Entrance for Studies in Finance

地方銀行の再編(2007年ー2008年)

大手銀行が6グループ(みずほ、三菱UFJ、三井住友、りそな、住友信託、三井トラスト)、3メガグループ(みずほ、三菱UFJ、三井住友)に再編されたあと、なお110の銀行があふれる地銀・第二地銀には過剰感が強い。

2004年 新生銀行 再上場果たす

2005年4月 ペイオフの解禁
決済性預金については全額保護 利息のつく普通預金・定期預金・元本補てん契約のある金銭信託などは合算して1000万円までとその利息等を保護 外貨預金・譲渡性預金・金融機関からの預金・元本補てんのない金銭信託などは保護対象外

2006年 金融商品取引法・貸金業法成立
改正貸金業法の施行とノンバンクの再編成

2006年11月 あおぞら銀行(日本債券信用銀行 1998年一時国有化 2000年ソフトバンクなどに売却 2003年ソフトバンク全株をサーベラスに転売) 再上場果たす

2007年1月 金融庁 自己資本比率の算定基準公表 2007年3月期決算からの新BIS規制適用(8% 4%という基準は変えないが総資産額に貸出債権や有価証券のリスクを従来より細かく反映させるほか システム障害や事務上のミスなど従来考慮されていなかったオペレーショナル・リスクについても自己資本を積むことを求めている。なお旧BIS規制は1988年7月に合意され1992年末導入。1997年末には市場リスクの反映が追加。その後1998年3月から新BISに向けて議論開始)に合わせたもの ファンド・証券化商品リスク高く 住宅ローン・中小企業向けをリスク低く 見直し
 旧基準は企業・金融機関向けは一律100%、住宅ローン50%、国債100%、株式100%、その他有価証券(=ファンドや証券化商品含む)100%であったものを、国債、株式についてはそのままとしたものの、住宅ローンについては35%に下げ、その他有価証券は350%または1250%とした。企業金融機関向けは以下のように細分した。
AAAからAA-20%
A+からA-50
BBB+からBB-100
90日以上支払延滞150
貸出残高1憶円以下の中小企業75
 
債券投資におけるマーケット・リスク管理成城大学経済研究169号, June 2005, 89-116.

2007年3月末 金融機能強化法 期限切れ

2007年4月 東京スター銀行株 売却へ 米投資ファンド ローンスターが持ち株を処分の方針(最大で全保有株67%分)(→アドバンテッジパートナーズがTOBで買収へ)
 東京スター銀行買収(2007年12月20日合意)
 東京スター銀行は1999年に経営破たんした東京相和銀行が前身。ローンスターの傘下で経営再建。2005年10月に東証一部上場を果たした。日興コーデイアルGに売却の予定が日興の不正会計問題で崩れ、そのほかの売却先を2006年末から模索。
 応募した英HSBC、米RHJ(旧リップルフッド)、米TPG、日本の買収ファンドのアドバンテッジ4社の中で、価格面でもっとも有利な条件を出したアドバンテッジ(07年6月に優先交渉権取得)に1株36万円(ローンスター保有株は発行済みの68%,買収額はTOBで全株取得を目指し最大2520億円)売却に合意した。
 東京スター銀行は、住宅ローンで普通預金の残高に応じて返済負担を軽くする商品を開発。あるいは積極的な越境出店という独自の経営モデルで注目されている。しかし大手銀行やゆうちょ銀行とも競合。得意の不動産業向け融資も伸びは減少。
今後の成長には疑問符もある。
2001年6月 米ローンスターが400億円で買収
2005年10月 上場 30%を約900億円で売却
2008年12月 アドバンテッジとの合意成立(合意成立時点で最大2520億円は国内の買収案件として過去最高額 その後 足利の買収がこれを上回る)
2008年3月 アドバンテッジのTOB成立 98%取得 2482億円
2008年7月末 上場廃止

2007年6月 改正建設基準法施行 建築確認手続きの厳格化 住宅着工件数の大幅減少→住宅ローン減速

2007年9月末 金融商品取引法完全施行 利用者保護 適合性原則の徹底 事前書面交付義務 接客時間の増加 から投信などの販売困難に

2007年10月 郵政民営化 ゆうちょ銀行スタート
2005年10月 郵便局が投信販売に参入
2007年10月 ふくおかFG 親和FGを完全子会社化 福岡銀行が熊本ファミリー銀行・九州親和ホールディングス(長崎)と経営統合 熊本ファミリー 九州親和はともに多額の不良債権を抱える 福岡銀行は地銀の中でも優良経営銀行のひとつ。公的資金を使わない救済の仕組みとされるが福岡銀行への経営負担は重い。
2007年5月24日 親和銀行とカード会社をふくおかFGに統合する基本合意を発表 ふくおかFG(預金残高8兆2000億円)が対価として最大760億円支払 九州親和HD(佐世保の本拠 預金残高2兆1800億円)は子会社などの売却後に清算 統合後の規模は地銀首位

2007年12月 銀行窓口での保険商品販売の全面解禁
2001年4月 火災保険・海外旅行傷害保険などを先行解禁
2005年12月 一時払い養老保険・終身保険など貯蓄型を追加解禁

(2007年12月14日 振り込め詐欺被害者救済法成立)

2008年2月 池田銀行と泉州銀行 泉州は三菱東京UFJ系(旧三和)で大阪北部地盤(岸和田に本店) 池田は独立系で大阪南部地盤(池田に本店)だが積極路線で知られる 経営統合で合意し三菱東京UFJ系に 統合後の預金残高4兆140億円(07年12月末) 背景は池田の有価証券含み損 三菱東京UFJが300億円の第3者割当増資を引き受け助ける 2008年2月22日発表 共同持ち株会社を2009年春をめどに設立地する

2008年4月 一時国有化の足利銀行を野村Gに譲渡
足利銀行譲渡先に野村連合

2008年5月 荘内銀行(山形県が地盤)・北都銀行(秋田県が地盤) いずれもみずほFG系 規模は北都がやや大きい(07年3月末の預金量1兆3760億円)が未上場かつ財務内容悪化 荘内は06年に東証一部上場で預金量7684億円 経営統合の方針 合わせて預金量1兆8000億円(07年3月末時点) 2008年5月14日 2010年4月をめどに共同持ち株会社を設立し経営統合すると発表 まず2008年8月に歩と銀行の優先株式を80億円を上限として荘内が引受資本提携する。

2008年10月 北洋銀行と札幌銀行が合併を予定
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