鹿沼岩山・次石山登頂(2)
(山旅スクール挑戦コース)
2006年11月21日(火)~22日(水)
(つづき)
第1日目 11月21日(火)
■少ない男性参加者
鹿沼西中バス停近くの日吉神社参道に入り,身支度を整えた私達は,10時27分に歩き出す。参加者を4パーティに分ける。登山者4~5名に山岳ガイドが1人付くという贅沢な登山である。ガイドから,ハーネスの装着をするように指令が出る。カラビナやスリングの点検も行う。途中からショートロープで登るところも出てくるとのことである。
最近の参加者は,女性ばかりが多くなり,今回も男性の参加者はたった4名である。余談だが,私は主宰者に,パーティの分け方について,何時もクレームを付けているのだがなかなか聞き入れて貰えない。というのも,少ない男性参加者を,必ずバラバラにして,各パーティに振り分けるので,女性ばかりの所に男1人という寂しい状態になってしまう。そうなると,女性はずるいので男性だというだけで,この老いぼれの私に
「リーダーになれ・・」
と無理を言う。冗談じゃない!
それに,廻りが女性ばかりなところでは,何かにつけて,意識しながら発言しなければならない。戦前の大日本帝国生まれの私には,これがまた煩わしくて仕方がない。男女七歳にして籍(席かな?)を同じうすべからず。もっとも,若い少人数の女性は大歓迎なのだが・・・・でも,口うるさい女性群に囲まれるのは,緊張するだけでなく鬱陶しい。なにせ1人の女房を御するのも大変なのに,沢山の女性の中に放り込まれたらたまったものではない。たまには男性だけのパーティで,下らない話でもしながら,気楽に山登りを楽しみたいと思うのも自然なことだと思うのだが・・・・
だから,登山学校の「男女共学」には反対なのである。でも,今のところ,主宰者は,私のささやかな願いを聞き入れてくれる気はサラサラないようである。こうも男の参加者が少ないのなら,もう山旅スクールを辞めようかと,しばしば真剣に思うことがある。
案の定,ショートロープでは,私がロープの最後部になる。ガイドと私の間に入る3人の女性の中には,私より重そうで力持ちのように思える方が居るのに・・・
■岩山に到着
話を戻そう。
私達は,正面の日吉神社の階段脇から登山道に入る。暫くの間,やや急勾配の登山道が続く。杉林の中の道を進む。地元の子供達が書いた「岩山を綺麗にしましょう」というポスター看板が建ててある。なかなか上手に描けているので思わず見入ってしまう。 やがて登山道の勾配がきつくなる。登るに連れて辺りの視界が良くなってくる。山の名前は分からないが,伸びやかな山並みが幾重にも重なっている。やがて露岩帯に入る。急傾斜の岩場が出てくる。ここで全員がショートロープでガイドに繋がれる。しかし岩場自体はそれ程難しくはない。むしろショートロープが煩わしい感もあるが,安全第一を考えるガイドの心情も理解できる。
11時37分に第3峰のベンチに到着する。途端に眺望が開ける。
<ベンチから鹿沼市内が見下ろせる>
しかし,ここでは休憩を取らずに先へ進む。アップダウンを繰り返して,12時34分に「二のコル」を通過する。そして,尾根伝いにコルを通過してから,小さなアップダウンを繰り返して,12時50分に二番岩の手前にある小さな広場に到着する。ここで10分間の休憩を取る。 12時39分に二番岩手前の広場を出発する。少し下って,再び登り返して,13時06分に二番岩に到着する。そのまま先へ進み,小さな下りと登りを繰り返した後,比較的なだらかな尾根道を進む。そして,20mほど下って,一のタルミを通過する。再び30mほど下り,さらに80mほど登り返して,14時21分に,一番岩つまり岩山の山頂(328m)に到着する。
岩山山頂から先には,岩稜が時々現れる急傾斜の下りと,長い岩場がある。ガイド総出で,危険箇所に安全確保用のロープ張りをしている。その作業に目鼻が付くまで,私達受講生は岩山山頂で待たされる。
<ショートロープで登攀>
待っている間に,大きなゴールデンリトリーバーを連れた男性が,どこからともなく現れる。彼は山麓の自宅から犬を連れて登ってきたという。犬はよほど喉が乾いているらしくて,岩の裂け目に貯まっている雨水を頻りに飲んでいる。
■奇岩怪石を縫って進む
15時18分,ようやく岩山の山頂を出発する。暫くの間,私達は奇岩怪石の狭い間を縫うようにして稜線を進む。これが結構面白い。やがて大岩に到着する。もの凄く大きな岩が鎮座している。斜面が落ち込んでいる側では,岩が大きな庇のように斜面に突き出ている。何とも迫力のある光景である。私達より先行しているグループが,この先にある難所の通過に手間取っているようである。そのために,私達後発のグループは,そのままここで待機しているように指令が届く。
暫くして,大岩を後にする。そろそろ日が傾き始める。紅葉を間からこぼれ日が射し込む。
16時06分,素晴らしく見晴らしが開けた岩塊の上に飛び出るようにして到着する。猿岩である。眼下にゴルフ場のグリーンが鮮やかに見えている。
■長い岩場を下る
猿岩から長い岩場を下らなければならない。参加者1人ずつロープダウンしているので,恐ろしく時間が掛かる。その内にトップリと日が暮れ始める。17時44分,ようやく私の番になる。私は後から2番目である。慎重にロープダウンする。もう真っ暗に近く,ほとんど岩壁が見えなくなっている。下の様子が分からないまま,ひたすら足を突っ張って下る。途中で,傾斜がさらに急角度になるので,突っ張る足にひたすら注意しなければならない。
崖の下で待機しているガイドが,
「そろそろ立てますよ・・」
と私に助言する。
その後,真っ暗な急坂を,オッカナビックリとやっとの思いで下りつづける。
<この後,間もなく暗闇のクライムダウンになる>
その先に,先ほどよりさらに長い岩壁がある。真っ暗な中を,弱いヘッドランプの光を頼りに,ひたすらロープダウンする。周辺の景色が見えないので,自分が一体どっちの方向に下りているのかも良く分からない。下で待機しているガイドの声を頼りにひたすら降り続ける。
その後,弱い光を頼りに,林の中の坂道を下り続けて,18時04分,ゴルフ場の舗装道路に出る。平素の山行では舗装道路は敬遠したいが,今日ばかりは,舗装道路に出て,ホッとするほど有り難かった。18時06分にゴルフ場のクラブハウスに到着する。ここで出迎えのタクシーを待つ。
それにしても,真っ暗な中で,ガイドの皆さんは,ロープ類を撤収して,誰の補助も受けずに,あの岩壁を降りてきた。
「プロは,違うな~ぁ・・・!」
と心底から感嘆する。
(つづく)
最新の画像[もっと見る]
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前