私は自転車で、国道449号線を急いでいた。
この国道は、沖縄の本部半島を名護市から本部町へと結ぶ、東シナ海の海岸線沿いを走る快適な4車線道路だ。
できれば、以前書いた記事 伊江島へ行こう(1)を参照してください。
伊江島へ渡る、9時本部港発のフェリーに乗るため、7年前と同じように、急いでいた。
8時20分頃、本部半島にかかる大きな虹を見つけた。
虹の下をくぐって、S字カーブを描くように、右奥へと海岸道路は続いている。
すれ違う人も自転車もなく、美しい海、広がる水平線、入道雲、遠くを進むフェリーを見ながら、快適なサイクリング。
車道は沖縄美ら海水族館へ向かうレンタカー達が時速70キロ程度で走行しているので、時速10キロ程度の自転車は歩道をゆっくりと走るのが安全。
しかし、次第に、不安が生じてきた。
いくら進んでも、なかなか、ゴールが見えてこない。「あれ、こんなに遠かったっけ。」
自転車を止めて時計を見る時間も惜しんで、自分の体内時計を頼りに、「8時40分くらいかな、もう45分にはなったぞ。切符を買う時間とフェリーに自転車を積む時間もあるから55分には到着したい。」と、走りながら、残りの時間と距離を計算してペダルの回転を加速させるのであった。
「9時に乗り遅れると、次は2時間後の11時。前回のこともあるから、間に合いたい。虹の写真撮影が余分だったのかな。でもめったにないし‥。」などといろいろ考えているうちに、とうとう、ゴリラチョップが見えてきた。ゴリラチョップを過ぎて左折すると、本部港ターミナルがある。
ゴリラチョップの由来とか写真を撮る暇もないので、前回の記事を見てほしいけど、ここはコーラルサンゴやリーフに熱帯魚がたくさんいて、ダイバーやシュノ‐ケラーに人気の場所。路上駐車が多かったので、最近、国道を改良する際に小規模の駐車場を作った(表紙の写真)。
事件はココで起きた。
私は、マラソン走者がゴールの陸上競技場に飛び込んでくるように、最後の力を振り絞って、ゴリラチョップを通過しようとしていた。
しかし、駐車場は私の行く手を遮り、歩道の幅は急激に狭まり、さらにその奥ではもっと左側に、駐車場外側を迂回することを要求した。
ブレーキをかけてスピードを落とし、せっかくスパートした力を自らダウンさせ、砂に埋もれた歩道をそれでも急いで通り抜けようとした。
目の前に現れた駐車場には、車が止まっていた。
若い女性が、車の後部トランクの陰に、車道から隠れるように、ややかがみこんでいた。
いやな予感がした。
いやな予感が当たった。
女性が、ズボンを脱ぎ始めた。
私が進むべき道は、その女性のすぐ後ろの狭い歩道だった。
ズボンを脱ぐ女性に向かって、なぜか突進していく自転車。
ひろい海、人の少ない道路。このタイミングで、なんで、ここに自転車が来るのと、彼女は思うだろう。
私だって、ズボン下げるのを、彼女はもう1分待てなかったのか、と思う。
スカイブルー。
お互い、声を交わす間もなく、強烈なスカイブルー色の横を風のように通りぬけて、ゴールをめざしサイクリングを続けたのであった。
その光景を想像すると笑い死にしそうです。ほんと、苦しいです(笑)。
さて、forever-greenさんは間に合ったのでしょうか?続きを楽しみにしております。
これって本人よりも居合わせちゃった人の方がどうしていいのか困りますよね。
ちなみに先週、ゴリラチョップで泳ぎました!
表紙の写真は、帰りに、振り返り撮影したものですが、あの車かもしれません。
海が近いので、歩道を削って駐車場を作ったことで起きたのだと思います。
冷静に考えれば、ただの水着かもしれませんが、衝撃的な一瞬でした。
ゴリラチョップに行かれたのですか!ASIAN TREEさんも、駐車場で水着に着替えたりするのでしょうか。
くれぐれも、歩道を走ってくる自転車に気を付けて、確認してから着替えてくださいね。