木枯らし一番が吹くかも、と言われていた関東地方ですが、この3連休(連休でない人、ごめんなさい)ずっと良い天気で良かったですね。
私は珍しく毎日予定が入っていて、それぞれネタになることばかりでしたが、とりあえず忘れないうちに土曜日、イタリア文化会館で受けたはちみつのレクチャーのお話をしましょう。
現在イタリア文化会館では第3回 世界イタリア料理週間の名のもとに、食関係の様々なイベントを開催しています。(26日まで)
https://www.iictokyo.com/cucina/
食の方が専門ではない私は、特にチェックしていなかったのですが、友達から「はちみつのレクチャー行かない?」と言われ、とりあえず行ってみることにしたのですが、これが目からうろこなことばかりでびっくりでした。
今更何言ってるの?と言われてしまいそうですが、私ハチミツがどうやってできるのかも知らなかったし、ロイヤルゼリーがどんなに貴重なものかも知りませんでした。
レクチャーは世界初の食に特化した大学として、その名を全世界に知られているUniversità degli Studi di Scienze Gastronomiche(食科学大学)で講師も務めるCristiano De Riccardis氏
逐語通訳付きでしたが、通訳の質は…
普段通訳業をしているとは思えないので、仕方がないですが、気になるところ多かったですよ。
それはさておき、レクチャーはミツバチのお話から始まりました。
ハチには、ape(働きバチ)、fuco(雄バチ)、regina(女王バチ)の3種類がいます。
しかしミツバチの世界はほとんど完全に女社会。
雄バチの数は雌に比べて圧倒的に少なく、更に唯一のお仕事である女王バチとの交尾が出来る雄は、その中でも10匹に満たないとか。そして役に立っても立たなくても、お仕事が終わったら巣から追い出され、死を待つのみ。
なんて厳しい世界なんでしょう。
女王バチは一度の交尾で、一日2000から3000の卵を産めるまで産み続けます。
生まれた幼虫には生後3日間だけ全ての蜂にローヤルゼリー(イタリア語ではpappa realeと言います)が与えられます。
そして4日後、その3日で選ばれた女王に成れるべき能力を持った数匹の蜂にのみ、引き続きローヤルゼリーが与えらます。
そしてその残りの蜂たちは、働きバチとしての任務が与えられます。
任務は完全分業制。各々が1つの仕事を専従します。仕事は例えば巣のお掃除係、幼虫に餌をあげる係などなど多種多様です。
そして私たち人間にとっても一番重要なのは、蜜を取りに行くハチでしょう。
なぜ彼等が人間にとって必要不可欠なのは、ハチミツを作ってくれるからだけではなく、それ以上に重要なお仕事をしているから。
彼らが蜜を集めるために花々を飛び周ることで足に花粉が付き、花々は受粉します。これがなければ私たちは果物など食べることが出来ないのです。もちろん現在は人工的に受粉できるじゃん、とは言え…
そうして採取した蜜を抱えたハチは巣に戻り、別のハチに蜜を口移しで渡します。
その蜜が受け取ったハチの口の中にある酵素と混ざりあって、ハチミツになるそうです…
ってすごくないですか?
全然知りませんでした、この事実。
更に酵素(唾液?というかどうかは分かりませんが)には水分が含まれているので、この水分を取るためにハチは羽根を一生懸命パタパタします。その羽の風で水分を大体17%くらいまで落とすするそうです。
水分がなくなるので、糖度は上がります。
水分が少ないため、巣の中にあるハチミツはバクテリアの発生は抑えられ、味はさておき、質の劣化がほとんどないので、長期でもつそうです。
はちみつの主な成分は80%が糖分(果糖、ぶどう糖)、17%が水分、その他はミネラル、プロテイン、花の香のエッセンスなんだそうです。ちなみにロイヤルゼリーは?と言いますと、糖分が12%で水分が68%、プロテインが15%、脂肪が3%で、はちみつほど甘くなく、脂肪は多いそうです。
ってここまで聞いて思わず感動しちゃいましたよ。蜂ってすごい!!
ハチミツが高くても当然!!
他にも面白かったのは、花が少ない時期や地方ではハチはどうするか?
ハチはそういう場合、樹液を集めるそうです。
例えばメイプルみたいなもの。
日本には製品がない、ということは日本の木々の樹液は甘くないのかな?、のですが一応日本語では「甘露蜜」というそうです。
実はこの話が出た時、子どもの頃学校でも販売していたこれを思い出したんです。
肝油ドロップ。
朝ドラ「まんぷく」で産後の肥立ちが悪いのは、栄養不足のせいだと言っていますが、これなめると良いんじゃないですか?
インスタントラーメンの前にこれ発明するのか?なんて思ったりして…
それはさておき、「これ何で出来てるんだ?」と思ったわけです。
え~肝油って、「サメやタラ、エイなどの肝臓に含まれる液体や抽出した脂肪分のこと」なんですと。結構グロいですね!!
肝油ドロップは樹液ではなかったので、やはり日本にはピンとくるものないですね。
イタリア語では、花の蜜から出来ているのはmiele(はちみつ)、樹の蜜(樹液)から出来ているのはmelataと区別しているそうです。(知らなかった)
イタリアでは今から7,8年前はちみつの生産量が非常に落ちたことが有りました。
実はこれ、1つの化学薬品が原因だったのです。
この化学薬品を使ったことで、はちの帰巣本能に障害が出て、巣に戻る前に蜂が大量に死んでしまい、一時期生産量がなんと2割、3割までに落ち込んだそうです。
2014年ようやくその化学薬品の使用を中止することが欧州会議で決定され、その後なんとか生産量が回復したそうです。
生産量が落ち込んだとき、価格は高騰してもハチミツを採取を制限したことが功を奏したとも言っていました。
この辺りヨーロッパは本当にちゃんとしているなぁと思います。
日本でもはちみつの生産量が減っているのはハチが減っているせいだと聞いたことが有りましたが、原因は同じなのでしょうか?
もっと色々知りたかったですが、時間はおせおせで、このあと試食がありました。
右からアカシア、シチリアのオレンジの花、マルケ州のcoriandoloの花、最後が栗の花なのですが、3番目のcoriandolo,コリアンダーの事ですが、「コリアンダーって、パクチーだよね?」と思って調べたら、私たちが食べているパクチーは葉、花は
こんな感じ。あのパクチーの花がこれってピンとこないですよね。
アカシアは食べなれているせいもあり、癖もないし万人受けします。
オレンジの花は、お湯に溶かして飲むと喉がすっきりするそうです。
コリアンダー、栗はちょっと癖があります。
これらは成城石井で手に入るそうです…
参加費1,000円で非常に勉強になりました。
最後にはちみつの結晶化の原因について質問しました。
糖分の関係や温度の関係で結晶化するということは聞いていたのですが、他にも原因があるのかな?と思って。
すると嫌な答えが返って来ました。これも化学物質が使われている可能性があるって…
化学物質かぁ…そうだよね、あまりにも安いハチミツを見ると、何が入ってるんだろうと思ってしまいます。
いや、オリーブオイルなんかも同じですけどね。
もう少しいろいろ知りたいなと思いました。
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