2023.05.26撮影
ムシがお好きでない方が抱くかもしれないお気持ちを尊重して、冒頭の画像には、インパクトが低めかな、と思われるものを選んでみましたが、それでも強烈すぎたでしょうか。
昨日のクロウリハムシ(Aulacophora nigripennis)は、どちらかと言えば、かわいく感じてくれるかも、と思って、最初から全姿を載せましたけど、、、
冒頭の画像は、ムシが、縦向きの枝に頭を上にしてとまっているのを、上から撮影したものです。それで、枝に逆さにとまっているように見えます。
このムシは、キボシカミキリ(のはず)です。
学名 Psacothea hilaris
英名 Yellow spotted longicorn beetle(黄斑カミキリムシ)
別名 Yellow spotted longhorn beetle(黄斑カミキリムシ)
和名 キボシカミキリ
カミキリムシ科(Cerambycidae)キボシカミキリ属(Psacothea)
次の画像は、同じ位置にとまっているキボシカミキリを、横から撮ったもの。身体中に黄斑が出ているのがわかります。
2023.05.26撮影
キボシカミキリは、英語版Wikipediaによると、原産は、
北朝鮮、中国、日本、
だそうです。朝鮮半島では、北朝鮮だけ? 朝鮮半島の南にはいない???
そして、イタリアに導入されているそうです、、、へ?
なお、日本語版Wikipediaには、キボシカミキリの記事は、今日現在では存在しません。片手落ちですね、日本に産するのに。
Psacothea hilaris(英文+画像)
キボシカミキリの黄斑(黄星「キボシ」)の出方は、地域により異なり、それ(とその他の特徴も?)が亜種としての分類につながっているもようです。(ギャハ、「もよう」なんて、ダジャレのつもりでも、ないのよ。)
上にリンクした英語版Wikipediaに挙がっている亜種の学名を見てみると、命名者が日本人であったり、また、日本の地名(宮古島、宮古、石垣島、与那国、西表)が亜種の名前としてつけられています。
お断り事項:
学名では、正式には、種名や亜種名の後に命名者の名前(姓)と命名の公表の年をつづけますが、わたしは、ゆるい、ブログ用の表記として、普段は、属名と種小名だけで済ませています。煩雑を避けるためですので、ご理解をお願いいたします。
日本「本土」では、南北(=東西)で、黄斑が違うそうな。そして、その間の地域に中間の模様を持つものがいるそうな。それなら、英語版Wikipediaに挙げられている Psacothea hilaris intermedia がその中間亜種??? intermedia というのは、「中間」という意味です。
2023.05.26撮影
あんまり撮影を続けていたら、このキボシカミキリさんに、嫌われちゃったみたい。とまっていたイチジク(Ficus)の枝から出てきました。いや〜〜、逃げないで〜〜。
このイチジクは、一度切り倒した古株から芽吹いてきたものなんです、それで丈が低いんです。前は、大人の手のひらよりも大きい実を実らせていたんです(ウソだと思われるかもしれませんが、ホントウです)。来年には実がなるかしら。
さて、このキボシカミキリさんは、イチジクから出て、そのほぼ真上に張り出してきているカキノキ(Diospyros kaki)の葉にとび移りました。これが、「飛び」だったか「跳び」だったか、しっかりとは観察できませんでした。
2023.05.26撮影
キボシカミキリの学名(Psacothea hilaris)にもどりますと、属名 Psacothea は、命名者のイギリス人昆虫学者であった Pascoe からきています。なんで Pas… が Psa… になったのか知りませんけど。
種小名の hilaris は、ギリシャ語からラテン語にとり入れられたもので、「陽気な、快活な、楽しい」という意味です。アメリカの前国務長官、前大統領候補(民主党)の「ヒラリー・クリントン」の「ヒラリー」です。
hilaris
イチジクからカキノキに移動したキボシカミキリさん、羽を使って飛び立った(のを、わたしはしっかりと見た)ので、このままどこかへ逃げてしまうのか、とガックリしていたら、わたしの後ろ側にあったブロック塀に「逃避行」しました。
慌てて振り返って撮影したら、触覚が画像に入っていなかった。
2023.05.26撮影
ついでに英名も見てみます。
yellow spotted というのは「黄斑の」→「黄星の」ということで、日本語の命名方法と同じです。yellow spotted につづく longicorn は、英語の新しい言い方では longhorn で、「長い角の、長い触覚の」。beetle は「甲虫」。longicorn/longhorn beetle とつづけて「長い触覚の甲虫」から、「カミキリムシ」。
わたしが近寄ってカメラのシャッターを切り続けるのに嫌気がさしたか、あるいは、恐れをなしたか、キボシカミキリさん、塀の上に飛び乗りました! すくっと立っています。仁王立ちじゃあ。次の画像をご覧ください。
2023.05.26撮影
そして、塀の向こう側にかけられている看板(市がこのあたりの地図を設置した)の裏にへばりつきました(次の画像)。ツルツルでないとは言えほぼ垂直の平面に静止していられるなんて、足の裏がすごいんでしょうね。頭の上の真ん中に黄色の縦線が入っているのが見えます。
触覚の節と節の間が白いです。それと、触覚、長いですね。男性だということかしら。あれ? ちょっと待って、お尻の先が左右に出っ張っていますねえ・・・ということは、性別は?
2023.05.26撮影
結局、キボシカミキリさんは、看板の裏に取りつけられている枠の下(画像内では一番上)に潜り込んで、姿を大体のところで隠してしまいました。
それで、わたしは反省しました。嫌がっている、そして、怖がっているかもしれないムシを後追いして接近しすぎたのではないか? と。あるいは、そういう解釈は、人間の感情を動物に当てはめる感傷でしかない? でも、逃げたことは事実である。
でも、そもそもキボシカミキリさんはなぜイチジクの木にいたのか。調べてみると、幼虫が、クワ、イチジク、ミカンなどの生木を食べるそうな。そして、成虫も、これらの木で、その葉を食べるそうな。ただ、それでイチジク等が枯れるわけではないので、キボシカミキリを害虫扱いするのは間違いであるそうであ〜る。
この、今日、有無を言わさず写真のモデルにならされたキボシカミキリさんは、ひょっとしたら、成虫になったばかりだったのかもしれません。そうなると、ご休憩していた、ということで、わたしは、ますます反省します。夕方に見にいくと、看板の裏からはいなくなっていました。
今日の記事のキボシカミキリについての情報は、以下の検索ページから出てくるものも利用しました。