこで雀を驚かさないように注意をしながら,雀の写真を撮る.
<無心に啄む雀たちが可愛い>
■池の畔を一巡り
花壇を幾つか見ながら,広い園内の片隅にある薬草園まで足を延ばす.さらに菖蒲園,バラ園,藤棚などを適当に歩いて,池の畔にある展示館に向かう.
■花の写真展
展示館では,丁度,「花の写真展」を開催中である.私も一寸覗いてみることにする.
館内に入る.受付に2人の男性が居る.見物客は誰も居ない.一寸入りにくい雰囲気である.でも,折角来たのだから,見ていこうと思う.
受付の男性に,
「こんにちは・・」
と挨拶して会場に入る.会場には数十枚の写真が展示されている.大きさはA4位だろうか.
どうせ暇なので,写真を一枚一枚丁寧に見て回る.
なるほど,写真は絵と一味違った世界のようである.作品を見ていると,結構奥深いものがありそうである.私が愛用しているコンパクトデジカメでは,到底,撮れそうもないボケの綺麗な写真が多い.
素晴らしい写真を眺めていると,マクロの付いたデジカメが無性に欲しくなる.
<「花の写真展」会場> <花で飾られた素敵な小屋>
■レストランに立ち寄る
展示場を一回りした後,レストランに立ち寄る・・・が,お腹が空いているわけでもないので,そのまま外へ出る.そして,池の畔のベンチに座って,さて,この後,どうしようかと考える.
■人懐こいネコ
私がベンチに座ると,2羽のハトが,首を振りながら私の方に近付いてくる.私が餌をくれるものと勘違いしているようである.こんな勘違いハトとお付き合いしていても仕方がないので,そろそろフラワーセンターから外へ出ることにする.
フラワーセンター近くのお店で,飼いネコが日向ぼっこをしている.飼い猫なので,人に良く馴れている.ネコにあったらすぐに写真を撮るのが私のクセである.
■玉泉寺から玉縄首塚へ
フラワーセンターの花を見ている内に,大分気分が落ち着いてくる.せっかくここまで来たんだから,聖天山玉泉寺でも参拝してから大船駅へ戻ろうと思う.
そこまでは良かったが,さて玉泉寺は,どんなお寺だったかが思い出せない.鎌倉検定を受検したときに覚えたはずなのに・・・
まあ,とにかく本堂の前で手を合わせる.
■大船観音を拝みながら大船駅へ
玉泉寺から玉縄小学校前を通り抜けて,トンネルを潜る.そして玉縄首塚に一礼,大船観音を拝みながら,大船駅へ戻る.
まだ,時間が早いので,駅構内の喫茶店“Becker's”に立ち寄る.例によって,230円也のコーヒーを所望する.
若い男女の店員数人が,実にキビキビと働いている.常に笑顔を絶やさない態度はとても感じがよい.店員が甲斐甲斐しく働いている姿を見ていると,私も嬉しくなり,コーヒーもますます美味しく感じられる.
「ここの若い人のような方々が居られる限り,日本がこのまま沈没することなどあり得ない・・」
と強く思った次第である.
(おわり)
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/19ea9e0a1971537ee463c678fe518605
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