Entrance for Studies in Finance

スズキとVWの資本提携(09年12月9日)発表について

世界での自動車販売台数世界9位のスズキ(鈴木修会長 本社浜松)と世界第3位ドイツVW(高級車アウディ、ポルシェ、低価格車シュコダなど10のブランド)が資本提携を2009年12月9日に発表した(スズキにVWが19.9%出資。他方、スズキはVWに最大約2.5%取得というもの。スズキへのVWの出資を20%以下として持分法適用を避けスズキの独立性を保った)。時価総額でトヨタ、ホンダに続く第3位。しかし車の販売台数ではトヨタ、GMを抜き世界1位の企業連合が成立することになった。

2008年末に米GMから自社株を買い取ったスズキは、新たな資本提携先を探していた。スズキは1981年にGMと資本提携関係にあった(20%の出資を受け入れた)。しかしGMの経営悪化により2008年11月に資本提携を解消。2009年12月4日にはカナダでの合弁生産事業(CAMI)の解消も発表され、つぎの提携が近いとされていた。
棲み分けをしてきたGMと違い、VWとスズキは小型車で競合するので市場調整は課題。スズキは日産とマツダに国内販売用軽自動車を供給。フィアット(イタリア)、オペル(ドイツ)にも供給している。

VWは中国市場(シェアは約2割で最大手)、欧州、南米に強く電気自動車など環境対応車でスズキに先行するがインド、北米市場に課題があった。2009年夏にはドイツのポルシェとの2011年の経営統合を決め2009年11月に出資を行ったばかり。

スズキは小型車(事業分野の絞り込み)やインド、日本市場で強みをもつ(他の大手メーカーが先進国偏重だったため先進国型不況で苦しむ中、影響が少なかった)。しかしややインドに傾斜しており(マルチスズキなどのシェアは5割 2011年にインドに年30万台生産できる新工場を建設を12月5日に発表 インドでの生産能力を年130万台に引き上げる 同社の日本の生産能力は年140万台 日本国内でもワゴンR、アルトなどが人気)、今後の世界戦略でVWの世界的な販売力は魅力。

両社の特徴は新興市場での強さと存在感。小型低燃費車に両社ともつよいこと。さらに提携により部品の共通化により大量生産のコスト効果を生かすとしている。課題は北米市場と環境車にあり、両社とも北米市場にはやや出遅れている。環境車もVWがハイブリッド車(2010年)、電気自動車(2013年)投入を、またスズキもハイブリッド車(2011年)投入を予定するが、出遅れは否めない。またスズキの鈴木修会長は高齢であるため、後継者育成が最大の課題との指摘もある。

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