<霧の岩稜を登る>
[復刻版]
ルアペフ山・タラナキ山登頂記:第4日目(2):ルアペフ山登頂(2)
(山旅スクール5期同窓生)
2006年1月27日(金)~2月4日(土)
第3日目;2006年1月30日(月)
ルアペフ山山頂を目指して
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<ルート地図>
↓ 拡大図
<プロフィールマップ>
<岩稜を登る>
■登山開始
9時32分,リフトを降りると,すぐに登山を開始する.
私たち以外にも沢山の登山者がいる.これらの登山者と入り交じったまま登り続ける.
視界が悪い.辺りは露岩帯が連続している.でも勾配はそれ程でもない.例によって,ガイドのすぐ後ろに酋長さんいる。速いピッチでドンドンと登っていく.このままの速度では,とても身体が持たないと思った私は,ガイドとは,少し距離を置いてユックリと歩く.
案の定,15分も経たない内に,一部の人が脱落する.そして,例により,フクロウとバーダーが先頭に立つ.
<他の登山者と混じって登山開始>
■雪渓を渡る
途中で霧が薄くなり晴れ間が見えるが,すぐにまた曇りとなる.
9時58分,標高2100メートルに達する.初めての雪渓をトラバースする.その後,また露岩帯を登り続ける.辺りには相変わらず濃い霧が立ち込めていて何も見えない.ただ,黙々と登っていく.
10時20分,再び雪渓を渡る.この辺りから少し急坂になる.
<雪渓を渡る>
■レストフルリッジに到着
いつの間にか辺りの雲が少し高くなって,見通しが利くようになっている.だが,上空はあいかわらず厚い雲に覆われている.私達が登っているのは大きな尾根に続く支尾根のようである.
登山道の両側は浅い谷になっている.支尾根は急坂である.この急坂を登り詰める.そして,10時30分,レストフルリッジ(Restful Ridge)という大きな尾根に到着する.この尾根は,大きな溶岩流(lava flow)である.ここで暫く休憩を取る. 尾根の反対側は,溶岩流が流れた後が広大な谷間になっている.私は事前に旅行社から貰った地図を拡大コピーした地図を持っている.この地図をガイドに見せながら,
「今,私達はどこに居るんですか」
と聞く.
拡大コピーを見たガイドは,
「おお,これは見やすいね」
と言いながら,
「ここだよ」
と教えてくれる.
どうやら,私の高度計は実際より,少し高く表示されているようである.ということは,お天気が下り坂と言うことか?
眼下に大きな雪渓が見える.あるいは氷河か.
私はガイドに,
「あれは氷河ですか? 氷河でなければ英語で何というんでか?」
と聞いてみる.
「氷河じゃないよ.あれはアイスパック(Ice Pack)って言うんだよ」
と教えてくれる.どうやら雪渓のことを英語でアイスパックというらしい.
「これから,私達はレストフルリッジを登っていくよ・・・」
と言う.
<レストフルリッジ>
■ワカパパ川の音
10時35分,私達はレストフルリッジを登り始める.
かなりの急坂である.たちまちの内に何人かが遅れ始める.先頭のガイドは構わずに先へ進む.そして,歩き始めてまだ間がないのに,10時50分,再び立ち休憩を取る.
進行方向右側の谷間の遠くから川の音が微かに聞こえてくる.しかし見渡したところ川は見当たらない.
「川の音が聞こえるが,どこに川があるんですか」
とガイドに聞く.
「このもう一つ向こうの谷に流れている川の音だよ」
と教えてくれる.
「川の名前は何て言うの」
と再び聞く.
「××××だよ」
と答えてくれるが,なかなか聞き取れない.
英語が不得手の私にも問題があるが,ニュージーランド風の発音には悩まされる.
私は聞き取れないので,ノートにスペルを書いて貰う。すると癖のある字で,WHAKAPAKA川と書く.
“なんだ…‘ワカパパ’だったんか”
つまりワカパパ川の音が聞こえている.
20分ほど休憩した後,11時11分,ふたたび歩き出す.
相変わらず露岩帯が続く.火山特有の溶岩が累々と重なっている.
11時34分,標高2420メートル地点で,また小休止する.霧雨が降り出す。遅れている方々が到着するのを待つ.雨足がだんだんと強くなる.意を決し,雨具を装着する.
11時41分,ふたたび歩き出す.雨足はますます強くなり,本降りに近い状態になる.
<沢山の登山者と一緒に休憩>
■緩やかな露岩帯を登る
11時51分,1,2435メートル地点に達する.雨足は少し弱まる.ここでまた雪渓を渡り,すぐに溶岩流を登る.
ここで振り返って雪渓を渡っている仲間の写真を撮る.先頭の数人が手を挙げて「イェー」をする.ここから先は,緩やかな勾配の露岩帯になる.
露岩には,先史時代,氷河によって削られた条痕が沢山残っている.先頭のガイドが氷河の蘊蓄を披露する.そう言っては何だが,地学について系統的に習得しているようには思えないが,耳学問を通じて,いろいろなことを良く知っているなという印象を受ける(どうも失礼).
見通しは余り良くないがトラバース道を登りつづける.
<氷河の条痕が残る岩稜を登る>
■プラトーに出る
12時04分,私達はプラトーにでる.標高2,550メートルである.
一瞬,雲が薄れ,東側の眼下に広大な雪原が見える.素晴らしい光景である.しかし,すぐにまた雲の中に隠れてしまう.
ガイドの説明によると,この雪原の積雪は60メートルに達するという.
<プラトーからの眺望>
(つづく)
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