中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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富士山が見事に見える晩秋の塔ノ岳

2007年11月25日 11時14分02秒 | 丹沢の山旅


             富士山が見事に見える
               晩秋の塔ノ岳
               (単独山行)
            2007年11月23日(金)

■朝は寒い

 一昨日(11月21日),湘南カラビナ隊の皆さん6名と,足かけ3日間,熊野古道中之辺を散策してきた(何れこの記録を,このブログで纏める)。昨日は,ほとんど終日,家に隠って,雑務をこなしていたが,この所,どうも歩き足りないように思える。
 今日は,久々に,軽く塔ノ岳を往復しようと思う。何時もの通り,4時頃起床する。登山用品一式が入りっぱなしになっているリュックを背負って,始発のモノレールに乗って大船まで出る。まだ,外は真っ暗で,とても寒い。登山に備えて,やや薄着な私は,道すがら,何でこんな寒い思いをしてまで山へ登るんだろうと自分自身に呆れている。
 ところで,サンデー毎日の私にとって,往復の電車賃もバカにならない。そこで,JR小田原経由よりも,20~30分時間がかかっても,フリーキップで安くなる小田急を利用しようと思う。藤沢でJRから小田急に乗り換える。運悪く各駅停車の電車で相模大野へ,そこで小田原方面行の電車に乗り換えるが,また各駅停車本厚木行である。本厚木で急行電車に乗り換えるが,急行といっても,本厚木から先は,また各駅停車である。結局,藤沢から渋沢まで全部の駅に停車したことになる。
 大倉行のバスは登山者で混雑している。

■大倉から歩き出す
 バス停大倉は,沢山の登山者で混雑している。10数名の団体も居る。リュックにコップをぶら下げた人,木綿のデニムを履いた人,ものすごく大きなリュックを背負っている人,大きな熊除けの鈴をジャラジャラ鳴らしている人,スパッツに分厚い防寒具を着ている人などさまざまである。
 私は,スゴスゴと,建物の隅っこで,ウオームアップ体操を入念にする。手足が少し温まってきたことを確認してから,7時46分に大倉を歩き出す。天候は晴。朝日が心地よい。歩き出してみると,気温が低いので,かなり早いピッチで歩いても汗ばむことはない。むしろ,やや寒く感じるので,かなりハイピッチで歩き続ける。
 登山道に入ると,まもなく滑りやすい石畳道になるが,今日は路面が乾いているので,とても歩きやすい。道幅もまだ広いので,会釈をしながら,登山客を追い抜いていく。

■見晴茶屋上のモミジ
 塔ノ岳へは,先月(10月)31日に登ったのを最後に,今日まで3週間ほどの間が空いてしまった。その間に,季節はかなり進み,辺りの空気は冷涼になっている。かなり速い速度で歩き続けても,汗が出ないので,とても気分がよい。
 8時19分に見晴茶屋を通過して,最初の階段道に差し掛かる。ここは階段の足場が悪いので,とても歩きにくい所だが,今日は石畳の間に沢山の落ち葉が堆積していて,かなり歩きやすくなっている。
 8時33分に一本松,8時40分に駒止茶屋を通過する。途中,登山道の両側に植えられているモミジは,まだ十分に紅葉していない。辺りには紅葉しないまま枯れ葉になって落葉してしまった木も多く見られる。

         <途中の紅葉>             <花立山荘上の露岩帯から見た富士山>

■富士山が良く見える
 駒止茶屋から少し登ると,ほぼ水平な尾根道になる。このコースで,ここが一番素晴らしいところである。堀山の手前の定位置で,いつものように富士山の写真を撮る。8合目辺りから上が真っ白な富士山が,とても良く見える。ここで少し道草をして,数枚の写真を撮る。
 9時01分に堀山ノ家に到着する。大きな杉の木の間から富士山が良く見えている。反射的に富士山の写真を数枚撮る。ベンチでは,私が乗ったバスよりも,30分早いバスで来られた常連のNさんが休憩を取っている。私は,Nさんに,
 「お先に失礼します・・・」
と挨拶して,そのまま登り続ける。

      <塔ノ岳山頂が見える>               <堀山ノ家からの富士山>

■花立山荘
 9時17分に戸沢分岐を通過する。そのすぐ先の萱場平では沢山の登山客がベンチで休憩を取っている。この辺りの高度になると,夜中はかなり気温が下がるらしく,地面が凍結している。丁度,朝日が当たって凍土が溶け始めている。
 登山道の両側には,沢山の霜柱が立っている。山はもう冬だなと実感する。
 萱場平を通過すると,間もなく急坂に差し掛かる。坂の途中には殆ど足が前に出ない状態の登山客が何人かいる。「スミマセン・・」と声を掛けながら,先へ進む。
 9時39分に花立山荘を通過する。今日は祝日のためか,花立山荘は珍しく営業している。山荘前のベンチは登山客で満杯になっている。ここからも富士山が良く見えている。

     <山頂付近には少し残雪がある>             <金冷しより上は冬景色>

■金冷しから上は冬景色
 花立山荘から道幅の広い階段を登り詰めると露岩帯に出る。この露岩帯から見る富士山が素晴らしいので,また道草をして写真を何枚か撮る。露岩帯を過ぎて,高い位置にある木道に差し掛かる。ここからは遠く南アルプスの山々がとても良く見えている。すばらしい景色である。勿論,ここで写真を撮りまくる。
 やがて登山道は尾根を跨ぐ形で水平になる。その先では,僅かながら下り坂もある。やや痩せた尾根を辿るが,このあたりから山頂の方を見上げると,枯れ葉が残る木々が実に綺麗である。辺りはすっかり冬景色である。
 9時52分に金冷しを通過する。ここまで来れば,山頂はもう少し。何となく登山所要時間が気になり始める。金冷から少し登ると水平な道になる。その先が,また,階段道になる。階段を登っていると,前方から背が高くて見覚えのある人が下ってくる。山旅スクールのHさんである。
 「やあ,やあ,・・・もう一度,登りませんか?」
 「・・頂上は,凄く寒いですよ・・・」 
道端には,僅かながら残雪がある。寒いためか,かなりのピッチで登り続けても,何となく寒いままである。

             <塔ノ岳山頂からの眺望:富士山が良く見える>

■尊仏山荘でお茶
 10時06分に塔ノ岳山頂に到着する。祝日のためか,山頂には沢山の登山客が休憩を取っている。晴れ渡った青空に富士山がクッキリと見えている。遠く南アルプスの山々も見える。山頂からの鳥瞰を何枚かの写真に収める。
 尊仏山荘に入る。数人の先客が居る。先客の半分はリピーターのようである。例によって,300円也のお茶を所望する。営業部長のミー君はどこかへ出掛けているらしくて姿を見せない。外気は10時15分現在で+0.2℃。今日の小屋番はOさん。
 「flower-hillさん,暫くぶりですね・・・」
と私に声を掛ける。
 「先月31日に来てからのご無沙汰です・・・他の山へ行っていて,なかなか来る暇がなかったんです。」
 「高尾山ですか・・・」
 「いえ,戸隠山,不納山,熊野古道など,あちこち浮気していました」
 「高尾山も良いですよ・・」
こんなやり取りを聞いていた客の一人が,
 「戸隠山ですか・・・良いですね,紅葉,綺麗でしょう」
と話しかけてくる。
 お茶を飲みながら,20分ほど経った頃,堀山ノ家で追い越させて頂いたNさんが到着する。Nさんは例によって,ラーメン,お茶,コーヒーを注文する。

■のんびりと下る
 10時38分に尊仏山荘を出発する。
 素晴らしい天気である。私は大倉発のバスの時刻に合わせて,ユックリと楽しみながら下山しようと思う。少々寒いのを我慢して,頂上からの眺望を堪能してから,階段道を下り始める。
 11時03分に花立山荘を通過する。山荘のベンチでは,相変わらず沢山の登山客が休憩を取っている。そのまま下り続けて,11時22分に萱場平を通過する。戸沢分岐から急勾配の階段道を下っていると,同じバスに乗り合わせた男女10数名のグループとすれ違う。私の顔を見ると,
 「あれ,,もう頂上まで行って来られたんですか・・」
と質問する。
 「はい,尊仏山荘でお茶を飲んで来ました」
 「ちっとも草臥れた顔をしていませんね」
私は内心で苦笑する。
 「それりゃ~ぁ・・・たまにしか山に登らない人から見れば,私が山に強いように見えるでしょう。でも,山の常連から見たら,私などまだまだ序の口・・」
 事実,藤沢に住むHさんは,御年71才。定期券を購入して塔ノ岳に通い詰めて,大倉から塔ノ岳山頂まで,1時間半ほどで登ってしまう。ご常連の中では,2時間程度で登る方々が沢山居る。それに較べれば,私など片隅で小さくなっているしがない存在である。

■プロフィールマップ
 登り客と絶え間なく擦れ違いながら,バカ尾根を下り続ける。
 戸沢分岐と堀山ノ家の中間点で5~6名の男性ばかりのグループとすれ違う。
 「今,どの辺りでしょうか。山頂はまだ先でしょうか?・・・休憩できるところありますか・・・?」
と話しかけられる。私は自家製のプロフィールマップを出して,もう少し先まで登ると,萱場平。そこからもう一苦労して花立山荘がある・・・などと説明する。
 「これご自分で作られたんですか・・」
とプロフィールマップに関心を持つ。どうせコピーなので,
 「そんなに気に入ったんだったら差し上げます」
とプレゼントする。
 「では,また何時か何処かで会いましょう」
でさよならする。
 登山道は落ち葉で埋め尽くされている。綺麗で,歩きやすい。役割を終えて散った枯れ葉だが,実に多様な色彩を持っていて華やかである。私もこんな素晴らしい終焉を迎えたい・・・なんて,妙なことを連想してしまう。

             <綺麗な枯れ葉が登山道を埋める>
         ※石を敷き詰めた場所も枯れ葉のために歩きやすくなっている

■つぎつぎに登山者とすれ違う
 駒止茶屋を過ぎて暫く進むと見晴茶屋までの長い下り坂になる。坂の両側のモミジはまだ殆ど紅葉していない。去年もこの辺りの紅葉は12月中旬まで楽しめたので,今年もこれからが楽しみなところである。
 見晴山荘近くで2人連れの登山者とすれ違う。
 「今日,花立山荘,開いていましたか?」
と私に聞く。
 「山荘の入口は開けっ放しになっていましたよ・・・でも開業しているかどうか分かりません」
と答える。
 「そうですか・・・今から登って開いていないと困るな・・下山したら真っ暗になっちゃう・・それとも尊仏まで登るか・・・尊仏山荘開いていましたか?」
 「もちろん,尊仏山荘は営業していましたよ」

        <ススキが美しい>               <バス停「大倉」側の青空市場>

■ミカンを買ってバス停大倉に到着
 12時54分,登山口に到着する。大倉までの道路の両側に野菜果物の無人スタンドが幾つかある。最初のスタンドで,1袋100円のミカンを見付ける。小さなミカンが10個ほど入っている。つい先日,熊野古道で1袋100円のミカンを買ったら,とても甘くて美味しかった。それを思い出して,1袋,衝動買いする。後で食べてみたら,とても酸っぱかった。
 13時丁度にバス停大倉に到着する。
 バス停横の広場では,青空野菜市場が開かれている。覗いてみると,形の良いミカンが1袋100円で売っている。早まって変なミカンを買ってしまい,シマッタと思ったが後の祭りである。
 大倉発13時10分のバスで渋沢へ戻る。

[ラップタイム]

 7:18  渋沢駅発(神奈中バス)
 7:31  大倉着
 7:46  歩き出し
 7:50  登山口
 7:54  克童窯
 7:58  丹沢ベース
 8:05  観音茶屋
 8:09  高原ノ家分岐
 8:17  雑事場ノ平
 8:19  見晴茶屋
 8:33  一本松
 8:46  駒止茶屋
 8:54  堀山
 9:01  堀山ノ家
 9:17  戸沢分岐
 9:19  萱場平
 9:39  花立山荘
 9:52  金冷し
10:06  塔ノ岳山頂着(+0.2℃)
10:38    〃  発
10:50  金冷し
11:03  花立山荘
11:22  萱場平
11:24  戸沢分岐
11:41  堀山ノ家
11:50  堀山
11:58  駒止茶屋
12:12  一本松
12:25  見晴茶屋
12:27  雑事場ノ平
12:35  高原ノ家分岐
12:39  観音茶屋
12:45  丹沢ベース
12:50  克童窯
12:54  登山口
13:00  大倉着


■登攀・下降高度   1,201(m)

■登攀所要時間
  大倉発       7:46
  塔ノ岳山頂着   10:06
  (所要時間)  2時間20分(2.33h)
 登攀速度    1,200m/2.33h=515.0m/h

■下降所要時間

  塔ノ岳山頂発   10:38
  大倉着      13:00
  (所要時間)  2時間22分(2.37h)
 下降速度    1,200m/2.37h=506.3m/h

 ※途中で遊びすぎたのか,登りより下りの方が余計に時間がかかった。
                              (おわり)



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