2012.06.04撮影
この緑のきれいな柔らかい葉っぱとまっすぐ伸びた茎の植物は、ディル(Anethum graveolens)です。セリ科(芹科 Apiaceae)イノンド属(Anethum)です。
わたし自身が英名の Dill「ディル」で呼びなれているので、勝手に「ディル」と呼ばせていただきますが、日本語ではイノンドと呼ばれるみたいです。わたしは、この名称は、調べるまで聞いたことがありませんでした、みなさんは、いかがですか。でも、日本でも、料理用としてはディルと呼ばれるのではないか、と想像します。
ディルは葉が香草として使われますが、それほど匂いがあるわけではなく、味付けよりも、むしろ、サラダやスープや料理の飾りとして使われます。刻まれて散らされることもありますが、葉が「ひと枝」そのまま乗せられることもあります。
花の変遷(同一の花ではありません)をどうぞ。
2021.06.17撮影
2022.09.09撮影
2022.09.09撮影
この花が進むとタネ(種子のように見える果実だそうです)になるわけですが、これが半端なくたくさんできます。タネも食用になるそうですが、わたしは食べたことはありません。そう美味しくもないような・・・インド料理店で最後に口直しに出されたりするキャラウェイ(ヒメウイキョウ)のタネとそっくりなんですが。
花も葉もタネもよく似ている、食用にされる植物を、3つ並べておきます。全て、セリ科です。
学名 Anethum graveolens
英名 Dill
和名 イノンド(蒔蘿)
別名 ディル
一年草
学名 Carum carvi
英名 Caraway
和名 ヒメウイキョウ(姫茴香)
別名 キャラウェイ
二年草
学名 Foeniculum vulgare
英名 Fennel
和名 ウイキョウ(茴香)
別名 フェンネル
多年草
3番目のフェンネル(ウイキョウ)は、根本の肥大したところを食べます。セロリを頑丈にしたような感じ。これは、お店で普通に売られています。その根本の肥大した様子を、以下の記事の中の「ドイツのフェンネル畑」と題された画像でご覧ください。もっと大写しの画像は、英文の記事の方に出ています。
そこで、こんなに似たのがあるのであれば、わたしがディルだと思っているものは、ひょっとしてディルではない??? という疑問が湧いてきました。でも、根本が肥大しないのでフェンネルでないし、そんなに匂いがするわけでもないからキャラウェイでもないし、でも、ディルは一年草??? わたしのうちでは何年も越冬するけど・・・
それで調べてみると、ディルは、
・一年草
・一年草、または、二年草
・二年草
・多年草になりうる(暖地では)
・多年草
と説明が分かれており、わたしはどう考えればいいのだ?
うちのディルは、どう見ても多年草。わたしの住むバンクーバーは決して暖地ではない。でも、他所のうちでも、ディルは元気に株が大きくなる。あれは、同じところにタネが落ち続けて株の数が増えたのとは違う・・・と思う。わたしが間違っているのかな? タネから出てくるような小さい苗ではなく、毎年、最初から大きい茎と葉が出てくるんです。
冒頭の画像の撮影日は、2012年です。そこに植わったままだったディルはあまりにも株が大きくなりすぎた(わたしの両腕で一抱え以上)ので、今年(2022年)、暑くなって大きく成長してしまう前に、掘り起こしたんです。すごい強靭な根の塊で、つれあい(大男)とのふたりがかりの大仕事でした。あれは大変だったわ。よく考えれば、「ビフォーアフター」を撮るべきだった。
現在庭に生えているのは、子孫。子孫は、タネから、あっちこっちに大量に出てくるので、小さい苗のうちにほいほい抜いて、そのままサラダに入れます。ポテトサラダに入れるのもいいよ。
次の画像は、最近の、雨に打たれてほぼ倒れている様子。秋に入って、しっとりしていますわあ。
2022.09.04撮影