AKILA's えgo

気まぐれに、ドラムや音楽の気になった事上げとります。

予測していた事

2017-08-03 02:05:00 | ドラム
さて、かねてより懸念していた事が、とうとう起きてしまった。
PAISTE ALPHA、廃盤決定。

今年になってから、PAISTEはこぞって新モデルを発表してきたが、その中でも要注目となったのが900シリーズだろう。

PSTシリーズよりも上位にあたる機種で、モデルは幅広く、しかも現段階では4色のカラー選択が可能という、PAISTEファンの心をくすぐられるシリーズだ。

しかし、そこに一つ裏があった。
この900がリリースされるにあたり、ALPHAがなくなるという話が俄かに上がっていた。

その情報が入った時に、一応の覚悟はしていたが、いざ来たとなると・・・・・・残念でならないね。

ALPHAは、オレがドラムを始めてから早い段階で手に入れた、自分の中でも箔のつけられるシンバルとして愛用してきたシリーズだ。
当時はZildjian、SABIANは勿論定番シンバルで、スタジオでもよく見るし、楽器屋でも当然展示販売されていたが、オレが好きだったドラマーがこぞって使っていたのはPAISTEだった。

やっぱりそーいうところから入っていくもので、あの時のオレとしてはPAISTE=高級志向=プロフェッショナル色の強いシンバルという印象が強く、カタログなどで紹介されている際の「クリスタルサウンド」という触れ込みにも強く惹かれた。

だから自分のシンバルを揃えるんだったらPAISTE、というのを考えていたし、今でもそこは揺らがない。
まァ、とは言っても、ハイクラスシリーズはサイズが小さくても一枚の価格が途轍もなく高いものだと知っていたし、当時はまだガキながらも「いきなりそんな高いものを使うには恐れ多い」と感じていた。高いものだからもの凄くイイ音がする、という思考があの時はあったしね。

PAISTEは一般的に今でもお高いイメージがついてわまってるようで、当時は確かにクソ高かった。
だがそれでも。オレがこのシンバルメーカーを使いたいという想いは変わらなかったし、当時のオレ知識で少しでも価格的に安くて良いものを、という選択の結果がALPHAだった。

ALPHAが発表されてから現在までの立ち位置は変わらずミドルクラス。
2000年代に入ってから生産工場がスウェーデンからドイツに変更されてもそこは変わらず、量産型シンバルという形になってしまったもののサウンドはより洗練傾向になり、モデルもサイズ共に豊富であった。

「ハイクラスに引けをとらない、コストパフォーマンスに優れたニュースタンダード」、というメーカーの売り文句もオレにはかなり響いた。
自分の理想のシンバルへの第一手として入手する事にしたものが、結果愛着も出てきて、自分のトレードマークになるべき存在となった。

その間にも色々なシンバルメーカーに触れる機会に恵まれ、各メーカーに於ける主張性や魅力も知り得て、実際に所持してきたりもしたが、そうであったからこそ逆にALPHAを使用する事に対して拘りを持つようになったってのもある。

PAISTE ALPHAに対して絶対の自信を持って使いこなせるドラマーでありたいと、不格好ながら自身を研磨してきたつもりだし、当時は国内でもALPHAの需要も少なかったってのもあったから(90年代までは、大抵主な需要はThe Paiste Lineや2002だった)、ここに拘りを持つ事もテメェにとってはある種誇りになっていた。

確か正式発売が1991年だったから、26年か。
The Paiste Lineや2002などの代表格は最早別次元として、ミドルクラスのシリーズが途中デザイン変更があったにせよこれだけ長く続いたのは大したものだと思う(PAISTEというメーカーの中で、という意味で)。
これよりも上位機種にあったTwenty及びTwenty Customは、個人的にスゲー良いシリーズだと思っていたのに、10年間のうちに終わってしまったりと、このメーカーは他メーカーと比べて実は中々ラインアップが不安定であったりする。ある意味では挑戦的なシンバル作りをしてきているとも言え、そんなメーカーの中でALPHAはよくぞ、とも思っている。

憶測の域を出ないが、製造工場がドイツってのが廃盤の原因だと思う。
あそこはMEINLの本拠地で、勢力に食われた可能性が考えられる。
それに、ALPHAよりクラスの下がるPST7、8などがPAISTE現本拠地スウェーデンで作られているのに、ごく一部がドイツで製造されている利点は?という疑問も出てくる。
これまた憶測でしかないが、そうなってくると、そう遠くないうちにPST5も廃盤に追い込まれる可能性もなくは無い、とも・・・。

いずれにしても、ALPHA廃盤は個人的に非情に残念である。
瞬間的に、「この際だから入手してないモデルを今のうちに手に入れておくか?」という考えが頭を過ったが、よくよく考えて止めた。

結局、使うモデルがもう限られているからだ。
これから先も使っていくやつで、「もしも割れたら」という事態が起こるのは、クラッシュかあってもチャイナくらいだろう。
それに、これまで使用してきた経験上、オレは殆ど割らない。割ったものもあるが、それは当時のオレの叩き方の問題もあったと思うし、これまでやってきてALPHAで被害が出たのはクラッシュ2枚のみである。

言っても消耗品。
割れてしまったら、それはもう受け入れるしかない。
それでも、そうなるまでは愛着を持って使用していくつもりだ。
後に使用シンバルの変更は出てきてしまうだろうが、それでも変わらずALPHAへの拘りは貫いていく。

また何かの折に復活してくれたら嬉しいね。
それこそ、今度はスウェーデンから再製造出発、とかね。