クロム雲母 Fuchsite K(Al,Cr)3Si3O10(OH)2 珪酸塩鉱物 単斜晶系Itremo, Ambatofinandrahana District, Madagascar
内包している水晶(ファントム)の表面に、無数の鱗片状クロム雲母が林立するように結晶している。ファントムの中心には、白く靄が立ち上っているかのような部分が観察されるが、微細な気泡の広がりであろう。
我が国でもクロムを含むことによって綺麗な緑色を呈する雲母が、長野県の茅野市の金鶏鉱山で観察が可能だ。但し金鶏鉱山で産出している緑色の雲母は、かなり緑色が強くても、分析によりクロム雲母と表記できるほどにクロムを含んではいないことが判っている。そのため、クロムを含む白雲母KAl2□AlSi3O10(OH)2と表記される。小さな水晶が集合している表面を覆うように、あるいは隙間を埋めるように産出しており、そもそもインクルージョンが観察可能な大きさの水晶がない。
クロム雲母にはフクサイト、マリポサイトの呼称がある。アベンチュリンは水晶に微細な葉片状クロム雲母の結晶が濃密に入っている飾り石のこと。
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