<アジサイが美しい「うとう峠」>
歩いて巡る中山道六十九宿(第13回):第1日目(3);うとう峠を越える
(五十三次洛遊会)
2012年6月22日(金)~24日(日)
2012年6月22日(金) (つづき)
<鵜沼宿地図>
<うとう峠>
■国道21号線を南へ
岩屋観音堂を参拝した後,ジグザグに岩に刻まれた階段を下りて,木曽川(日本ライン)沿いの国道21号線に戻る(前回の地図参照).
木曽川右岸沿いの国道21号線は大きく左にカーブしながら進行方向が南へと変わる.進行方向右手には低い山がうねうねと続いている.
地形図を眺めながら,うとう峠入口のある谷間の見当を付ける.
途中から国道21号線を右から左へ横断して,道路の左側の路肩沿いに歩き続ける.11時59分,数軒のレストランが並んでいるところに到着する.どのレストランも閉店しているらしくて,人の気配が全くない.
案内書の説明文を確かめながら,「カフェテラスゆらぎ」のすぐ先の草ボウボウの踏み跡道のような所に入り込む.ここが,国道21号線の下を潜るガードの入口である.案内書が亡ければ,とても分かりづらいところである.
<「カフェテラスゆらぎ」を通過したところがガードの入口である>
■ガードを潜る
12時01分,国道21号線のガードを潜る.ガードの中には,狭い通路と,広い水路が並んでいる.昨日までの雨のためか,溢れんばかりの水が歩道すれすれの所まで達している.ガードを出たところは,滝のようになっていて,ザワザワと流下する水の音がガードに反響している.
<国道21号線のガードを潜る>
■うとう峠入口
国道21号線のガードを潜って,12時02分,うとう峠入口に到着する.入口の案内板には白い字で「←うとう峠」と書いてある.
ここから急に登り坂の山道になる.
案内板の脇には「中山道」という説明板が立っている.この説明文には「往時の中山道は太田宿から坂祝・各務原境まで木曽川に沿ってあったが,この先鵜沼までは急傾斜の危険な場所であったため,ここから山あいに入り込み,うとう峠を越えて鵜沼宿につながっていた」という趣旨のことが書かれている.
先頭がドンドン先へ行ってしまうので,慌てて写真を撮って,跡を追う.
<うとう峠入口>
<往時のうとう峠>
■緑陰の峠道
うとう峠に入ると,今までの自動車の騒音は一切聞こえなくなり,やや急な登り坂になる.私は特に登り坂に弱い同行者2人の様子を見ながら登り続ける.
峠道は緑陰の谷間に続く未舗装の山道である.緩やかで長い登り坂が続く.谷間のためか風はなく幾分蒸し暑く感じる.
<うとう峠の山道>
■広場で昼食
12時14分,アジサイが見頃な広場に到着する.広場には数台のベンチが設置されている.
リーダーの判断で,この広場で昼食を摂ることに決定.一同,適当にベンチに座る.そして,先ほど立ち寄ったコンビニで仕入れた昼食を摂る.
藤棚の木陰に3~4台のベンチが並んでいる.大半の方々は,ここのベンチに座る.私は,何となく蚊に刺されそうな気がして,少し離れた日当たりの良いベンチに座る.そして,「明太サラダうどん」とやらを賞味する.暑いときは冷たい物に限る.このうどんは喉越しも良く,なかなかの優れものである.
食事中も強い陽差しが照りつけて,ジリジリと暑い.
私はリュックの中から,今朝方の雨でビショビショになったままの折りたたみ傘を取りだして乾かす.夏至の太陽は,瞬く間に濡れた傘を乾かしてしまう.
<うとう峠の広場>
<私の昼食「サラダうどん」>
<日本ラインうぬまの森>
■緑苑東公園に到着
昼食を終える.
同行の皆さんから,持参した菓子,飴などのお裾分けが配られる.たちまちの内に両手に入らないほどのお菓子類が貯まる.こういうことに疎い私はお返しすべきものを何も持ち合わせていない.一方的に頂戴するばかりである.恐縮!
12時48分,午後の部を再び歩き出す.
道路脇のアジサイが見頃を迎えている.ここからは,公園風に整備された道路になる.
歩き出して間もなく,突然整備された公園に飛び出るように到着する.地図で確かめると緑苑東という所らしい.ものすごく大きな団地の東端に位置しているようだ.
私は,山道からいきなり開けたところに出てしまったので,しょうしょうドギマギしてしまう.
「アルプスハイキングコース」と書かれている案内板が立っている.その向こうに「記念樹の森」と書いた立て札がある.何だか凄いところに出てしまった.
公園内の散策路を西へ向かう.ごく緩やかな下り坂である.ということは,先ほどの公園入口辺りがうとう坂の最高地点ということになる.今回の2泊3日の旅の中で,もっとも標高が高い場所でもある.地図で確かめると,最高地点の標高は約105メートルということになる.
<記念樹の森>
■うとう坂の一里塚
進行方向右手,やや低いところに舗装道路が見えている.その先は森林になっている.
12時53分,うとう峠の一里塚跡に到着する.江戸から丁度100番目の一里塚である.正に「塵も積もれば山となる」で,私たちは江戸日本橋から100里も離れたところを歩いている.京都三条大橋まで,後36里のこすだけになった.
傍らにある案内板によると,うとう峠の一里塚は,峠を西側にやや下ったところに位置していて,道の南北両側にそれぞれ北塚,南塚が残っている.北塚は直径約10メートル,高さ約2メートルである.南塚は太平洋戦争中に航空隊の兵舎建設のために南側の半分が壊されてしまったらしい.
なお,各務原各地には,ここ以外にも3箇所ほど一里塚があったようだが,これらはすべて消滅したという.
<うとう坂の一里塚>
<一里塚の説明板>
■日本ラインうぬまの森
一里塚のすぐ先で,舗装道路に合流する.
地図を見ると,この舗装道路の向こうに「汚池」という名前の一寸した池があるようだが,視界が手前の森に
遮られていて,全く見えない.池の名前が面白いので,興味があるが,見えなくて残念.下水でも流れ込んでいるんだろうか?
辺りは広くて立派な公園である.
12時54分,大きな石碑の前に到着する.石碑には「日本ラインうぬまの森」と大きな字が刻字されている.
<「森の本屋さん」の建物>
■「もりの本屋さん」
進行方向左手に,綺麗な建物がある.「もりの本屋さん」というお店のようである.
ちょっと興味があるので,入口の扉を開けて中に入ろうとする.するとカウンターから若い女性の店員が出てきて,入口のマットで靴底を良く擦ってから入るように注意される.笑顔で注意されたが,何となく,ピピピッと来るものがある.どうも敬遠された感じがする.誤解かもしれないが,リュックを背負ったバッチイ爺には入って貰いたくないようである.
中を覗くと,それほど沢山の本もなさそうなので,
「どうも失礼しました・・・」
と挨拶してから,中に入らずに道路へ戻る.
「もりの本屋さん」のすぐ先で,ちょっとの間,立ち休憩を取る.
<「森の本屋さん」の建物>
<ちょっと一休み>
<天王坂を下る>
■谷戸池
13時丁度,再び歩き出す.緩やかな下り坂が続く.地図で確かめると,この下り坂は天王坂と呼ぶらしい.
13時03分,進行方向右手に大きな池が見え始める.谷戸池である.池の周囲には大規模な団地が広がっている.
<谷戸池>
■石塔群
池の端で,五叉路になる.地図を見ると,ここを鋭角に曲がることは分かるが,団地内の枝道があるので,どの道が正解か,少々ややこしい.池の畔を上る道が多分正しいんだろうと判断して,団地内の登り坂を進む.
地図を見ると,進行方向左手の高いところに,御嶽神社があるようだが,それらしいものは何も見えない.少々不安になるが,どう見ても,この道が正解に違いないので,御嶽神社は見落としたことにして先へ進む.
13時14分,右手に石塔群を眺めながら先へ進む.この辺りから,ダラダラと下り坂が連続する.
<石塔群>
(つづく)
[参考資料]
資料1;岸本豊,2007,『新版中山道69次を歩く』信濃毎日新聞社
資料2;ウエスト・パブリッシング(編),2008,『中山道を歩く旅』山と渓谷社
資料3;今井金吾,1994,『今昔中山道独案内』日本交通公社
資料4;五街道ウォーク事務局,発行年不詳,『ちゃんと歩ける中山道六十七次』五街道ウォーク事務局
「中山道六十九宿」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/dfd090cc1008fdc8ce41afeea07ecc9f
「中山道六十九宿」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3c7c74d016a9bd0773a8e42734b9bdc7
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