若い頃、北朝鮮の強制収容所から脱出した人の手記を読んだことがあります。
あまりにも凄惨な様子が書かれていましたが、蛇やカエルを必死に探して食べたり、自分の排泄物の中から食べられる物を探して食べたシーンなど、未だに覚えています。
この映画は、いわれなき罪で強制収容所に送られた一家の過酷な日々を3Dアニメで描いたもの。
在日韓国人四世の清水ハン栄治監督が、収容生活を生き延びた脱北者の証言を基に10年の歳月をかけて作り上げたといいます。
あまりにも凄惨な様子が書かれていましたが、蛇やカエルを必死に探して食べたり、自分の排泄物の中から食べられる物を探して食べたシーンなど、未だに覚えています。
この映画は、いわれなき罪で強制収容所に送られた一家の過酷な日々を3Dアニメで描いたもの。
在日韓国人四世の清水ハン栄治監督が、収容生活を生き延びた脱北者の証言を基に10年の歳月をかけて作り上げたといいます。
(収容所に入る前)
幼い兄妹ヨハンとミヒ、彼らの両親は在日朝鮮人の帰還事業により北朝鮮に渡るが、父が政治犯の容疑で逮捕され、母ユリと兄妹は強制収容所に収監されてしまう。
そこは、まさしく地獄であった。
看守による暴行、殺人、レイプは当たり前。
食べ物は”死なない程度”に与えられ、極寒の中で子供にも過酷な労働が強いられる。
誰かを密告すれば優遇されるので、囚人同士の蹴落とし合いも日常茶飯事。
少年インスの母は看守からレイプされて妊娠、そのせいで公開処刑される。
目の前で母親を殺されたインスを、母ユリは優しく自分たちの小屋に連れ帰る。
すさんだヨハンは人道的な心を忘れない母ユリをバカにするが、ユリは逆恨みから囚人に殺されてしまう。
ヨハンとインスは過酷な環境の中で友情をはぐくみ、妹ミヒを守り、そうして9年の月日が流れる。
(収容所で)
年頃になったミヒは看守からレイプされ、身籠ってしまう。
おなかが段々大きくなり、妊娠が発覚したら殺されてしまう妹を心配したヨハンは、ミヒを思うインスとミヒと3人で、脱走を決意する。
周到に計画し、そしてその日がやって来たのだが…
ラストには、悲しいどんでん返しも用意されています。
国際的な映画祭で多くの賞を受賞したというのが頷ける映画です。
アニメで描かれていること、そして言語が英語であることが救いか。
これが実写であり、韓国語であったら、生々しすぎて耐えられなかったでしょう。
一度入ったら二度と出られない拷問所という「完全統制区域」の恐ろしさ。
強制収容所に、今現在も10万人以上収容されているという事実。
監督のインタビューの中に
「収容所に日本人拉致被害者の女性がいたという話があった。
北朝鮮に強要されたスパイ訓練を拒んで、収容所に入れられたそうだ。」
という恐ろしい言葉があり、映画の中にもそうした女性が出て来ました。
瘦せ衰えて衰弱しきった女性は、私は拉致されて北に来た、日本に帰りたいと死の床で泣くのです。
「TRUE NORTH(トゥルー・ノース)」とは、「真に重要な目標」を指す英語の慣用句であり、自分がどこにいようともコンパスの針は常に北を指すことから「決して変わらない目指す方向、正しい方向」という意味で使われるのだそうです(Wikiから)。
一人でも多くの方に観て頂きたい映画です。
公式HP
早速リストに入れました
観るのがちょっと怖いですが
観るべき映画ですね
ご紹介ありがとうございます
DVDになったばかりです。
どんでん返しは辛いけれど、救いでもあるのです。
ご感想を楽しみにしています。
凄まじく、決して忘れてはならない作品だと思いました。
>「TRUE NORTH(トゥルー・ノース)」とは、「真に重要な目標」を指す英語の慣用句であり、自分がどこにいようともコンパスの針は常に北を指すことから「決して変わらない目指す方向、正しい方向」という意味で使われるのだそうです。
…そうだったんですね…
「北朝鮮の真実」だと単純に解釈しておりましたが、
上記の英語の慣用句も混ぜ合わせて考えると、更に深みが増しますね。
いずれにしてもあってはならないことですし、それなのに今も収容所事態は着々と増えていることを思うと、闇の深さを感じます。
True Northは「北朝鮮の真実」とのダブル・ミーニングだったのかもね?
何しろもう、圧倒されました。
映画館で観ていたら、暫く立ち上がれなかっただろうと思います。
北朝鮮でも、中国のウイグル自治区でも、今もなお、ですねえ…