閑話休題:鎌倉美術展を終えて
(五十三次洛遊会の皆様と懇親会)
2010年7月8日(土)
鎌倉芸術館で,約1週間開催された鎌倉美術展も,ようやく今日で終わりである.
五十三次洛遊会のA夫妻が,最終日の8日夕方,私の拙い絵を見に来てくれるとのこと.
たまたま,Aさんが,これまで暫くの間,療養中だったので,折角,Aさんが復帰さっるのならば,近場に在住の五十三次洛遊会のメンバーが集まって,懇親会をしましょうということになる.
「それでは,・・・」
ということで,私が近場在住で,例会に何時も出席されている方々数名に,携帯メールで,懇親会をしませんか呼びかける.
私の本心は,暫く例会に顔を見せていなかったAさんと会いたいなと思っている方が多いようなので,Aさん復帰祝いとして懇親会を開きたかったが,Aさんは,それでは荷が重いと仰る.
一方,私も自分の絵を見ていただくことが目的になる懇親会では,やっぱり荷が重い.
そこで,Aさんからの提案もあって,鎌倉芸術館近くのレストランで,五十三次洛遊会としては,久々の懇親会を開催することにした.
以下が,案内文である.
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洛遊会の皆さん
突然ですが…
下記により、暑気払いをしませんか。
[(A×2)+FH]の企画です。
まずは、近場の方々に、メールしますが、皆さんからも、お気付きの方に声を掛けて下さい。
人数が分かり次第、Aさんに素敵な会場を予約して頂きます。
【記】
■開催日時
2010年7月8日(木)
16:00~17:30頃
※時間は多少前後。
■場所
ラ パットーラ
(イタリア料理)
※鎌倉芸術館(大船)付近。
※アクセスは改めてご案内します。
■参加費
身の丈で。
■申込み窓口
返信メールで、一両日中に、私宛てにお願いします。
元気になられたAさんに、是非会いに来て下さい。
■ついでにながら…
鎌倉芸術館で開催中の鎌倉美術展に、私は、水彩画「グランドジョラスとメールドグラス氷河」(20号)を出展中。
A×2さんは、展覧会見学後、懇親会に出席予定です。
FHより
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<昼ネコ>
昼過ぎ,私が出掛けるときに,三毛は風通しの良い所で寝ていた.
結局,近場(・・と言っても遠く調布から来られた方も居られた)の方,私を含めて7名の方に集まっていただいた.有り難いことである.
しかも,全部の方に,私の拙い絵を見ていただいた.大変光栄である.
私は,絵については全くの駆け出し.自分の絵が至らないことは,自分で百も承知している.そんな私の絵を見て,画家を生業としている方々から,上から目線で,見下したような批評を受けると,
「素人の絵に,なんで目くじら立てるんだ・・」
ついつい反発したくなる.
「今更,プロの絵描きになろうなんていう気はサラサラないよ!」
ところが,山歩きや街道歩きで知り合った方々は,決して褒めたり貶したりはしない.率直に山の感想を吐露してくれる.
もとより,私の絵はあくまで趣味.心地よく楽しんで描ければそれでよい.そして,ついでに楽をして楽しみながら,絵も上達すればそれにこしたことはない.
それはともかく,後,数枚は雪山をテーマにして,今回と同じような調子の絵を描いてみたいなと思っている.
私は,この絵の題材にした「グランドジョラスとメールドグラス氷河」に,鮮烈な思い入れがある.
電車の駅から,数百メートルに及ぶほぼ垂直な断崖に取り付けられた鉄バシゴを下って,メールド
グラス氷河に降り立つ.そして,クレパスを迂回しながら氷河を横断する.
横断し終わると,反対側の断崖を数百メートル登り返す.その後.目も眩む断崖中腹をトラバース
する.やっと到着した山小屋で一泊する.
翌日,断崖をトラバースしながらメールドグラス氷河右岸を遡る.目の前に峻険なグランドジョラ
スが立ちはだかっている.この絵の中央奥の岩山がグランドジョラスである.
小休止した場所から,簡単にスケッチをする.この後,この絵の中央付近の氷河の合流点に下山.
その後,氷河を下る.そして,反対側の断崖を,また数百メートル登って,電車の駅へ戻った.
この絵は,あのときのスケッチを,20号の大きさに拡大,加筆したものである.
改めてこの絵を見ていると,あのときの感動,厳しさ,威風堂々の山並みなどを,つい昨日のことのよ
うに思い出す.
15時過ぎになる.
五十三次洛遊会洛遊会の皆様も,鎌倉芸術館に顔を出してくれる.有り難い.
その内に,息子の嫁の父親も,ヒョッコリと現れる.何年ぶりかの再会である.暫くの間,立ち話にふける.
展覧会閉会間際に,五十三次洛遊会のメンバーは,私より先に懇親会場の「ラパットーラ」へ移動する.
私は,会場から,自分の絵を持ち帰らなければならない.展示物としては小さすぎる絵でも,自分で担いで持ち帰るとなると,図体が大きくて扱いづらい.
数日前から,私は自分の絵をどうやって持ち帰ろうかと思案していた.
額を入れる大きな段ボール箱を家から持参すれば一番良いが,そんな段ボール箱を,会場が閉鎖するまで.終始持ち歩いていることもできない.そこで,厚手のビニール製の雨合羽を折りたたんで持参することにした.
自分の絵を受け取った後,この絵を雨合羽ですっぽり包み込んで,ビニール紐で縦横に縛り付ける.こうして,自分の絵を引きずるようにして,懇親会場へ向かう.
懇親会場の「ラパットーラ」に入るのは初めてである.店内はそれほど広くはないが,おしゃれで落ち着いた雰囲気である.いかにもAさん好みのお店である.
まずは,グラスビール.
私のように,一寸のアルコールで顔が赤くなる人は,アルコールを飲んではダメと,つい2~3日前のテレビで言っていた.要するにアルコールで顔が赤くなる人は,遺伝的にアルコールを分解する酵素を持っていないんだという.こんな人がアルコールを飲むと食道がんになる可能性が,分解する酵素を持っている人の70倍にも達するという恐ろしい内容だった.
私は,自分一人で居るときにアルコールを飲むことは全くないが,懇親会ではグラスビール1杯と決めている.これで十分.
「何とか」というスパゲッティを注文する.「何とか」の部分は,注文した途端に忘れた.
イタリアの本場で食べたスパゲッティとは違う感じだもするが,あっさりしていてなかなか美味しい.やっぱり,前評判通りである.
飲みながら,食べながらの雑談は,1時間ほど続く.
お店を出てからも,大半の方が,このままお別れするのは惜しいなと思っている.そこで,とにかく大船駅まで歩きましょうということになる.私も大きな荷物を引きずってお伴する.
結局,大船駅近く中通商店街南端に近いところにある「鎌倉甘露泉」に入る.ここでまた,小一時間おしゃべりをする.
私は例によってコーヒー.女性群は甘いベタベタ.
ここのコーヒーはお薦品.是非,ご賞味あれ.
帰途,大きな絵を抱えてバスに乗車する.荷物が大きすぎると苦情が出ないかと気になったが,何事もなく帰宅.まだ日長の今日この頃,まだまだ明るい.
「やれやれ! やっと展覧会も終わった・・」
2階の自分の部屋から,隣家の軒下を眺める.
例によって,三毛ネコが,まだ,軒下で昼寝をしている.
食べることに心配がないし,ネズミを捕らなくても文句を言う人も居ないだろう.
「何の苦労もなく,昼寝三昧とは・・お前は言い身分だな~ぁ・・・」
「三毛よ.お前,毎日グウタラ生活で,良くメタボにならないな~ぁ・・・.それに,高血圧も糖尿病も関係ないカ!」
お前には,何の悩みも,煩わしいこともなさそうだな.
幸せ者だよ.お前は・・・
<夕方ネコ>
こんなグウタラネコを見ているうちに,自分が癒されているのに気がつく.全くネコとはおかしな動物だな.
そうだ! そろそろ塔ノ岳のネコに会いに行かなければ・・・
(おわり)
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