Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 12/14未明~明け方 ふたご座流星群が極大

ふたご座流星群の元となる天体を捉えた!

2017-12-12 22:00:00 | 夜空のコラム

今年もふたご座流星群の活動ピークがまもなくやってきます。
流星群は主に彗星が撒き散らしたダスト粒子の流れの中に地球が突っ込むことで
毎年決まった時期にまとまった数の流星が見られるという天文イベントです。
ふたご座流星群の場合、流星の元になるダスト粒子をばら撒いたのは小惑星登録番号3200番の
「ファエトン」という小天体であることが判明しています。
現在そのファエトンが地球に接近中ということで9日の宵に撮影してみました↓

ファエトン2017-12-09.jpg

 口径18cm写真撮影用反射望遠鏡+冷却CMOSカメラ(ZWO ASI1600MC-cool),F2.8,
 1分露光,中型赤道儀使用,朝霧アリーナにて

矢印の先にある小さな星がそれです。明るさは11等級台ということで、肉眼では見えません。
こんな小さな天体から年間最大の活動規模を誇る流星群が生み出されたとは信じがたいですね。
実はこの小惑星、昔は彗星だったと推定されていて、かつては彗星特有の尾をたなびかせていたと
考えられています。一般に彗星の尾は、本体から放出されたガス成分とダスト粒子から形成される
ということで、その昔ファエトンから放たれたダストの流れがたまたま地球軌道と交差していて、
12月中旬にその流れに地球が通過する時にたくさんの流星が見られるというのがふたご座流星群の
メカニズムになるわけです。
で、ファエトンも太陽系の一員ということで太陽を周回しているのですが、その軌道は楕円形で
最も太陽に近づくところは水星軌道の内側、一番離れるところは地球-太陽間の距離の2.4倍程度の
距離になります。その公転周期は1.4年と短く、頻繁に太陽最接近を繰り返してきたことにより、
物質を放出し尽くしてしまって、ある意味裸の状態になった彗星の成れの果てとも言うべき天体に
なったとされています。
流星群が見られるのは、地球軌道とファエトンの軌道が接近している証拠でもありますので、
ファエトン自体が地球に近づくこともあり、実はちょうど今月が接近時期にあたってました。
で、上の写真をファーストショットにして120コマの連写画像を比較明合成したのがこちら↓

ファエトンの軌跡2017-12-09.jpg

調べたら2時間ほどの短い間に、見掛け上でおおよそ満月の視半径ほど移動していることがわかり、
その軌跡が直線状に捉えられました。さすが接近しているだけのことはあります。
さらに同じ連写画像から動画も作ってみました↓

450倍速相当の動画になっており、実際の動きはもっと遅いので、誤解しないでくださいね。
あまりフォトジェニックな対象とは言い難いですけど、個人的には初めて撮った天体だったんで、
コレクションの一つに加えられただけで満足してます。
明日の夜は流れ星がお腹いっぱい見られることを願ってます。



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