中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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世界遺産の富士山をバカカメラが撮る丹沢:塔ノ岳(今年22回目)

2013年05月08日 18時08分59秒 | 丹沢の山旅

                                <花立階段から富士山を望む>

 世界遺産の富士山をバカカメラが撮る丹沢:塔ノ岳(今年22回目)
         (登り単独・下りご常連と一緒)
        2013年5月8日(水) 晴

■やっと水曜日が晴れた
 私は,他に用事がない限り,毎週,なるべく水曜日と土曜日に塔ノ岳に出掛けることにしているが,この所,なぜか水曜日は天気が悪かったり,他の用事と重なったりで,潰れっぱなしである.幸いなことに,今日の水曜日は晴れ.水曜日に塔ノ岳に出掛けるのは4月17日以来のことである.
 5月も中旬ともなると,日の出がますます早くなり,私が家を出る5時10分頃には,もうすっかり夜が明けている.
 今朝は,湘南モノレールの最寄り駅のホームから,あの世界遺産登録間近な富士山がスッキリと見えている.私は,ホームの金網の間に愛用のバカカメラのレンズを覗かせて,早速富士山の写真を撮る.この時点から,今日の私は上機嫌である.
 撮った写真を眺めると,実際眼で見た感じとは,色調が少し違うように思えるが,私が何時もバカカメラ呼ばわりしているので,多分,カメラがすねているんだろう…ということで,多少の色調の違いは大目に見ておこう.
 写真の手前に見えている街並みは,藤沢市である.

<湘南モノレールの駅から富士山を望む>

■今日は富士山が良く見える
 今日は平日.小田原駅で,乗換時間たった2分の階段2段跳び乗換を終えて,小田急電車に乗り換える.
 ”やれやれ,これで渋沢発大倉行きの1番バスにまにあうぞ…”
 階段2段跳びで,”はあ,はあ”の荒い息遣いを静めるように電車の座席にへたり込む.荒い息が治まる頃,急行電車は新松田駅に近付く.電車が新松田まで途中の駅に停まらないので,ここがどの辺りになるのか良く分からないが,新松田に近付く頃,スッキリと晴れ渡った車窓に矢倉岳が見え始める.
 ”良いぞ…,今日は「日蝕」ではなく「富士山蝕」が見えるぞ”
と言うわけで撮ったのが下の写真である.

 
<富士山と矢倉岳が並んで見え始める>               <見事な富士山蝕>

■大倉から歩き出す
 渋沢発大倉行1番バスは,平日にもかかわらず,沢山の立ち席が出るほど混雑している.
 バスに乗り合わせたご常連は,超韋駄天のN村さん,韋駄天のTさん,三角髭のTさん,キャベツのT添さん,編集長のYさん,F田さん,T田女史他.
 バスが大倉に到着すると,直ぐに超韋駄天のN村さんとキャベツのT添さんが,塔ノ岳山頂を目指して歩き出す.私は,たまたま居合わせた韋駄天のTさんと一緒に,7時03分に大倉を出発する.振り返ると私より少し後ろに,F田さんとT田女史が並んで歩いているのが見える.
 韋駄天のTさんとは,毎度のことながら,比較的勾配が緩い見晴山荘までは何とかご一緒できるが,その先の見晴階段の急坂から先は到底ご一緒するのは無理である.今日も,見晴山荘までは,韋駄天のTさんとご一緒するつもりである.
 7時23分,観音茶屋に到着する.
 私たちより先に出発したキャベツのT添さんが,観音茶屋のベンチで衣服調整をしている.
 「お先にユックリ歩いています」
と挨拶して,先に行かせてもらう.

■見晴階段
 この所,雨が降っていないためか,歩くと砂埃が立つほど,路面は随分と乾燥している.そういえば,今日は乾燥注意報が出ているようである.
 ”私には,ちょっと速いかな…”
と思いながらも,7時37分に見晴山荘を通過する.
 「では,ここからはゆっくり登ります,どうぞお先へ…」
ということで,韋駄天のTさんとはお別れする.
 すぐに,見晴階段に差し掛かる.ここで定点観測のため見晴階段を見上げた写真を撮る.写真には今し方お別れしたばかりの韋駄天のTさんの後ろ姿が写っている.坂の遙か上には数名の登山者の後ろ姿が見える.
 坂を登り始めると,直ぐに韋駄天のTさんと私との距離が開き始める.私が,この坂道を3分の2ほど登ったときには,もう韋駄天のTさんは見晴階段を登り切って,モミジ坂に差し掛かっている.そして,私がモミジ坂に入ったときには,もう韋駄天のTさんの後ろ姿は全く見えなくなっている.
 階段脇の茂みから,ツツドリの啼き声が聞こえてくる.これもこの時期に欠かせない風物詩である.

<見晴階段を登る>

■駒止茶屋
 見晴山荘からは全くの一人旅.仲間と一緒に登るのは勿論とても楽しいが,一人旅もまた勝手気ままなところが実に楽しい.私は,気の向くまま好き勝手に登り続ける.
 8時01分,疾風のように駆け下るY沢さんとすれ違う.
 やがて,駒止階段に差し掛かる.ここであんまり頑張ると後でバテ気味になるので,自重しながら階段を登る.この“自重しながら”が,実は勝手気ままな性格の私には,実に難しいことである.でも,まあ,自重しながら登っていると,60歳代と思われる男性に,階段の途中で追い抜かれる.内心では,
 “ンにゃろう…,追い越しやがったな”
と多少気になるが,自重,自重!
 8時07分,駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間04分.私としては,まあ,まあ,のラップである.

■このバカカメラめ!
 駒止茶屋を通過して堀山の尾根に差し掛かる.
 さきほど私を追い越した男性が茶屋上のベンチで休憩を取っている.
 “なんだ! こんなところで休憩を取るんなら,わざわざ私を追い越さなくても良いじゃないか”
と私は心の中だけでブツブツ言っている.
 堀山の尾根は,今,正に新緑.歩いていても実に心地がよい.
 やがて,富士山が良く見える場所に到着する.私は愛用のバカカメラを構えて,5~6枚の写真を撮るが,どういう訳か,肉眼では良く見えているものの,写真に撮ると下の写真のように富士山は全く写っていない.多分…というより明らかに露出オーバーなんだろうなと容易に想像が付くが,まあ,私のカメラと富士山の相性が悪いんだろうな…ということにしておこう. 



<肉眼では良く見えている富士山が写らない>

堀山の家
 8時23分,堀山の家を通過する.小草平から富士山が良く見えているが,ここで富士山の写真を撮っても,富士山がちゃんと写ったことがないので,今日は端から富士山は撮らないことにする.
 ベンチで休憩を取っていた男性が,私の行く先を遮るようにして,先に歩き出す.
 “失礼な!”
と思ったが,この男性の歩く速度がやたらに速いので,
 “はは~ぁん…私が登ってくる姿を見て,‘この老いぼれは歩くのが遅すぎる.先に行ってしまえ’と思ったんだろう”
と納得する.

■萱場平
 今日も,堀山の家から花立山荘まで40分で登ることを目標にしよう.一寸でもオーバーペースになると,戸沢分岐手前で苦しくなるので,そうならないように自重して登り続ける.途中で2~3人の駆けっこの若者に追い抜かれる.
 でも,私はマイペースで楽しみながら登り続ける.
 8時42分,萱場平に到着する.
 前方にはクッキリとした青空が広がっている.気温は12℃.暑くも寒くもない心地良い気温である.


<萱場平>

■今日の“ど根性アザミ”
 萱場平の木道の間に自生する“ど根性アザミ”がどのくらい大きくなったかが気になる.
 毎度のことながら,木道にしゃがみ込んでアザミの写真を撮る.先週の金曜日に同じアザミの写真を撮っているが,わずか数日の間に少し大きく育ったような気がしている.

<木道の間に毎年顔を出すアザミ>

■後7分坂からの富士山
 やがて後7分坂(見晴階段)に差し掛かる.
 坂の手前が,富士山のビューポイントである.何故か分からないが,私のバカカメラも,ここでは何時も機嫌がよいので,ちゃんと写る.なぜ,堀山の尾根で写らなくて,ここで写るのか,全く私には理解できないが,要するにカメラが気儘なんだ…ということにしておこう.

<花立階段下から富士山を望む>

■花立山荘
 後7分坂を7分掛けて登って,9時02分に花立山荘に到着する.
 大倉からの所要時間は,1時間59分.わずか1分とはいえ,久々に2時間を切っている.ただ,堀山の家からの所要時間は39分.このデータから,平らな所では比較的速く歩いているが,急坂は相変わらずノロノロ歩きだったことが分かる.
 後7分坂の途中で,先ほどの男性にまた追い抜かれるが,この男性は,また花立山荘で休憩を取っている.その間に,再び私が先に行くことになる

<花立山荘から富士山を望む>

■花立山山頂
 一人気儘に登ってきたので,花立山荘を通過する時点でも全く疲労感はない.そのため,花立山までの急坂も比較的楽に登り続けられる.
 花立山山頂付近で,超韋駄天のN村さんとバッタリ.
 「今日は絶好の登山日和ですね…」
と挨拶してすれ違う.
 花立山荘から花立山山頂まで9分掛けて登る.山頂付近から富士山,南アルプス,房総半島付近まで素晴らしい眺望を楽しむ.

<花立山山頂付近から富士山と南アルプスを望む>

■塔ノ岳山頂
 馬の背付近で少々強い海風が吹いている.
 9時16分,金冷シを通過する.
 ここまで来れば,もう塔ノ岳山頂に到着したのも同じである.急いでもユックリでもラップにはさしたる変わりはない…別にラップを気にするわけではないが.
 金冷シから2番目の階段を登っているときに,先ほど花立階段で追い抜かれた男性がまた私に追い付く.二言三言雑談をした後,この男性に先に登って貰う.
 最後の階段に差し掛かった頃,後ろに何となく人の気配を感じるので,思わず振り返る.すると三角髭のTさんが,私のすぐ後ろに居られる.
 「何時,(FHに)追いつけるかと思っていましたよ…なかなか追いつけなくて…」
 山頂まで後わずかだが,三角髭のTさんとご一緒する.
 「つい先ほど,キャベツのT添さんを追い越しましたよ.直ぐ近くに居られますよ…」

 山頂直下の木道で,下山してくる韋駄天のTさんとすれ違う.
 9時30分,三角髭のTさんと一緒に塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温は8℃.先ほどまでやや強い風が吹いていたが,山頂に到着する頃までには大分治まったようである.
 大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間28分.たった2分とはいえ,とにかく久々に2時間30分を切ったのは率直に嬉しい.この歳にしては,まあ,まあ,という所だろう.
 今日の山頂からの眺めは素晴らしい.富士山,南アルプス,相模湾,房総半島,大山,東京スカイツリー・・・・・快晴なので360度の展望が開けている.すかさず山頂からの眺望を一回りカメラに収める.

<塔ノ岳山頂からの眺望>

■尊仏山荘
 三角髭のTさんは,尊仏山荘には立ち寄らずに,そのまま下山するという.私も一緒に下山してしまおうかと一瞬迷う.そのとき,尊仏山荘のオーナーHさんと,ガラス窓越しに目が合ってしまう.私は吸い寄せられるように尊仏山荘に向かう.
 尊仏山荘に入る.今日の小屋番はオーナーのHさん,W林さん,F谷さんの3人体制.

 先客は2人.例によって300円也のお茶を所望する
 今日は,山荘の窓から,富士山がとても良く見えている.富士山を眺めながら,お茶を飲む.山頂のポール付近に,だんだんと登山客が増え出す.その内に,キャベツのT添さんが姿を表す.何方かにポールの前でカメラのシャッターを押すように依頼したようである.その後,ポール近くのベンチに座り込んで,食事を始める.
 「あれっ・・・! T添さんは山荘には立ち寄らないようですよ…」
すると,オーナーのHさんが,
 「(T添さんは)お天気の良い日は,外で食事をするようですよ…」
 数分過ぎてから,山頂にF田さんとT田女史が現れる.T添さんと一言二言交わした後,山荘に入ってくる.これで,本日の待ち人は全員現れたことになる.3人は山荘の片隅の席に座って,雑談をしながら食事を摂る.
 「あ…,あそこにネコが居ますよ」
とT田さんが,隣のネコ御殿を指さす.なるほど2階の窓辺で華伊達美弥雄氏ことミャ~君が呑気な顔をして日向ぼっこをしている.
 「よし! 写真を撮るぞ…」
と言いながら私はカメラを持って外に出ようとする.すると,私の殺気(?)を察知してか,ネコが居なくなる…が,暫くして客席にのほほんと現れる.早速,ミャ~君の写真を撮る.
 この所,美食をつづけているのか,ミャ~君は,随分と太ってきたようである.
 「(ミャ~君が)大分太ってしまい,首輪がきつくなったので取ってやりましたよ」
と小屋番のW林さんがいう.
 その頃,山頂で昼食を終えたT添さんが山荘にヒョッコリ顔を出す.
 「ちょっと物足りないので,丹沢山まで行ってきます…」


<太り気味のミャ~君>

■雄大な景色を眺めながら3人一緒に下山
 10時29分,T田さん,M田さん,それに私の3人旅で下山開始.例によって山荘を出た途端に,外が寒いのに驚く.でも,寒いのは花立山荘まで.
 今日はゲザンシュタインさんや韋駄天のTさんが居られないので,ユックリ,ノンビリペースでの下山である.途中,花や景色を愛でながらの道草歩きもまた楽しからずや…という所である.
 それにしても,今日はこの時期にしては稀な良い天気である.
 10時48分,花立山を通過する.眼下には相模湾が見えている.目を左手に転じると,三浦半島の先に浦賀水道を挟んで伊豆半島が水平線沿いに張り付くように見えている.実に雄大な景色である.


<花立山からの雄大な景色>

■コイワザクラ
 下山途中,同行のお二人から2種類の花を教えて頂く.
 まず最初は,登山道の路肩の陰に咲くコイワザクラ.でも,折角撮った写真は,残念ながらピンぼけ.
 (注)つづいてオキナグサの写真も採るが,絶滅危機のある花だと伺ったので,この記事から所在と
   
 写真は割愛した.
 
<コイワザクラ>                                

■名残の豆桜
 花立山荘付近の豆桜は,見頃は多少過ぎているが,まだ,まだ見頃である.

<花立山荘付近の豆桜>

■チャンピョンに追い越される
 花立山で下山してくるチャンピョンに追い越される.写真を撮るのにバンザイのポーズを取って貰う.
 「おや,おや,皆さん,元気ですねえ~…」
と言いながら私たちを追い越していく.


<チャンピョン>

■無事帰宅
 その後も,同行のお二人に,登山道から見え隠れするシュンランを教えて頂ながら,ユックリノンビリ下山し続ける.そして,12時40分,無事,大倉に到着する.ノンビリ道草をしながらの下山だったが,所要時間は2時間11分.案外速かった.
 大倉12時52分発のバスが2~3分遅れたので,渋沢からの小田急電車は何時もより1本後になったが,東海道本線の接続電車は結局何時もと同じになり,14時28分,大船に到着する.
 帰宅後,シャワーを浴びてから,近くの内科医を訪れる,何時も利用している登山専門の旅行社に提出する健康診断書を作って貰うためである.血圧を測定して貰う.128~70.
 「丁度良い血圧ですね…是非,山登りをつづけて下さい」
と,医師から山登りを推奨される.


<ラップタイム>


 7:03  大倉歩き出し
 7:23  観音茶屋
 7:37  見晴山荘
 7:07  駒止茶屋
 8:23  堀山の家
 9:02  花立山荘
 9:16  金冷シ
 9:30  塔ノ岳山頂着
10:29      〃  発
11:00  花立山荘
11:31  堀山の家
11:49  駒止茶屋
12:09  見晴山荘
12:28  観音茶屋
12:40  大倉着

[山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉   発       7:03
  塔ノ岳  着       9:30
 (所要時間)     2時間28 分(2.47h)
 水平歩行速度    7.0km/2.47h=2.83km/h
 登攀速度       1269m/2.47h=523.8m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発       10:29
  大倉   着       12:40
 (所要時間)      2時間11分(2.18h)
 水平歩行速度     7.0km/2.18h=3.21km/h
 下降速度        1269m/2.18h=582.1m/h
                                     (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/453352c831fd593d509609d693b0efd4
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/55f7409e4fa77eec945e2897beae1350
 



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