中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
最初に左下の“カテゴリー”を選んで,クリックして下さい.

三浦アルプス南尾根縦走(今年3回目)

2010年06月09日 10時28分09秒 | 関東・伊豆箱根・上信越

                   <早咲きのアジサイ:田浦梅の里にて>

          三浦アルプス南尾根縦走(今年3回目)
              (単独ハイキング)
           2010年6月7日(月
 晴・暑

         **途中,誰にも会わない山行だった**

<ルート地図>



■このままではダメだ!

 先月(5月)13日に,不注意で右足脹ら脛で肉離れをしてから,もう3週間近くが経過した.当初,まるで薄皮を剥ぐように急速に回復しているように思えたが,ここ数日,まだ何となく違和感が残ったままの状態が続いている.普通に歩いていれば,患部に何の違和感もなく,完全に治癒したように見える.でも,大股で高速で歩こうとすると,まだ患部にツッパリ感が残っている.このような状態では,まだ,バシバシと塔ノ岳へ行くのは避けるべきであろう.とはいえ,ただ漫然と鎌倉界隈の低山を歩いているだけでは,「歩かないよりはマシ」というだけで,何となく物足りない.
 幸いなことに今日は,大分蒸し暑そうだが天気は上々のようである.私は,思い立って,三浦アルプス南尾根のオーソドックススコースを歩くことにした.このコースならば,そこそこのアップダウンもあるし,まあまあの距離もある.それにコースも熟知しているので,いざとなれば,直ぐにバス通りに下山できる.プチハイキングコースながら,リハビリにはもってこいである.

■田浦梅の里
 朝食後,通常の登山用具が入っているリュックを背負って家を出る.三浦アルプス南尾根を横断するには,少々重装備だが,リハビリのための散歩なので,ほぼ5~6キログラムのリュックを背負って行くことにする.リュックの中には,雨具,ヘッドランプ,2リットルの飲料水,非常食,5メートルほどのロープ,着替え1組,防寒衣1枚,救急セット,地図,磁石など一式が入っている.
 横須賀線電車に乗って,10時13分に田浦駅に到着する.軽くウオーミングアップのストレッチを済ませて,10時20分に歩き出す.
 今日は気安い一人旅.久々の山道歩きなので,心が弾む.
 天気は上々である.ただ,夏至が近い太陽が頭の上からジリジリと照りつける.
 トンネルを潜って,田浦郵便局前で左折して,枝道に入る.そして,浄土宗長善寺の前を通り過ぎて,10時34分に田浦梅の里入口に到着する.そのまま,長い登り階段に差し掛かる.一歩一歩,足の状態に注意しながら,階段を慎重に登り続ける.
 やがて,田浦梅林の尾根道に出る.一面の芝生が広がり,一気に眺望が開ける.ただ,辺り一面に靄が掛かっていて,遠くが霞んで見える.広場の片隅に生えているアジサイの花がそろそろ見頃になっている.
 広い梅林には全く人影がない.そよとした風もないので,すべてが強い日射しの中で止まっているように見える.ジリジリと暑い.




■東尾根へ
 10時51分,展望台に到着する.今更,展望台に登って,辺りの風景を眺める気にもならないので,そのまま通過する.
 展望台を過ぎて林の中に入ると,空気がひんやりとして心地よい.このところ,ほとんど雨らしい雨が降っていないので,路面がカラカラに乾いている.乾燥して至る所に亀甲状のひび割れができている路面は,滑らないので,とても歩きやすい.
 道の途中に,「森戸川林道は土砂崩れで通行できません」という案内板がある.この看板を見て,
 「・・・今日は,中尾根を下るルートはなしだな・・」
と選択肢を狭める.
 ガサガサに乾いた坂道を下って,10時50分に,横浜横須賀道路の跨線橋を渡る.
 渡り終えて,コンクリートの階段を十数段登る.階段の先の山道に入る.途端に道の両側に生え茂った夏草がうるさくなる.今日は誰も通っていないらしくて,蜘蛛の巣か毛虫の糸か分からないものが至る所にぶら下がっていて,顔や手にベタベタとへばり付く.私は枯れ枝を右手に持って,ベタベタ糸を振り払いながら,尾根道を先へ進む.
 尾根道を進むにつれて,辺りの森林がますます深くなる.森の直ぐ近くからウグイスのけたたましい啼き声が聞こえてくる.多分私を警戒する啼き声であろう.私が通り過ぎると,啼き声が何時も通りの「ホーホケキョ」に変わっている.
 私は,ウグイスの啼き声を聞きながら,現役時代に,アメリカ人に会う度に,
 「ウグイスの啼き声,英語で何て表現するの・・?」
と,それこそ延べ100人以上の方々に聞き回ったことを懐かしく思い出す.
 余談ながら,ウグイスの啼き声を英語で何と表現するか分からずじまいだった.
 こんな話をすると,すぐに,
 「ウグイスは日本にしか居ないよ・・・」
という無責任な感想がすぐに返ってくる.そのたびに,
 「本当に居ないという証拠になる文献を見たのか・・・何を根拠に居ないと言うんだ・・」
と,直ぐに反発したくなる(実際には,こんな失礼な返事はしないが・・).
 ま,そんなことを思い出しながら,歩き進むにつれて,東尾根の取り付きに到着する.ここから崖といっても良いほどの急な登り坂になる・・・短いが.
 11時13分,東尾根に出る.
 「さて,南尾根へ行くか,それとも北尾根?」
私は,少々,戸惑う.北尾根から逗子,鎌倉まで歩いても良いかなと一瞬思ったからである.

<乳頭山山頂からの眺望>

■東電鉄塔下へ
 結局,今日は無理をしないで南尾根を歩くことにする.
 誰が名付けたかしらないが,登り口にある「港ヶ丘」という怪しげな名前のコルで横浜市金沢区付近の眺望を一瞥してから,南尾根に向かう.
 11時17分,中尾根分岐を通過する.そして,11時18分に乳頭山山頂(標高約200m)に到着する.山頂からの眺望をデジカメに収めて,すぐに東尾根の東電道を下る.暫くの間,スチール製の階段道を下った後,小さな凸凹が際限なく続く尾根道に歩き続ける.
 11時21分,畠山への分岐を通過する.ここから畠山へ抜ける道は,もう5~6年歩いていないなと思いながら通過する.
 11時30分,上山口小学校への分岐を通過する.うっかり歩いていると,ここの分岐で道を間違える.道なりに尾根道を辿ると,三浦アルプスの尾根から外れてしまう.ここは北側のトラバース道を進まなければならない.
 相変わらずウグイスやホトトギスの啼き声が聞こえている.
 11時37分,緩やかな鉄塔階段を登って東京南線3・4号線No34鉄塔に到着する.
 鉄塔下からは,眺望が開けて気持ちがよい.ここから尾根の両側の眺望を楽しむことができる.鉄塔下には強い電磁波が充満しているに違いないが,まあ,この年になれば,電磁波の影響も大したことも無かろうと思う.
 鉄塔下の芝生に,5分ほど座り込んで,握り飯1個を食べる.

<紛らわしい分岐:右が正解>



■小さなコルが連続する
 鉄塔を通過すると,夏草が足許が見えなくなるほど一段と繁茂している.一歩一歩が薄気味悪い.山が一段と深くなる.小さな登る下りが嫌になるほど連続する.やや長い急傾斜の下り坂を通過した途端に,今度は急な登り坂が続く.小さなコルを越えた途端に,また急坂が待っている.
 少し道幅が鞍部に出る.その途端,随分と長いアオダイショウが,登山道を横断して,ごそごそと草藪に消えていく.
 「マムシでなくて良かった・・!」
 ちょっと忘れかけていた蛇への注意を,思い出しながら歩き続ける.
 さらに小さなコルをいくつか通過する.そのたびに小さな迷い道が分岐する.

<背丈以上の竹に囲まれた道>

■ドングリ山
 私の歩く先で,ヒラヒラとするものがある.綺麗な蝶々である.
 「昔,蝶々のことを“てふてふ”って書いたな・・」
なんて,妙なことを連想する.蝶は私を先導するように,暫くの間,登山道に沿って飛び続ける.
 「はては,この蝶,私を地獄に導く先導役かな・・」
私は妙なことを連想し続ける.
 12時26分,森戸川林道へ下る登山道との分岐を通過する.分岐点に「葉山アルプス」と書いた案内杭が立っている.
 12時43分,新沢バス停への分岐を通過する.さらに急坂を登り下りして,12時53分に通称ドングリ山に到着する.ドングリの大きな木に沢山の葉が生え広がっていて,木の下は冬場に比較して,何となく薄暗く感じる.広く頭上を覆う緑陰の間から大楠山が見えている.

<蝶がヒラヒラ>


<ドングリ山>

■念仏山
 ドングリ山から急な下り坂のガレ場を下りる.足許がカラカラに乾いているので,全く滑ることもなく歩きやすい.
 この辺りから一段と山が深くなる.小さな分岐が次々に現れる.その度に,
 「はて,どっちだ・・どっちだ」
と戸惑う.もう,数え切れないほど,このルートを歩いているのに・・・
 13時丁度に,森戸川林道への分岐を通過する.この分岐を左に行かなければならないが,右へ少し入ったところの17番目の標識が立っているので,どうしてもそちらに入り込みそうになる.とても紛らわしい.
 13時02分,また三叉路.ここをウッカリ直進すると,倒木ばかりの道を経由して,葉山一色住宅地に出る.それでも良いが,今日は仙元山へ出たい.そこで,右折して登り坂を進む.そして,13時08分,通称念仏山に到着する.ここまで来ると,南尾根もあと僅かである.


■仙元山展望台
 13時13分,通称葉山アルプスの遊歩道に飛び出すように合流する.途端に歩きやすい道路となる.途端に気が緩みそうになる.油断してはいけないと思いながらも,ホッとした気分になる.
 暫くの間,仙元山山麓のトラバース道が緩やかに続く.
 仙元山山麓を通過する.途端に長くて急な下り階段になる.整備されていて,歩きやすい階段だが,こんな所で前に転倒したら大変である.向かって左側に設置されている鎖を掴みながら,一段一段慎重に下り続ける.
 鞍部から今度は長い登り坂階段を登り返す.進行方向左手の視界が開ける.大楠山が直ぐ近くに見えている.何となく開放感がある.
 なだらかな登り坂を越えて,13時45分,仙元山展望台に到着する.眼下に広がる葉山の街を眺めながら,南尾根を無事に歩き終えた安堵感に浸る.ここで,今日2度目の小休止.オニギリ1個の2度目の昼食を摂る.


■風早橋
 13時54分,展望台を出発.途中から近道を通って下山しようかとも思ったが,今回だけはオーソドックスなルートを辿ることにする.
 14時03分,葉山協会脇の仙元山ハイキングコース入口に到着する.
 ここから,舗装道路になる.急坂を下って,鋭角に右折,国道134号線に突き当たる.
 14時13分,バス停風早橋に到着する.
 ほんの2~3分の待ち時間で,逗子駅行のバスが到着する.バスは混雑している.案外早く逗子駅に到着する.鎌倉駅からのバスの連絡も良くて,15時少し過ぎに帰宅する.
 水平歩行距離9.4キロメートル,累積登攀高度577メートル,累積下降高度568メートルのプチ山行であった.


[山行記録]

10:20  JR田浦駅歩き出し(5m)
10:24  田浦郵便局
10:34  田浦梅の里入口
10:51  展望台
10:58  横横道路陸橋
11:13  港ヶ丘(150m)
11:17  中尾根分岐
11:18  乳頭山(200m)
11:21  畠山分岐
11:30  上山口小学校分岐
11:37  送電鉄塔東京南線
3・4号線No.34(11:42まで昼食)
12:26  葉山アルプス方面分岐
12:43  新沢バス停方面分岐(135m)
12:53  ドングリ山
13:00  NO.17分岐左
13:02  分岐右
13:08  念仏山
13:13  遊歩道に合流
13:24  仙元山直下
13:45  仙元山展望台(115m)(13:54まで昼食2)
14:03  仙元山ハイキングコース入口
14:13  バス停風早橋

[山行記録]

■水平歩行距離
     8.4km

■累積登攀高度     577m

■累積下降高度     568m

■所要時間(休憩時間込み)
  田浦  発     10:20
  風早橋 着     14:13
 (所要時間) 3時間53分(3.88h)

 水平歩行速度  8.4km/3.88h=2.16km/h

「三浦アルプス」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/ddc65791eac957bffef9bb8480fe76d4
「関東・上信越の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/ddc65791eac957bffef9bb8480fe76d4
「関東・上信越の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/58d5856496472369415cd965ac4be1b6
「三浦アルプス」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/31efb9de3271beb41b7989b8d025eb8b



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。