AKILA's えgo

気まぐれに、ドラムや音楽の気になった事上げとります。

節目の引き際

2017-08-15 21:19:00 | ノンジャンル
少しばかり周囲の熱も冷めた様なので書いておこう。

今月に入って、ライヴハウスHAERT BEATが今年12月いっぱいをもって閉店する事という知らせがあった。

実はHEART BEATは、今年で30周年を迎える記念年でもあったが、そこを節目にして営業を終えてしまうとは・・・

福岡で音楽活動していたら、軒並み出入りしているであろうライヴハウスだったと思う。
小規模ではあるが、音響が素晴らしい上に、思いっきり音出しても大丈夫。

大音量で演奏するバンドなら喜びそうなものだが、だからこそ自分たちが基本として出している音作りをしっかりしていないと、ボロも見えてしまう。
少し前であれば、そこそこ手厳しい評価も言われたりしていたし、スタッフもドラマーが多かったので、慣れた間柄になると容赦なかったりもしていた(苦笑)。

だが、
そうであっても、演奏者に快適な環境を与えてくれていたのは間違いない。
オレがこれまでやってきて、HEART BEATで不快なステージは無かった(テメェの演奏の至らなさはここでは関係無く)。

バンドの真価はライヴにあり。
コレはオレがバンドやる上での絶対的な価値だ。
どんなに練習をスタジオで重ねても、一回のライヴでやった経験値に勝るものは無い。
言ってしまえば、ライヴという本番で、自分が培ってきたものが振るいにかけられるワケだ。
そこで今までやってきた事が出来なかったりもすれば、意外や難度のあるところがすんなりといけてしまったり、はたまた予想だにしない事が起こってしまったり。
客の居る前でステージ上で演奏するというのが、バンドにとってどれだけ自分たちの演奏に対して向き合わなきゃいけないのか、というのを、一回のステージで考えさせられる(あとは、その時の対バン相手のライヴを観る事もだ)。

エクストリームミュージック系はそうそう頻繁に出ていなかったが、他ジャンルのミュージシャンと一緒にやれるのは、オレにとっては利点だった。
知り合いが居るのは悪くないし、良い雰囲気を作るのは大いに結構だが、馴れ合う空間はオレは特に要らない。
知り合いのバンド達の中には、自分たちがアウェイである事を嫌がる人も居る。
色々理由があるのは解るが、オレは寧ろそーいう環境でやる事に意味があると思っている。
自分たちのやっている音楽形態に対して偏見を持っている人間、或いはそーいった音楽を聴いたことが無い人間に対して印象をどれだけ与えられるか?
既にその手の音楽に理解を得ている知り合いの人間の前でやってワーワーキャーキャー言ってもらうよりも、大きな意義であると思う。
全く違う音楽をやっているからこそ、対バン相手のライヴを観て何か得るものというのもある。それに、様々な音楽ジャンルが一堂に会する様なライヴの方が、オレには楽しい。

常にアウェイである事を余儀なくされた、というか、敢えて他の連中と違う色を作り出す事を考えてやってきている身としては、客が少ない、ノってくれない、なんていうのは当たり前と考えている。
だから、何処に行ってやっても構わないし、それならもっと毛色の異なる者たちと競演した方が面白い。
HEART BEATに出る時は、ソレが楽しめる。

まさかここに来て、こんな日がくるとは思いもよらなかった。
ジェイソン氏は「決まったからには最後の最後まで楽しんで終わろう」と殊勝だが、あと4ヶ月であの場所が無くなると思うと、悲しいね。

ライヴハウスでホームグラウンドがあるとすれば、オレにとっては間違いなくHEART BEAT。
残りの月日もまたオファーが来ると思うが、受けれる限り全て受けようと思う。
それがあのライヴハウスへの、些細ながら感謝の姿勢である。