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キレンゲショウマの受難と復活

2024年10月12日 08時00分00秒 | アジサイ科
2020.08.27撮影

わたしの庭には、キレンゲショウマがあります。アジサイ科(Hydrangeaceae)キレンゲショウマ属(Kirengeshoma)です。

キレンゲショウマは、日本固有の1属1種とよく言われますが、実際は、日本固有でもないし、1種でもありません。2種です。
Kirengeshoma palmata原産 日本、および、中国東部キレンゲショウマ
Kirengeshoma koreana原産 朝鮮半島)チョウセンキレンゲショウマ

うちのキレンゲショウマ属の植物がどちらのキレンゲショウマか、はわかりません。どちらかと言えば、チョウセンキレンゲショウマかな、と思っています。

このキレンゲショウマは、10年以上前に(いくらだったか忘れたけど、当時の)かなりのお値段で、こんなの育つのか、と思うぐらいの小さくて弱々しい株を買ってきて、それから、大事に大事に育ててきたんですよ。そして、2022年(2年前)の夏までは、花数は少ないながらも、ちゃんと咲いていたんです。

冒頭画像は、2020年(4年前)のですけど、こんなふうに咲いていました。木々が成長して日陰が増えたために、陽の当たる方に傾いていますけど。


  
2023.07.26撮影(去年)           2024.06.05撮影(今年)

ところが、木々はますます成長し、去年(2023年)は花をつけずじまい(左の画像)でした。これ、40cmぐらい。

今年はどうなる? と思っていたら、芽が数本出てきました。そして、そのうちの一番大きいの(上の画像)が、20cmぐらい。この状態から、全然成長せずに夏が終わった。でも、希望は捨てなかったんです。

ところが、ある日(9月だったか)・・・

家の内部の改装をしてくれている工事の人が、資材を、この一番「大きい」キレンゲショウマの上に置いてあったんです。ウソでしょ。

これね〜〜、と(目で語りかけるようにして)声をかけると、お兄さん曰く(お兄さんと言っても40代)、心配ない、心配ない、植物はすぐに出てくるから〜〜、と。あんなあ、これは、1年に1回しか出てこない植物なんだよ〜〜

もう、泣きました。

資材はすぐにどけてくれたんですが、もう遅し。茎は数ヶ所で折れて回復のしようがなし。

ああ、これは、根を掘り出して、植え替えるしかない? と思いました。

 
2024.10.07撮影               2024.10.07撮影

やっぱり、その折れた茎は、消え込んでしまいました。でも、残りがあるんです。合計3本(左上の画像、1本、右上の画像、2本)。あ〜、これらが、9月から成長して咲くわけがない。ますます、植え替えろ、ということ? どこへ?

と、ぐだぐだと考えていたところ・・・


2024.10.05撮影

きゃ〜〜〜、園芸店で、キレンゲショウマが10鉢以上も並べられているのを見つけたんですよ。滅多に行かないお店に、新装開店ということで、立ち寄ってみたのです。もう、目の色が変わりました。もちろん、1鉢、買い求めました(上の画像)。

買ってきた時には、花がたくさん咲いていたんですが、撮影したのは、花がほとんど散ってから。

バンクーバーは、今朝(現地時間で、10月11日)8時には、7度でした。昨日から今日にかけて、急速に気温が下がりました。ですから、残りのツボミが開くかどうかは、わかりません。

2024.10.05撮影

葉の形を見てみると、はっきりとした大きな切れ込みはありません。

日本と中国東部が原産のキレンゲショウマは、学名が Kirengeshoma palmata といい、その意味は「手のひらの形の(葉の)キレンゲショウマ」。一方の、朝鮮半島が原産のキレンゲショウマは、学名が Kirengeshoma koreana で、文字通り「チョウセンキレンゲショウマ」です。

この葉の形から、新しく買ってきたキレンゲショウマも、チョウセンキレンゲショウマではないかな、と思います。キレンゲショウマ2種の違いについては、もう少し勉強したいと思います。

それでは、続けて、3枚画像をどうぞ。

2024.10.05撮影
これで、ほぼ開き切った花です。このように垂れています。

2024.10.07撮影
花を斜め下から見上げると、このように見えます。花びらが肉厚なのをご覧ください。

2024.10.07撮影
オシベの花糸(かし)が「糸」とは名ばかり、もやし並みで、また、オレンジ色です。


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雨上がり、アジサイは秋色

2024年10月07日 19時20分00秒 | アジサイ科

雨上がりに、カメラを持って、散歩に出かけました。

バンクーバーは、確実に、雨の季節に突入しつつあります。バンクーバーでは、毎年、10月に雨が降り始め、それが1月まで続きます。そして、雨量はやや下がるものの、さらに、2〜4月と降り続きます。要するに、10月から4月まで、雨が降っているわけです。

気温は、もうずいぶん前から下がりつつあります。うちでは、8月末には暖房を入れました。そして、9月末には、外に出る時には長袖の上にジャケットの類を着るようになりました。何日か前に街に出かけたのですが、その時、長い丈のコートを着ている人をチラチラ見かけました。

そんな季節の変わり目の今、うちの近所で撮影した、秋色のアジサイを、今日は見ていただきたいと思います。撮影日は、すべて、10月4日です。雨上がりなので、花は雨に濡れて、ややテカテカしています。

学名 Hydrangea macrophylla f. macrophylla
園芸種名 不明
和名 アジサイ(ホンアジサイ)
アジサイ科(Hydrangeaceae)アジサイ属(Hydrangea


冒頭画像と、直前の画像と、次の画像は、1本のアジサイの花です。薄青黄緑っぽい部分のある直前の画像のような花がやや進むと、次の画像のように枯れた花びらが出てきます。バンクーバーでは、アジサイを剪定せずに、このような枯れた花びらのままで冬を越させるおうちも多いです。

冒頭画像のように、花びら(実際には、ガク)が全体的に色が濃くなるのと、次の画像のように、色が濃くならずに枯れ始めるのと、どちらへ転ぶかの要因は、よくわかりません。でも、最終的には、すべて、枯れ花になります。


このアジサイに、やや上からかぶさるように、アベリア(だと思われます)がまだ咲き続けていました。アベリアは、花期が長いですね。ピンクの花の筒の中にあるオレンジの模様がかわいいです。

学名 Abelia × grandiflora
園芸種名 不明
和名 アベリア
スイカズラ科(Caprifoliaceae)ツクバネウツギ属(Abelia


そのアベリアの横には、アジサイがもう1本植っていました。こちらは、花びら(ガク)が薄い水色です。


その薄い水色も、秋には、赤くなってきます(次の画像)。


この水色のアジサイの足元には、鮮やかな色のムラサキベンケイソウ(ミセバヤの1種)がいくつも咲いていました。

学名 Hylotelephium telephium
園芸種名 不明
和名 ムラサキベンケイソウ
ベンケイソウ科(Crassulaceae)ムラサキベンケイソウ属(Hylotelephium


このおうちの、歩道に沿った植え込みには、もう1本アジサイがあったんですよ(次の画像)。雨が上がったばっかりで、花も葉も雨に濡れ、しっとりしていました。


このアジサイは、2本目のアジサイよりも濃い目の水色だったようです。その青さと、秋色として現れた紫がかった赤との組み合わせが絶妙でした。特に、次の画像に見える花房。

この花房では、枯れ花の割合も多いです。これからどんどん花が色を失って、枯れていきます。そして、秋、冬、の雨に打たれて、それなりに風情を持ってたたずむことになります。

アジサイがどのくらいの割合で結実するのか知らないのですが、このアジサイの個体は、花びら(ガク)の中央がぷくっとしていて、これは、真花のメシベが受精した???結果なのでしょうか。それとも、受精しなくても、こういうものなのでしょうか。


そして、この美しい秋色のアジサイの下には、ユウゼンギク(ニューヨーク・アスター)が咲きゆれていました。これも、雨粒、いっぱい。

学名 Symphyotrichum novi-belgii
園芸種名 不明
和名 ユウゼンギク(友禅菊)
キク科(Asteraceae)シムピョトリクム属(Symphyotrichum


アジサイの花が、このように色の変化を見せるのは、気温の関係だと思います。夏に暑くなりきらないので、次々と咲き続ける。そして、そのまま秋に気温が下がる。すると、花が赤変する。元の色に応じて、その色の具合が異なる。そして、最終的に、枯れた花が茎についたまま冬を過ごす・・・というような感じかな、と想像しています。


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咲きつづけるマダム

2024年10月02日 08時00分00秒 | アジサイ科
2024.09.28撮影


2024.06.08撮影(3ヶ月半前)

工事の人が来なくて、ホコリの収まっている日には、コンピュータ遊びができます。今日はそんな日。家で居住しながら、その家の中を改修・修理するのが、ここまで大変だとは思わなかった。うちは地下室で寝ることができるので、まだマシだと思いますけど。

今日は、うちのアジサイ「マダム」
のまだまだ花ざかりのところを見てください。

このアジサイは、日本から秋にひとりで遊びに来ていた母をして、まだアジサイの花が咲いている、と感心させたアジサイです。

学名 Hydrangea macrophylla f. macrophylla 'Madame Emile Mouillere'
和名 アジサイ「マダム・エミール・ムリエール」
アジサイ科(Hydrangeaceae)アジサイ属(Hydrangea

大きい画像と小さい画像がありますが、大きい画像は、すべて、数日前の9月28日に撮影しました。秋でありながら、若い花があること、また、同じ日でありながら、いろいろな段階の花があること、をご覧ください。

小さい画像の撮影日はいろいろです。9月28日の画像と、日付の比較のために、添付しました。

冒頭画像とその次の画像の、薄緑色の花が、しばらくすると、次のように白くなってきます。まだ成長中の小さい花もあります。花といっても、それは、ガクです。

2024.09.28撮影

2024.06.16撮影(3ヶ月半前)

花びら(ガク)がもっと白くなると、次のように、
・ガクの縁(ヘリ)が青く
・ガクがややピンクがかり
・ガクの中央にある真花(しんか)が青くなり
・また、真花が開いてきたり
します。

2024.09.28撮影

2024.07.23撮影(2ヶ月前)

真花は、みんなではありませんが、大体、
・4枚の花びら
・10本のオシベ
・3本のメシベ
があります。

メシベがツンツンと出ているの、かわいいですね。

花の段階が進んでくると、次のようになります。

繰り返しますが、大きい画像に写っている花は、みんな、同じ木のアジサイを、同じ日に撮影したものです。

2024.09.28撮影

さらに花が進むと、真花の花びらとオシベが落ち、メシベ(と子房?)が残ります。次の画像の右上の方のツノみたいなのをご覧ください。

2024.09.28撮影

そして、花がもっと古くなってくると、なぜか、また黄緑の色が出てきます。

2024.09.28撮影

次の画像では、もう少し赤くなっています。この画像でも、ツノがいくつか見えますね?

2024.09.28撮影

そして、同日でありながら、もっと赤くなっている花もあります。

2024.09.28撮影

2024.08.27撮影(2ヶ月前)

きれいな赤が発色してきました。

2024.09.28撮影

次の画像では、花びら(ガク)がちょっとくたびれかけていますが、きれいな色でしょ?

2024.09.28撮影


2022.11.24撮影(年を無視すると、2ヶ月後)

直前の小さい画像は、2年前の11月のものです。そんな時期までこのアジサイはこの色を残してくれます。


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青いアジサイが咲いた

2024年07月29日 12時45分00秒 | アジサイ科
2024.07.23撮影

青いアジサイが咲きました。白いガクに映えるかわいい青い花をご覧ください。

この白いアジサイは、園芸種名を 'Madame Emile Mouillere'「マダム・エミール・ムリエール」といいます。園芸家のエミール・ムリエールが100年以上前(1909年)に作出しました。「マダム(Madame)」と命名したところを見ると、妻に献呈したようです。

学名 Hydrangea macrophylla f. macrophylla
英名 Bigleaf hydrangea「大葉アジサイ」
別名 Mophead hydrangea「(モップのような)丸頭アジサイ」
和名 アジサイ、または、ホンアジサイ
アジサイ科(Hydrangeaceae)アジサイ属(Hydrangea

2024.07.23撮影

アジサイで花びらに見える部分は、ガク(萼)で、装飾花と呼ばれます。ガクアジサイ(額紫陽花)の外側の花が、この装飾花です。内側の花には、ガクがなく、通常花(あるいは、真花)、と呼ばれます。

装飾花の中央には、花びらのある花(上掲画像中では、青い部分)が咲くのですが、それに対する名称は見つけることができませんでした。「ほんとうの花」などと言っているばかり・・・

今日の「マダム」のような大きいまり状に咲くホンアジサイ(本紫陽花)は、装飾花ばかり、、、ではありません。装飾花に隠れた、まりの中央に寄った方に、通常花が咲きます。たまたま装飾花が途切れていると、まりの塊の上から見えるのですが、装飾花が密に咲いている場合には、指で装飾花をかき分けないと見ることができません。

「マダム」の方で適切な画像がなかったので、別のホンアジサイ「ニッコウ・ブルー(Nikko Blue)」の画像(ちょっとマシな画像)で、その通常花をご覧ください。この画像中では、装飾花の方の「ほんとうの花」はまだツボミです。でも、花の塊の奥の方の通常花は、開いています。ぷつぷつと見えるのが、オシベのヤクです。

2023.07.03撮影

ガクの枚数、通常花の花弁の枚数、「ほんとうの花」の花弁の枚数、オシベの本数、メシベの柱頭の割れ数、など、一定ではありませんが、わたしがわたしの庭に咲くアジサイを観察したところでは、大体で、次のようです。
・ガク(3〜5枚)
・通常花の花弁(3〜5枚)
・オシベ(8〜10本)
・メシベの柱頭(2〜4裂)

うちの「マダム」と「ニッコウ・ブルー」の「ほんとうの花」の場合は、
・ガク4枚
花弁4枚
・オシベ8本
メシベの柱頭3裂
というのが多いです。

さらに詳しくは、以下のサイトをご参照ください。植物学の大学教授により執筆・運営されているサイトで、詳しい情報が公開されています。アジサイについても、画像豊富に、詳しい説明がなされています。

2024.07.15撮影

アジサイ(Hydrangea macrophylla
まり状にびっしりと装飾花の咲くホンアジサイ(H. macrophylla f. macrophylla
・花の塊の周りだけが装飾花のガクアジサイ(H. macrophylla f. normalis
ではガクアジサイの方が原種です。よって、ガクアジサイは、f. normalis「普通」と呼ばれます。

種小名の macrophylla というのは、「大きい葉の」。ガクアジサイホンアジサイも、他のアジサイ属Hydrangeaの植物よりも、葉が大きいです。

ホンアジサイが「本アジサイ」と呼ばれるのは、それが民間で「普通の」アジサイとみなされているからだ、と思います。実際、わたしは、子ども心に、ガクアジサイはホンアジサイから作られたものだ、と思っていました。実際は、反対なのですが。

ホンアジサイは、学名では、f. macrophylla「大きい葉型」と呼ばれます。葉の大きさは、ガクアジサイより大きいわけではないのですが。わたしの憶測では、ガクアジサイよりも葉が大きい、と強調したのではなく、ホンアジサイの方が「普通の」アジサイであるとみなされたために、種小名をそのまま繰り返して、macrophylla f. macrophyllaしたのだと思います。

もっと想像をたくましくすれば、ガクアジサイの方が原種だと判明したときに、ガクアジサイの方に、あわてて、f. normalis「普通」とつけたのかな? と。これは、素人の妄想です、悪しからず。


2024.07.23撮影

気象庁の「あじさいの開花日」という記事によると、アジサイの開花日は、通常花(真花)の開花に基づくそうで、装飾花の開花ではないのだそうです。そんなこと、一般人には、わかりませんわ。アジサイの花が咲いた、と言えば、装飾花が咲いたこと、と思いますよね。

>> あじさいは(中略)真の花(両性花)が径7㎜ほどで、
>> 装飾花の柄が集まった中心で開きます。あじさいの開花日とは、
>> 標本木でこの真の花が2~3輪咲いた状態となった最初の日をいいます。

上の画像をご覧ください。「マダム」はガクの根本がピンクっぽいことがあります。また、ガクの周りが、ギザギザであることもあります。

下の画像では、ガクの中央に咲く花が、ピンクっぽいこともあるのがわかります。うちでは、青が多いですが。

2024.07.10撮影

わたしは、アジサイは好きな花なんですが、このガクの中央に「ほんとうの花」が咲くのを毎年楽しみにしています。何本かあるアジサイのうち、この「マダム」が一番多くの「ほんとうの花」を咲かせてくれます。

以下は、花びらが元から欠けているか、あるいは、咲いてから落ちた花です。オシベがタコか何かの脚のように開いています。こういうのって、造形美だと思うのですが、いかが?


2024.07.15撮影


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キレンゲショウマ、期待したようには

2023年10月04日 08時00分00秒 | アジサイ科

2020.08.27撮影

ああ、キレンゲショウマ(Kirengeshoma)。「1属1種」と言う触れ込みですが、それはウソで、本当は「1属2種」です。

学名 Kirengeshoma palmata あるいは Kirengeshoma koreana
和名 キレンゲショウマ(黄蓮華升麻)
英名 Yellow waxbell「黄色の蝋の鐘」
アジサイ科(Hydrangeaceae)キレンゲショウマ属(Kirengeshoma


10年以上も前に手に入れ、最初はなかなか株が大きくならず、花もよくつかなかったのですが、2020年(上の画像)、2021年、に、株がしっかりとしてきて、花もよく咲いてくれました。うれしかったわ〜

それで、翌年の2022年(=去年)には、もっと期待していた。そうしたら、2本だけひょろっと出て、花はひとつしか咲かなくて・・・


今年2023年は、植わっているところを、恐る恐る、ず〜〜っと眺めていましたよ。レンゲショウマの芽が出てくるのは季節がかなり遅いのはわかっていたのですが、それでも、待ちわびながら、ダメか、ダメか、と。

すると、なんとか出てきた。

でも、、、1本だけ。その1本が30cmくらいまでしか伸びず、そのまんま・・・

9月には、ツボミがつくか、咲くか、と待っていましたが、わたしが8月に庭仕事中に脚立から落っこちて足の裏を強打し、、、


痛くて歩けず、救急病院にまで行き、


、、、「門外不出」となって久しく、怪我して大方4週間後にやっとなんとか歩けるようになって、庭に出て見てみると、、、

哀れな姿に。こりゃ、もう今年は咲かんよ。咲かないどころか、来年まで生きていてくれるのか。去年の期待も大きかっただけに、今、気分が落っこちていますわ〜〜

どうすればいいんだ。

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アナベルって、あたしのこと?

2023年07月12日 08時00分21秒 | アジサイ科
京都府立植物園のアメリカノリノキ「アナベル」
撮影者:Fritsmann2002
撮影日:2023.06.18
オリジナルからの改変、なし

「アナベル」って、日本で人気があるような・・・

わたしは日本に住んでいないので、日本の情報はインターネットを使って得ているんですけど、ネット上でよく「アナベル」について書かれているのを見ます。

学名 Hydrangea arborescens ‘Annabelle’
英名 Hydrangea Annabelle
和名 アナベル(園芸種名から)
アジサイ科(Hydrabgeaceae)アジサイ属(Hydrangea

そして、このアジサイ属の植物は、日本では、園芸種名「アナベル」だけで呼ばれるんですね。わたしの見聞きしている範囲での英語圏では、この植物は、アジサイ「アナベル」、あるいは、アナベル・アジサイ、のような言い方で呼ばれます。

「アナベル」は、種的には、アメリカノリノキ(Hydrangea arborescens)です。

アメリカノリノキは、アメリカ合衆国の東部から中部にかけて自生する、アメリカ合衆国の固有種。

「アメリカノリノキ」という和名は、中国南部、中国東部、朝鮮半島、日本、樺太に産するノリウツギ(Hydrangea paniculata)、別名、ノリノキ、に、原産地名の「アメリカ」をつけたものです。


アメリカ、バージニア州で野生で生えている、地元産のアメリカノリノキ
撮影者:Fritzflohrreynolds
撮影日:2012.05.24
オリジナルからの改変、なし

ノリウツギ、別名、ノリノキ
撮影者:Qwert1234
撮影日:2008.07.16
オリジナルからの改変、なし

「アナベル」の出自を、いくつもの日本のサイトで調べたんですが、それらをつぎはぎにして短く記すと、次のようになります。

アナベル ‘Annabelle’ は、アメリカ合衆国固有種のアメリカノリノキ(Hydrangea arborescens)の野生の変種(Hydrangea arborescens f. grandiflora)を品種化したもの。

アメリカノリノキ「アナベル」
冒頭画像の切り取り

もっと詳しい説明はないか、と調べつづけているうちに、挙句は、イリノイ大学(州立大学)のサイトまで行ってしまいました。見つけた記事は、大学の出している教育的内容の記事なので、出典さえ書けば、訳してもいけなくない、と思います。つまり、著作権侵害にはならないと思います。

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校
(The University of Illinois at Urbana–Champaign)
農業、消費、環境科学部
(The College of Agriculture, Consumer, and Environmental Sciences)

そこに書かれている「アナベル」の出生物語は、以下のとおり。

1.イリノイ州南部のアナという町で、ハリエット・カークパトリックという女性が、1910年に、土地の普通のものより格別大きい花房のアジサイ属の植物を見つけた。きれいなので掘り上げてうちに持ち帰って庭に植えた。そして、隣近所の人に挿し木を分け与えた。もらった人も他の人に分けて行ったので、この野生の植物は、イリノイ州の他の町にも広がって行った。

2.人々に人気があるので、カークパトリック夫人は、種苗屋に連絡し、商業化したらどうか、と提案した。が、そのときには、すでに、ヒル(名字)という人が、オハイオ州のイエロー・スプリングズで同様の野生種を見つけ、それを「スノーヒル」と名づけ(大規模ではないが)販売していた。

3.そのようにして、このカークパトリック夫人の発見したアジサイは、次の50年ほど(多くの人が知るような名前に)命名されることもなく、でも、地元では、口コミで、イリノイ州南部一帯に広がっていった。1935年には、(この記事のサイトを経営している)イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のあるアーバナにすでに至っている。

4.1960年代になり、イリノイ大学の教授で、有名な植物学者、ジョーゼフ・マクダニエル博士が、カークパトリック夫人の発見したアジサイがアーバナで栽培されていることに気づいた。彼は、そのアジサイがどこからきたか、アナの町までたどり、苗木を集め、栽培して増やし、その品種を「アナの町のべっぴんさん」という意味の「アナベル」と名づけ、1962年に商業生産に持ちこんだ。

そして、現在に至るわけです。

「アナベル」は、白が普通ですが、下の画像のように、ピンクの園芸種も存在します。

アメリカノリノキ「アナベル」と「ピンクアナベル」
撮影者:Praskacjohannes
撮影日:2015.06.30
オリジナルからの改変、なし

「アナベル」(Hydrangea arborescens ‘Annabelle’)の特徴をホンアジサイ(Hydrangea macrophylla)と比べてみると、「アナベル」は、
・装飾花が小さい
・花が装飾花の下に隠れるようにある
・葉の縁のギザギザがそれほど切れ込まない
・茎や枝の表皮が何層にもはがれる
など。

葉については、画像がはっきりしませんが、以下の2枚をお比べください。

 
2022.10.01撮影(ホンアジサイの葉)     アメリカノリノキ「アナベル」の葉
                       冒頭画像の切り取り


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マダムもアジサイ

2023年07月11日 08時00分00秒 | アジサイ科
2023.07.09撮影

うちには、アジサイが何本かありますが、昨日ご紹介した青いアジサイの横には、白いアジサイが植えてあります。上の画像をご覧ください。

昨日のアジサイも今日のアジサイも、「大きい葉の」「装飾花が半球状に咲く」アジサイです。でも、同じ園芸種の色違いではなく、異なる園芸種です。

昨日の青いのは、’Nikko Blue’「日光ブルー」、今日の白いのは、‘Madame Emile Mouillere'「マダム・エミール・ムリエール」。園芸種「マダム・エミール・ムリエール」は、100年前にフランスで作出されたそうです。どうりで、園芸名は、フランス語による命名です。

「マダム・エミール・ムリエール」の装飾花(ガク)は白いですが、次の画像に見られるとおり、ガクの中央にある本当の花の花びらは水色です。オシベは、花糸(オシベの長く伸びた部分)が、花びらと同色の水色です。オシベの先の葯(やく)は、薄いクリーム色。

白い装飾花の上にちょこんと咲く水色の花は、かわいいです。

2021.07.02撮影

日本語で「アジサイ」と言うと、わたしが最初に思い描くのは、花が半円球状に固まって咲くホンアジサイです。

でも、実は、ホンアジサイは、日本原産のガクアジサイから、江戸時代までに、変化した、あるいは、作り出されたものです。つまり、ホンアジサイからガクアジサイが作られたのではなく、ガクアジサイの方が「原種」なわけです。学名をお確かめください。(なら、ホンアジサイを「本」アジサイなんて呼ばないでよね。)

ガクアジサイ(Hydrangea macrophylla f. normalis
ホンアジサイ(Hydrangea macrophylla f. macrophylla

ガクアジサイもホンアジサイも、属名と種小名 Hydrangea macrophylla は同じです。そして、その後に、品種を示す f. が続いて品種名が書かれます。この f. は、forma(英語の form)の略です。

ガクアジサイの品種名は normalis(英語の normal)「普通の、本来の」。ガクアジサイの方が「原種」であることを名前に反映した、と考えていいでしょう。

ホンアジサイの品種名は、種小名と同じ macrophylla「大きい葉の」。ホンアジサイは、ガクアジサイとは花の形状が異なるのが特徴であるのに、花については何も言及されていないのが、不思議なところです。

以下の画像は、ガクアジサイの例です。小さい本物の花が真ん中にほぼ平たく集まり、その周りを「額縁(がくぶち)」のように装飾花が取り囲みます。ガクアジサイは、額アジサイであって、萼アジサイではありません。

Hydrangea macrophylla f. normalis(ガクアジサイ)
撮影者:KENPEI
撮影日:2007.06.17
オリジナルからの改変、なし

なお、西洋アジサイは、日本のホンアジサイが江戸末期にヨーロッパに移入され、そこで品種改良されたものです。現代では、西洋アジサイが日本に逆輸入され、さらに品種改良が進んでいます。

以前は、西洋アジサイは、色だけで(例えば、赤)「西洋アジサイだろう」ぐらいまでは区別がついたものですが、最近では、何を区別の基準にしたらいいのでしょう。区別できない、というか、区別する理由も見つからないぐらい、交雑しているのだと思います。

昨日ご紹介した「日光ブルー」は、調べた限りでは、ホンアジサイのようです。でも、今日の「マダム・エミール・ムリエール」は、フランスで作り出された、という出自から、西洋アジサイに分類となるはずです。

以下、「マダム・エミール・ムリエール」の装飾花と装飾花の中央につく花の変遷を辿ってみたいと思います。

 
2021.05.28撮影               2021.05.28撮影

左の画像は、「マダム・エミール・ムリエール」の若いツボミです。固く閉じたツボミが平たく固まっています。装飾花は発達を始めたばかりで、ツボミの塊の外縁にツンツンと出ています。この段階では、ガクアジサイのツボミと見かけは変わりません。

右の画像では、装飾花がさらに発達してきました。色は、濃いめの黄緑色です。

 
2021.06.03撮影               2021.06.15撮影

装飾花が、薄黄緑色の色を残したまま、白っぽくなってきました。装飾花は、まだ平たくは開いていません。でも、1枚1枚の縁がギザギザになってきました。中央の花のツボミは、まだ薄黄緑色です。

 
2022.07.06撮影               2021.06.25撮影

装飾花が、縁にギザギザを持ったまま、もっと白くなってきました。そして、開き方がより平らになってきます。花のツボミが、薄黄緑色(左の画像)からほぼ白(右の画像)になります。

昨日の「日光ブルー」の装飾花には、ギザギザがありません。以下とお比べください。

 
2021.06.25撮影               2022.08.04撮影

左の方が若い装飾花で先がやや尖っています。右の方が日数の経ったもので、装飾花の縁はほぼ滑らかです。いずれにして、ギザギザはありません。

「マダム」にもどります。


2022.08.04撮影

マダム・エミール・ムリエール」の装飾花は、上の画像のように青みを帯びることがあります。でも、装飾花の周りのギザギザの存在により、「日光ブルー」でないことがはっきりとわかります。

 
2022.07.17撮影               2022.07.17撮影

「マダム」は、装飾花が白くなると、次に、中央の花のツボミが青くなってきます。そして、装飾花のツボミの根本に当たるところが、ややピンクっぽい紫色になることがあります。

ここまで来ると、あとは、花が咲くのを待つのみです(今日の記事の上から2番目の画像に、花が咲いているのが写っています)。

花が終わると、花の部分のみが枯れ、次のようになります。その後、装飾花は「咲いた」ままで、バンクーバーの場合だと、秋遅くまで枯れないでついたままとなります。そのことについては、また、秋に。


2021.07.25撮影
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アジサイの花がやっと咲いた

2023年07月10日 08時00分00秒 | アジサイ科
2023.07.07撮影

アジサイの花がやっと咲きました。固くツボミを閉したままだったのですが、やっと開きました。わたしは、このアジサイの花が咲くのが楽しみなんです。

冒頭の画像では、真ん中にとらえられているのがほぼ開いたツボミ、その上や右に見えるボタン状のものがまだ閉じているツボミ。

そうです。アジサイの花の「花びら」に見えるものは、実は、花弁ではなく、ガクです。そして、その中央にあるのが花。この花がなんとも愛嬌がある。画像中では、カップ状に小さく見えるものが花弁、薄黄色く見えるものは、オシベの先についている葯(やく)です。

花のように見えて花でないものを、「装飾花」といいます。

次の画像には、上の画像のよりもう少し開いた花が、ひとつですが、見えます。画像中の他の花は、まだツボミです。

2022.10.01撮影

学名 Hydrangea macrophylla f. macrophylla ‘Nikko Blue’
英名 Bigleaf hydrangea「大きい葉のアジサイ」
別名 Hydrangea
和名 アジサイ(紫陽花)
別名 ホンアジサイ(本紫陽花)
アジサイ科(Hydrabgeaceae)アジサイ属(Hydrangea

このアジサイは、ホンアジサイ(Hydrangea macrophylla f. macrophylla)の園芸種で、その園芸種名を「日光ブルー」といいます。この「日光」は、太陽の光のことなのか、地名から来ているのか、わかりません。

「日光」と言えば、日本では、アジサイは日当たりのいいところで育てる、とされますが、カナダでは、アジサイは、午前中に陽が当たり、あとは、半日陰、あるいは、日陰がよろしい、とされます。

なんでこんなに食い違う? 日本の方が一般的には暑いから、太陽で過熱になってはいけないはずではないのか、というとんでもなく非科学的な考えが浮かぶのだが・・・


2023.07.03撮影

上の画像では、ほぼ真ん中やや左に、咲いている花があります。オシベだけしか見えませんが。ガクである装飾花の真ん中にある「ボタン」は、みんなツボミです。そのツボミが花弁で、この園芸種では、花弁もガクも、同じきれいな青色です。

でも、最初からこんな色なのではありません。色の変化をたどってみます。同じ「個体」の変化を記録したのではないので、撮影日の新旧は花の新しさに関係ありません。

なお、次の画像のいくつかは10月に撮影されたものですが、それは、この個体が、秋までも次々と新しい花をつけるからです。

2022.10.01撮影

上の画像の段階の装飾花は、まだあまり開いていません。装飾花(ガク)も、まだ小ぶりです。この緑のガクが、薄黄色に変化し、それから、その先が水色になってきます。以下の画像です。

2023.06.13撮影

そして、次には、きれいな水色が発色してきています(次の画像)。水色でない部分は、まだまだ、春キャベツのような色です。

2022.08.30撮影

その後(下の画像)、水色の割合が増え始めます。薄黄色さ、薄緑さ、が和らぎ、白っぽくなってきます。

2022.10.19撮影

装飾花がもっと成長してくると(次の画像)、色はほぼ水色になり、装飾花の中心部に白を残すのみとなります。文字通り、目が覚めるようですね。

2021.06.25撮影

ガクでできあがった装飾花の中央にある本物の花が咲き始めるころには、全体が、冒頭の画像に見られるようなきれいな青色となります。

そして、本物の花が咲いている時には、ガクが青さを増し、さらに、花が終わるころには、ガクはやや紫みを帯びてきます。次の画像中、茶色っぽくポツポツと見えるものは、終わろうとしている花です。

2022.10.01撮影

アジサイは、植えられている土壌が酸性かアルカリ性かにより、花の色が変わります。酸性度に傾くと色は青く、アルカリ度に傾くと赤くなります。

バンクーバーは、一帯、酸性土です。そして、そこに生きている植物は、その土壌に対応したものです。言うまでもありませんが。

わたしの庭の土も酸性です。引っ越してきたときに適切な植物を導入しようと、pHを調べました。それからコンポストや腐葉土を入れていますから、pHの度数は変わってきているとは思いますが、バンクーバーの野山に産する植物がよく茂っていますから、酸性であることには違いないんでしょう。

そして、この「日光ブルー」ですが、ある年、赤くなってきたことがあります。(上の画像中の赤っぽいアジサイは、この問題に関係ありません。この件については、またいつか。)

そんなことになるわけはない、何かしたか? と自問したのですが、すぐに原因がわかりました、推測ですけど。お隣の人が、芝生に石灰をまいたのであろう。迷惑な話である。と言っても、あちらはうちに大木がありすぎて迷惑だ、と思っているわけです。

上の画像のアジサイの右手後ろに見えている白い柵の向こう側ですよ、その芝生というのが。そのとき、石灰まいた? とやんわりと聞いて、アジサイが赤くなっちゃった、と言うと、それから石灰をまかれることはありませんでした。

お隣は、そのうち芝生の手入れをするのがイヤになって、芝生に薬剤をまくということを止めたので、こちらには好都合でした。こちらからお花が引っ越しして行っても何も言いません。以下の記事に、そのお隣の芝生に引っ越して行った「うちの」ビフォリアの画像があります(上から5枚目の画像)。


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オレンジもどきバイカウツギ

2023年06月24日 08時00分00秒 | アジサイ科
オレンジの花とオレンジの実
撮影者:Ellen Levy Finch
 撮影日:2004.03.23
オリジナルからの改変、なし

冒頭の画像は、「バイカウツギ」の花ではなく、オレンジの花と実です。なんで、実のなっているときに花が咲いているのか、知りませんけど。オレンジって、そういう植物なのかな??

で、なぜ「バイカウツギ」の話しをしているときにオレンジが出てくるか、と言うと・・・

「ルイスのバイカウツギ」は、英語で、Lewis’s mock-orange「ルイスのオレンジもどき」あるいは Wild mock-orange「野生のオレンジもどき」と呼ばれます。

Lewis’s「ルイスの」とつくのは、学名 Philadelphus lewisiilewisi 同じく、この花を「発見」した探検隊長のルイス(Lewis)のことです。wild「野生の」というのは、この植物が、北アメリカ大陸西部では普通に野生で見られるからです。

mock-orange「オレンジもどき」というのは、花が、甘いオレンジの花のような匂いであることを形容したものです。

ここで、はた、と思ったのは、英語圏で、みかんのことを Satsuma と呼ぶんですよね。温州みかん(Citrus unshiu)のことですけど。鹿児島県薩摩地方からアメリカに移入されたミカンが、Satsuma と呼ばれた。ここまでは、事実です。

ここからは、妄想。ミカンやオレンジの花のようないい匂いが、Satsuma という表現を想起させた。そして、それが、「日本のバイカウツギ」の学名 Philadelphus satsumi に使われた。

これは、まったく時代考証のなされていない、素人の戯言です。どうか、お忘れになってください。

2022.06.24撮影

わたしがカナダ、バンクーバーに移住して初めての初夏に、この白い花があちこちで咲き出しました。庭に植えてあるおうちも多いし、なんでもないところに生えている。

それで、周りのカナダ人の友だちに聞きましたよ、あれはなんだ、と。すると、あんなもの特別じゃない、どこにでもある、って。そう言って、まともに取り合ってくれなかったんです。

数年後、根掘り葉掘り聞いて、「なんであんなもんに興味があるんや」と言われつつ、やっと名前を探り出しました。それが、Mock-orange「オレンジもどき」という名前。その名前に、なるほど〜〜、と思いました。

そして、庭の自由に作れる家に移ったら、すぐに手に入れよう、と思いました。

そして、迎えたのが、この、ずっと画像をお見せしている園芸種。と言っても、野生のとどう違うのか、わからないぐらいですけど。

2022.06.24撮影

うちの庭の、園芸種の「ルイスのバイカウツギ」は、その名前を ‘Blzzard’「ブリザード(大風雪、大吹雪)」といいます。白い花がびっしりと木をおおう様子を「大吹雪」と言ったのでしょう。

うちのバイカウツギは、朝しか日が当たりません。それでも花はまあまあよくつきます。調べてみると、午前中だけ日が当たるのでいいことがわかりました。よかった。でも、もう少し当たった方がいいのだろうと思います。

その朝の光にあたった様子が次の画像です。オシベが多いのが、光との対比で、よく見えます。

2022.06.25撮影

わたしは、実は、このバイカウツギの剪定には苦労しています。徒長枝と変な方向に伸びている枝と古い枝は除くのですが、どうもうまく姿をまとめられない・・・

花がたくさん咲いているときにも、ちょっと切ります。水揚げをしないので、半日ほど家の中で匂いと姿を楽しむだけですけど。

2021.06.09撮影

上の画像は、ツボミがふっくらしたところ。

次の画像は、枝先の花が一斉に咲いているところ。なんかの生物が写り込んでいるのですが、見えますか。

2021.06.15撮影

「ルイスのバイカウツギ」は、アメリカ、アイダホ州の州花です。北アメリカ大陸西部では、野生で生えていますから、その州にもたくさんあるのでしょう。

アイダホ州

日本のバイカウツギ(Philadelphus satsumi)、および、他のバイカウツギ属(Philadelphus)の種について、以下で説明が見られます。よろしければ、どうぞ。

バイカウツギ 梅花空木


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ルイスのバイカウツギ

2023年06月23日 08時00分00秒 | アジサイ科
2022.06.15撮影

日本からバンクーバーに帰ってきたら、自宅の庭にこのバイカウツギ属(Philadelphus)の花が咲いていました。と言うか、盛りがやや過ぎてしまっていました。そんな状態でも、甘くて、たいへんいい香り。画像だけでなく、匂いもお届けしたいくらいです。

上の画像には、アリさんか何かも写りこんでいます。

学名 Philadelphus lewisii「ルイスのバイカウツギ」 
英名 Lewis’s mock-orange「ルイスのオレンジもどき」
別名 Wild mock-orange「野生のオレンジもどき」
和名 ないもよう
アジサイ科(Hydrangeaceae)バイカウツギ属(Philadelphus
原産 北アメリカ西部

この植物に和名はないもようなので、学名 Philadelphus lewisii から、ここでは「ルイスのバイカウツギ」と呼んでおきます。

2013.06.12撮影

「ルイスのバイカウツギ」と「日本のバイカウツギ」は、見た目に大きな違いはありませんが、別種です。

今日の記事に、日本のバイカウツギの画像は掲載されていません。姿をお確かめになりたい方は、以下のWikipediaの記事などでどうぞ。

バイカウツギ

学名 Philadelphus satsumi
和名 バイカウツギ(梅花空木)
日本固有種

「日本のバイカウツギ」は、学名を、Philadelphus satsumi といいますが、satsumi というのは、「薩摩の」という意味でしょうか。地名から来た種小名に -i がつくことはなかったと思うのだけど、わたしの勘違い? ・・・この satsumi は人名「薩摩」?? でも、地名と取る方が自然なような・・・

植物学名の性・・・語尾による性別の判断

2021.06.09撮影

「日本のバイカウツギ」Philadelphus satsumi「ルイスのバイカウツギ」Philadelphus lewisii、の「姓」の方(=属名)Philadelphus は、「兄弟姉妹を愛する、愛している」という意味です。でも、なぜこれがバイカウツギの属名に? 

Philadelphus (disambiguation) (英文)

一説には、Philadelphus(バイカウツギ)は、エジプトのファラオ、プトレマイオス2世に因んだ命名だそうです。この王は、母親が同じ姉を妻としたために、「兄弟姉妹を愛する」という意味の Philadelphos「ピラデルポス」という異名を与えられています。

でも、この説は、信じがたい。なぜなら、バイカウツギ属の分布は
・北アメリカ
・中央アメリカ
・アジア
および、
原産ではなく、18世紀終わりまでに、日本から移入され、帰化したもようの
南東ヨーロッパ(全域ではなく)
であって、エジプトには産しないからです。

Philadelphus(英文+画像)

2022.06.18撮影

では、学名 Philadelphus lewisii の「名」の方(=種小名)lewisii はどうでしょうか。種小名の最後に -ii がついていたら、その前の部分は人の名前です。つまり、lewis は人名なのです。

実際、「ルイスのバイカウツギ」は、「ルイス・クラーク探検隊(発見隊)」によって、白人によっては初めて採集されたのだそうです。なんでも白人が「初めて」見たら、「発見」ですからね。アメリカ大陸発見、みたいに。

200年ちょっと前、ルイス(Lewis)とクラーク(Clark)によって率いられた白人の一隊が、北アメリカ大陸東部から、北アメリカ大陸中部を通り、北アメリカ大陸西部に探検に行ったんだとさ。すると、今まで見たことないもの、いっぱい見つけた。発見に発見が続いた。

お、この白い、いい匂いの花はなんだ。オレンジの花みたいな香りがするなあ。ほんと、いい匂いだなあ〜〜

と、その植物も、
>> 全178種に及ぶ植物
のひとつになったのであります。

ということで、この北アメリカ大陸西部で「発見」されたバイカウツギは、「発見隊」の隊長の名前を取って「ルイスのバイカウツギ」と名づけられました。

ルイス・クラーク探検隊

明日につづく。


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