中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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久々の富士山とぼんやりネコの丹沢:塔ノ岳(今年33回目)

2012年06月28日 04時35分01秒 | 丹沢の山旅

                                      <花立山からの富士山>

      久々の富士山とぼんやりネコの丹沢:塔ノ岳(今年33回目)
               (単独山行)
           2012年6月27日(水) 

■平日なのにバスは混雑
 日曜日(6月24日)に,中山道六十九宿巡りから戻ってから,もう中2日も経ってしまった.そして今日は水曜日.水曜日はなるべく塔ノ岳に登ろうと思っている日である.梅雨時にも関わらず,今日の天気は良さそうなので,全く躊躇せずに,5時10分に家を出発する.冷涼な朝の空気が実に心地よい.
 今日は平日.従って小田原駅で階段2段跳び駆けっこで,ハアハア言いながら小田急の電車に駆け込む.
 渋沢発大倉行1番バスは,平日にもかかわらず数名の立ち席が出るほど混雑している.
 同じバスに乗り合わせたご常連は,韋駄天のTさん,Y内さん,ホッシーさん,K大Nさん,編集長のY川さん,N村さん,A宮さんの7人だけ.沢山の登山客が乗車しているのに,一寸,常連の人数が少ないようである.
 例によりバスが大倉に到着すると,大半の方々はすぐに歩き出す.そして私は今朝もモタモタ.7時05分,たまたま居合わせたK大Nさんとご一緒に歩き出す.結局,常連の中では一番ビリの歩き出しである.

■山ヒル談義
 K大Nさんは,土曜日のご常連である.でも,今日は水曜日.
 「・・いえね,実は月に4回塔ノ岳に登ることにしているんですよ,でも今月はいろいろあって,天気の良い今日にでも登っておかないと4回にならないんですよ・・・」
とのこと.そういえば,今朝方の天気予報では明日から天気が崩れるようである.
 登山口で編集長のYさんに追い付く.今日は堀山登山にするとのこと.そのまま追い越させていただく.
 K大Nさんと雑談をしながらユックリ登っていると,後ろから来られたY内さんが私たちを追い抜いていく.
 K大Nさんのお話しは,何時ものことながらなかなか面白い.先週土曜日は,例によって沢山の登山客で賑わったそうである.丁度私は中山道を歩いていた日である.帰りのバスも混雑していてK大Nさんも立ちんぼだったとのこと.そのバスで沢登りの女性達とたまたま乗り合わせたところ,1人の女性が,大切なオッパイ食いつかれた山ヒルをぶら下げたままだったとのこと.
 山ヒルをまき散らす悪人(悪獣?)はシカだと良く言われるが,結構,私たち人間の方が,山ヒルをまき散らしているのかもしれない.
 7時21分,丹沢ベースを通過する.いよいよ山ヒルが沢山居ると言われている場所に入る.
 「・・・(ヒルに会わないように)登山道の真ん中を歩いて行きましょうね・・」
とお互いに言い合いながら,やや湿気が多くて狭い道を登り続ける.

■観音茶屋
 道幅が狭くなったので,成り行きで私が先頭になる.相変わらずK大Nさんと雑談をしながら,ユックリペースで歩いているが,気がつかないうちに,K大Nさんとの間が少しずつ広がってしまう.今更,ご一緒というわけにもいかないので,このまま先へ行かせてもらう.
 7時28分,観音茶屋を通過する.すぐ先にY内さんとホッシーさんの後ろ姿が見えている.坂道に差し掛かってすぐにホッシーさんに追い付くが,Y内さんとの距離はますます開いていく. 

<観音茶屋>

■見晴階段
 7時42分,雑事場ノ平を通過する.気温17℃.少々蒸し暑いが,まあ,心地よい天気である.見晴茶屋を通過して,いよいよ見晴階段に差し掛かる.ここで無理をすると,後半に響くので,極力マイペースを崩さないように気を付けながら登り続ける.
 前方を見上げると,坂の中腹にY内さんの後ろ姿が見えている.

<見晴階段>

■疾風のようなY沢さん
 8時01分,ようやく一本松を通過する.大倉を歩き出してから,もう55分ほど経過している.いくらユックリペースで歩くにしても一寸遅いなと重いながら,登り続ける.
 丁度そのとき,韋駄天のY沢さんとすれ違う.例によって2本ストックを上手に使いながら疾風のように駆け下っていく.

<疾風のように駆け下るY沢さん>

■久々の富士山
 8時16分,ようやく駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間11分.今の私には1時間05分程度が望ましいと思っているので,少々遅いラップである・・・が,仕方がない.
 堀山の尾根道に差し掛かる.
 今日はこの時期にしては珍しく.久々に富士山が良く見えている.早速,数枚の写真を撮る.
 山麓の林の中からウグイスの啼き声が盛んに聞こえてくる.

<堀山からの富士山>

■堀山の家
 8時33分,堀山の家に到着する.
 小屋脇の白い葉っぱの木が綺麗である.この木の名前は,すでに何回も聞いているが,覚えられない.小草平からも富士山が良く見えている.
 小屋の壁には「チャンプさん登頂4000回」の写真が飾ってある.
 辺りには人の気配が全く感じられない.
 
<堀山の家の白い葉っぱの木>                          <チャンプの写真>

■萱場平
 堀山の家から長い登り坂に差し掛かる.今日はここから花立山荘まで37~38分で登ろうかと思っている.
 堀山の家から坂道を登り始めたところで,早速,若い女性に追い抜かれる.若い人には全く敵わないが,年寄りには年寄りの歩き方があるさと思いながら,極力,マイペースを保つ.
 「それにしても,オレにも若い頃があったのに・・・ろくなことをしていなかったな~ぁ・・・」
と,無為に過ごした若い頃のことを悔やんでいる.
 その後は,完全な一人旅.
 ボンヤリと色々なことを考えながら登り続ける・・・・つい先日,私は某SNSで,「継続は力なり」というコメントを頂戴した.私はこのコメントに対して,幾つもの疑問点を持っている.まず第1に,「継続って一体何だろう?」ということだ.例えば,
 「年に1度塔ノ岳に登る」
は継続といえるだろうか? では,
 「毎年,海外旅行に行っている」
は継続と言えるだろうか?
 「う~ん・・・継続の意味,良く分かんないな・・・・」
 そんなことを,モヤモヤと考えている内に,8時51分,萱場平に到着する.
 萱場平には,相変わらず,人の気配はない.今頃,多分,韋駄天のTさんは,馬の背辺りを歩いているんだろうか?

<人の気配が全くない萱場平>

■後7分坂
 歩き出しがユックリペースだったので,全く疲労感がないまま,変わらないペースで登り続ける.この辺りが山らしくて,登っていても一番楽しいところである.
 私は相変わらず「継続は力なり」を巡って妄想しながら歩いている.
 「力なりの”力”って,具体的になんだろう?」
これが妄想の中心課題である.
 その内に,先ほどからモヤモヤと考えていた”継続”についても,何となく枠組みが見え始める.この枠組みに“力”の概念を加えると,「継続は力なり」の理論的な枠組みが見えてくるようである.私は坂の途中で立ち止まって,モヤモヤと考えていた内容を,ノートに認める.
 薄らトンカチになり始めた私には,歩きながらの妄想が何より楽しいのである.
 こんな妄想で時間感覚が麻痺していると,瞬く間に,後7分坂(正式には花立階段)に差し掛かったような気分になる.とにかく正気に帰ると目の前に後7分坂がある.
 坂を登り始めて中頃に達したときに,同じバスに乗り合わせたN村さんとすれ違う.
 「今日は気持ちが良いですね・・・」
と一言だけ挨拶をする.そして,フト上を見ると,女流超韋駄天のマコさんことI藤さんがニコニコしながら下りてくる.お二人とも,実に羨ましいほどの超高速である.
 I藤さんと立ち話.私が中山道六十九宿を歩いていること,今の中山道が終わったら,奥州街道を歩こうかなと思っていることなどをお話しする.I藤さんも街道歩きに興味を示してくれる.
 私が中山道の記事をブログに掲載していることを伝える.
 時計を見ると,マコさんとの立ち話の所要時間は6分少々である.
 「・・・この6分は,後でラップタイムから引き算しなければ・・・」
と歩行速度から達観した筈の私だが,結局はラップタイムを気にしている.我ながら自嘲.まだ,まだ,修行が足りないぞ.

<俊足のマコさん>

■花立山からの富士山
 9時21分,花立山荘を通過する.大倉からの所要時間は2時間15分とやたらに遅い.先ほどの雑談時間6分を差し引いても,2時間09分.ユックリ登ったとしても,あと4~5分早く登れるようになりたいものである.
 花立山までは案外調子よく登れる.花立山荘からの所要時間は8分.このラップは今の私には上出来.途中で,男性を追い抜かさせて頂く.
 いくらか霞んではいるものの富士山がとても良く見えている.南アルプスも見えているような見えないような感じである.早速何枚かの写真を撮る.

<花立山から鍋割山稜と富士山を望む>

■緑陰の中をご常連が下る
 9時33分,金冷シを通過する.
 木陰で沢山の虫が「ジージー・・」と鳴いている.ちょっと耳障りな音である.セミだろうか.虫の鳴き声に混じって,ホトトギスの啼き声が聞こえてくる.虫の声を聞きながら,今年も夏がやってきたなと実感する.
 山頂近くの階段で,下山してくる韋駄天のTさんとすれ違う.今度の常連1泊2日の旅に,山旅スクール5期の猛女3人の参加が確定したことをお伝えする.ついでに私が現在中山道を歩いていたために週末の塔ノ岳行スキップしたので,今日は1週間ぶりの塔ノ岳だと釈明する.さらに,来年辺りから奥州街道歩きを始めるかもしれないとお話しする.
 韋駄天のTさんとお別れして,登り始めるとすぐに下ってくる常連のA宮さんとすれ違う.

<心地よい緑陰の中,韋駄天のTさんが下る>

■塔ノ岳山頂
 その後は極めて快調に登り続ける.途中,止まりそうになっている中年男性を追い抜かさせて頂く.
 「随分,速いですね・・・」
と男性が私に言う.こんな鈍足の私でも,たまには速いと言われることがある.何だか妙な感じがする.
 9時48分,塔ノ岳山頂に到着する.気温17.7℃.心地よい気温である.1週間前の水曜日の山頂は立っていられないほどの強い風が吹いていた.同じ山頂でも日によってこんなに様子が違うのかと再認識させられる.
 大倉からの所要時間は,2時間43分.冴えないな.仮にマコさんとの雑談時間6分を差し引いても,2時間38分.無理をしないで登って所要時間が2時間35分程度になれば良いなと思っている.
 今日は梅雨の間の晴なので,まだ早い時間なのに山頂には数人の登山客が居る.
 恒例により,山頂からグルリ一回り写真を撮る.
 相変わらず富士山が見えている.

<塔ノ岳山頂>

     
     <塔ノ岳山頂から富士山を望む>

■尊仏山荘
 山頂で一通り写真を撮り終えてから,尊仏山荘に入る.先客はご常連のY内さんお一人.
 小屋番はW林さん.何時も通り300円也のお茶を所望する.
 暫くすると,W林さんが2階からネコのミー君を抱っこして連れて来る.土間に置かれたミー君は,幾分掠れた声で,「ニャ~,ニャ~・・・」とご機嫌な顔で鳴く.
 季節のせいか年のせいか分からないが,毛がぼさぼさしていて脂気がないのが,一寸気になるが元気そうである.何となく貫禄が付いてきたようでもある.年を取ってから,少し甘えん坊になったようだ.
 Y内さんと,暫くの間,雑談をする.
 Y内さんから,
 「(ミー君が)子猫の時の写真をお持ちですか?」
と質問される.
 「もちろん持っていますよ・・・」
と答える・・・・・が,10年ほど前のミー君の写真は確かに手許にあるが,果たして子猫と言えるだろうか,ひ
ょっとしたら子猫とは言わないかなと気になり始める.
 10時10分頃,そろそろ下山しようかと思う.
 「それにしても,K大Nさん,なかなか現れないですね・・・・」
と噂話.
 10時15分,尊仏山荘から出発することにする.
 丁度そのとき,ようやくK大Nさんが到着する.残念ながら,入れ替わりに私は下山を開始する.
 K大Nさんから,
 「ホッシーさんは大分下の方で追い越しましたよ・・」
と聞かされる.何時も快調に登られるホッシーさん,今日は,どうしたんだろう?
 
<ご機嫌なミー君>

■ノンビリと下山
 下山も,気楽な一人旅で.大倉発12時52分のバスに乗車するつもりである.時間はタップリあるので,ユックリ,ノンビリと下山するつもりである.セカセカと下山するのはどうも性に合わない・・・というよりは,白内障手術前の私の視力はかなり落ちているので,足許がハッキリとは見えない.だから慎重に下るしかない.
 10時24分,金冷シ手前の階段で,登ってくるホッシーさんとすれ違う.
 「今日はそれほど暑くないけど・・・身体がだるくて,足が先へ進まないんですヨ・・」
とホッシーさんがぼやく.
 その後も,ときどき,後から下山してくる人に追い越されながら,ノンビリと下り続ける.
 後7分坂をオッカナビックリ下っていると,中年の男性に追い抜かれる.
 「FHさんですか?・・・ブログ読んでいますよ」
と声を掛けられる.それも本名で呼ばれたので,少々,ビックリする.
 もっとも,一寸した操作で私の本名などすぐ分かるし,特段,本名がばれても困るようなことは,ブログでは何一つ書いていない.それにアクセスされる方々も限定されているので,本名が分かっても,一向に差し支えないのだが,それでも,ちょっと考えさせられる.
 「でも,まあ,いいか・・・!」
 駒止茶屋を通過すると,だんだんと蒸し暑くなる.ただ,まだアブ,蚊がしつこく追いかけてくる時期ではないので,まあ快適に下山し続ける.
 大倉に下山すると,民家のアジサイが綺麗なことに気がつく.上りのときは全く気がつかなかった.

<大倉の民家のアジサイ>

■昼下がりに帰宅
 予定通り,12時47分にバス停大倉に到着する.
 洗い場で,タワシに山ヒルが付いていないことを確かめてから,靴の泥を落としていると,渋沢行バスが到着する.丁度良いタイミングである.
 バスの乗客はほんの数名.空いている.そのためか,途中で下車する乗客も居ないので,少々早めに渋沢駅に到着する.すぐに下り電車が到着する.後は東海道本線の接続も良くて,14時過ぎに大船に到着する.
 駅前のどこかのコーヒー店で,コーヒーを賞味してから帰ろうかとも思ったが,大船発14時31分のバスに乗車.14時45分頃,無事帰宅する.
 良かった,良かった!

<ラップタイム>

 7:05  大倉歩き出し
 7:28  観音茶屋
 7:44  見晴茶屋
 8:16  駒止茶屋
 8:33  堀山の家
 9:21  花立山荘
 9:33  金冷シ
 9:48  塔ノ岳山頂着(17.7℃)
10:15     〃  発
10:30  金冷シ
10:43  花立山荘
11:21  堀山の家
11:40  駒止茶屋
12:09  見晴茶屋
12:24  観音茶屋
12:47  大倉 着

 [山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
   大倉   発       7:05  
  塔ノ岳  着       9:48  
 (所要時間)     2時間43分(2.72h)
 水平歩行速度   7.0km/2.72h=2.57km/h  
 登攀速度      1269m/2.72h=466.5m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)   
  塔ノ岳  発       10:15
  大倉   着       12:52  
 (所要時間)  2時間37分(2.62h)  
 水平歩行速度     7.0km/2.62h=2.67km/h
 下降速度        1269m/2.62h=484.4m/h


[加除修正]

2012/7/1 転換ミス訂正

                                       (おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/d81a92de1fa500614846124b21e756a6
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/1bb00c719b49cf43fce4bc94e00bbcf5

     ****************************

[編集後記]

2012年6月28日(木)

 午前中はヤボ用.
 中山道の旅に出掛ける前に,アタフタと鎌美展に応募した水彩画は,案の定,「選外」となってしまった.やっぱりダメか,さもありなん.本人が納得する.
 やっつけ仕事は,いくら本人が隠せたと思ってもチャンと露見してしまうもの.
 後は秋の展覧会を目指すことにしよう.





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