英語学習は続く・・

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怪人二十面相 52

2022-12-12 23:51:55 | 怪人二十面相

 じつにへんてこな質問です。しかし、そういうばかばかしい質問をしないではいられぬ気持でした。

It was a really odd question. But he couldn't help it.

 すると怪盗は、どこまでもおしだまったまま、しまりのないくちびるを、いっそうしまりなくして、ニヤニヤと笑いだしたのです。

Then the thief slacken his already slack lips making a sneer, saying nothing.

 それを見ると、中村係長は、なぜかゾッとしました。目の前に、何か想像もおよばない奇怪なことがおこりはじめているような気がしたのです。

When the chief Nakamura saw it he felt chill. He sensed something unimaginable exigency is unfolding in front of him.

 係長は、その恐怖をかくすように、いっそう相手に近づくと、いきなり両手をあげて、賊の顔をいじりはじめました。まゆ毛をひっぱってみたり、鼻をおさえてみたり、ほおをつねってみたり、あめざいくでもおもちゃにしているようです。

As if he was trying to hid hid fear he reached him and started fumble his face. Like pulling his eyebrows, push nose, pinch cheak, it was like he was toying candy craft.

 ところが、そうしていくらしらべてみても、賊は変装しているようすはありません。かつてあの美青年の羽柴壮一君になりすました賊が、そのじつ、こんな化け物みたいなみにくい顔をしていたとは、じつに意外というほかはありません。

No matter how much he checked the face there was no sign of disguise. Once disguised as a handsome guy, Souichi Hashiba how could he be this ugly guy like a monster.

「エヘヘヘ……、くすぐってえや、よしてくんな、くすぐってえや。」

"He, he. 'Top tickling. Don' tickle."

 賊がやっと声をたてました。しかし、なんというだらしのないことばでしょう。彼は口のきき方までいつわって、あくまで警察をばかにしようというのでしょうか。それとも、もしかしたら……。

Finally the gang said something. Still what a vile talk. Was he trying to make fun of Police talking like that? Or, if, maybe..

 係長はギョッとして、もう一度賊をにらみつけました。頭の中に、ある、とほうもない考えがひらめいたのです。ああ、そんなことがありうるでしょうか。あまりにばかばかしい空想です。まったく不可能なことです。でも、係長は、それをたしかめてみないではいられませんでした。

The chief startled and glared at the thief. An outrageous idea came to his head. Oh, is it possible? It was too unconscionable. It was impossible. But the chief had to ascertain.

「きみはだれだ。きみは、いったいぜんたい何者なんだ。」
 またしても、へんてこな質問です。

"Who are you? Who in the world are you?"
Again, it was an odd question.

 すると、賊はその声に応じて、まちかまえていたように答えました。
「あたしは、木下虎吉きのしたとらきちっていうもんです。職業はコックです。」

Then the gang answered as if he was waiting for it.
"I am Torakichi Kinoshita. I cook for my job."

「だまれ! そんなばかみたいな口をきいて、ごまかそうとしたって、だめだぞ。ほんとうのことをいえ。二十面相といえば世間に聞こえた大盗賊じゃないか。ひきょうなまねをするなっ。」

"Shut up! It doesn't work if you try to deceive me talking like a stupid. Tell me the truth. Twenty Faces is a famous thief. Don't be despicable."

 どなりつけられて、ひるむかと思いのほか、いったいどうしたというのでしょう。賊は、いきなりゲラゲラと笑いだしたではありませんか。

Did he flinch, no, then what is going on?  The guy started laughing loudly.

「ヘエー、二十面相ですって、このあたしがですかい。ハハハ……、とんだことになるものですね。二十面相がこんなきたねえ男だと思っているんですかい。警部さんも目がないねえ。いいかげんにわかりそうなもんじゃありませんか。」

"Well, am I Twenty Faces? Ha, ha, ha. It's unbelievable. You think Twenty Faces is this dirty man? You have no eye, don't you? You should have known now"

 



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