Entrance for Studies in Finance

長期金利動向

長期金利の下落から反転上昇(2015年1月から7月まで)

長期10年物は日本は2015年1月に0.3%割れ。ドイツが0.4%台、米国が2%割れ(2015年1月)。ドイツで5年物国債マイナス化、2年物はすでにマイナス。

ECB 1月22日の理事会で量的緩和に踏み切る合意。3月からユーロ建て資産をつき600億ユーロ購入することに。ドイツ国債はもともと少ないので投機マネーが流入する結果招く。ドイツ5年物マイナス化へ。ドイツ国債利回りは2014年1月から2015年2月まで一貫して下落

1月29日日本で2年物国債が1ケ月半ぶりにプラス金利に浮上。2年物は2月前半まで上昇後下落に転じる(peakで0.065% 3月6日にゼロ金利まで下げる)

1月20日を底にする金利の反転

1月後半から2月  金利上昇(1月20日の0.195%を底に上昇に転じる 背景:物価上昇から金利上昇 米欧とも)

2月24日低下して一時0.37%

ドイツ2年物国債マイナス金利が定着。ECBは量的緩和政策実施(2015年3月9日から マイナス金利でも国債買い入れと説明)。2年物は長期が上がっても利回りが上昇しない乖離が定着。日本2年物低下して再びゼロ金利に(1ケ月半ぶり)(3月6日)

2年物は日本は0.010%.ドイツがマイナス2%台(4月3日)

4月に入ると 低下傾向 4月24日には日本長期国債で0.2%台 つまり長期金利は0.3%下回る(0.2%台)背景は 欧州マネーの日本流入 世界的な金利低下。現物債と先物の双方で。日本の国債は国内投資家が主流のため、相対的高金利。欧州は2014年急激に金利が低下。5年物は各国で2015年に入るとマイナス化。日本は5年物で0.07%,10年物で0.31%(4月23日)。これが現物と先物の双方で欧州マネー引き寄せる。(今後 ECBが国債買い入れ縮小すると マネーが逆流して金利が急上昇するリスク高まる。

長期金利の上昇(2015年5月以降)

5月12日 欧米で物価上昇から金利上昇(資金巻き戻しが発生し 資金欧州へ戻る ECBの量的緩和で低下していたドイツ国債金利も上昇) 日本長期国債利回りは一時前日比0.080%高の0.470%まで上げる 国内国債入札低調 

6月2日日本長期国債終値0.425% 前日比0.025%高

6月4日 0.5%台に上昇(6ケ月半ぶり 0.505%)。米国でヨーロッパで物価上昇から金利上昇(ドイツ8ケ月半ぶりに1%に迫る 米国7ケ月ぶりに2.4%台)。

6月14日 0.435%まで下げる(欧米金利の変動を反映 欧米金利下がる 内外金利差縮小 円高 株安) 株価と金利が連動。

6月19日 日銀金融政策決定会合 年80兆円ペースで資金供給する金融緩和の継続 決定会合回数年14回を8回に減らす 展望レポートを年2回空4回に増やすなどを決める

7月2日一時 0.530%. 金融市場の混乱予想(ギリシャ情勢混沌)から投資家が国債持ち高積み上げを避ける行動に。買い手不在⇒ ファンドは先物売り。新発10年物で0.530%(2015年7月2日)。償還が多く再投資需要が大きい6月の終焉。0.5%で投資家の押し目買い。日銀による買い切りオペによる引きしめ効果+安全資産としての日本国債需要など金利引き下げ要因。欧米の金利上昇の波及.

マイナス金利について
国債購入需要が強く国債価格が上昇(償還価格から上昇分はマイナス金利 償還まで保有していれば金利を払って購入する結果になる)。
額面償還されるので償還時まで保有すれば損失が見込まれる状態でその損失が利息収入でもカバーできない状態をいう。

背景:原油安による物価低迷下落(米国、日本、欧州とも 欧州はマイナス化) 各国とも2014年、長期金利は低下傾向。日本は2015年1月に0.3%割れ。ドイツが0.4%台、米国が2%割れ(2015年1月)。

発生する理由中央銀行のオペレーション:国債の買い入れ目標を守ろうと購入しようとする。民間金融機関:マイナス金利でも担保資産として保有しようとする。また将来への悲観などが考えられる。 日銀は2014年10月31日に追加緩和 (背景:原油安で足元の物価上昇率がにぶりデフレ心理転換遅れるリスク 行き過ぎた円安という副作用も大きい)⇒1月20日の史上最低金利0.195%。そこから上昇に転じる。

一見不合理にみえるが実際の投資家は償還時(満期)まで保有するわけでは必ずしもない。今日購入して明日売るのであれば、マイナス金利が表面化するわけではない。損失の大きさはあくまで償還まで保有していた場合のこと。そのリスクをとる、これを投資行動としてみると投資による収益より日々の現金化のしやすさが優先されているといえる。金利がさらに下がるなら売買益を出して売ることもできる。そもそも国債には資金調達の担保としての役割もある。金融機関として一定量が常に必要。

短期の場合は発行側が金利を受け取るとみてよい。2015年1月20日に日本の5年物が一時マイナス金利となった(0.1%台は史上最低 : 背景 原油安から先進国の物価低迷 10年物が一時0.195%で0.2%割れ ドイツが0.3%台 米国は2015年初の2.2%程度が1.8%程度にさがったとのこと 史上最低. そこから金利は上昇へ2015年2月半ばの0.450% ここまで上がると買いが入る 2月末まで下落 そこから上昇)。1月29日日本の2年物国債が1ケ月半ぶりにプラス金利に浮上。FRBやBOEは量的緩和を終了したが、日銀は継続中、ECBが2015年1月に導入に踏み切った。国債の最大の買い手が中央銀行になることで、低金利化で取引が減少、市場は不安定化しているとの指摘がある。またリスク資産に資金が流れ資産バブルがあおられているとも。

 ドイツ2年物国債マイナス金利が定着。ECBは量的緩和政策実施(2015年3月9日から マイナス金利でも国債買い入れと市場は判断)。2年物は長期が上がっても利回りが上昇しない。日本2年物低下して再びゼロ金利に(1ケ月半ぶり)(同3月6日) 2年物は日本は0.010%.ドイツがマイナス2%台(同4月3日)

5年物は欧州各国で2015年に入るとマイナス化。日本は5年物で0.07%,10年物で0.31%(2015年4月23日)。

2012年7月 欧州銀行が民間銀行から預かる際の金利を0.25%から0%に引き下げたことで信用力の高い国債(ドイツ 北欧 オランダなど)に資金殺到してこれらの短期国債についてマイナス金利が一時続出した。
2011年末から2012年にかけてドイツや米国の短期国債について、マイナス金利が発生したが、2014年夏のマイナス金利はそれに続く現象であった。欧州銀行は2014年6月民間銀行が中銀に預ける際の金利をマイナスにした(マイナス0.1%)こと。 以上のようにマイナス金利現象は、元々は考えられない、あるいは特別な現象だったが、今ではよく見られる現象になってしまった。

マイナス金利の下限 紙幣の保管コストが下限になるとのこと。

長期の場合はマイナスまでは下がらないのでは。むしろ金利低下で入札が低調だったり、財政リスクの懸念が高まれば上昇(評価損)のおそれがある。日銀による買い入れで買い手が減ると流動性が低下(金利が乱高下しやすくなる)。

景気悪化など市場でリスクが意識される局面では安全資産としての国債が購入される。また金利低下期待があるときにも国債が買われる(金利低下の背景には原油安による物価押し下げがあったとみらっれる)。2014年10月末に追加緩和がある前後。11月末に0.42%. 金利低下期待から外人による国債購入が進んだが、2015年に入ると金利が上昇するとみて外人は一斉に国債から手を引いたとされる。2015年1月に過去最低の0.195%を記録。2015年2月には2ケ月ぶりに0.450%まで上昇した。背景には買い手が減る中、安全資産を好む海外保有もあるとされる。

低金利の背景 ①日本国債の安全性に対して なお疑念は顕在化していない+②日銀の異次元緩和政策 ③インフレ期待が高くない(フィッシャ式では名目金利=実質金利+物価上昇率) ④ 貯蓄が投資を上回っている 企業の内部留保

純投資としては安全性の高い国の国債で短期物がマイナス金利化しやすく、最近マイナスの金利がしばしば
観察される。国債には:市場で売却できる。資金取引の担保に使える。価格下落リスク小さい。などの利点がある。
換金性が高いことが評価されるのである。
2012年7月 欧州銀行が民間銀行から預かる際の金利を0.25%から0%に引き下げたことで
信用力の高い国債(ドイツ 北欧 オランダなど)に資金殺到してこれらの
短期国債についてマイナス金利が一時続出した。
2011年末から2012年にかけてドイツや米国の短期国債について、マイナス金利が発生したが
2014年夏のマイナス金利はそれに続く現象であった。欧州銀行は2014年6月民間銀行が中銀に預ける際の金利をマイナスにした(マイナス0.1%)こと。
これは主要国の中央銀行は初めて導入したマイナス金利政策であった(2014年6月5日)。具体的には年利0.01%の手数料を求めるというもの。狙いは民間銀行が準備預金をすることをさけて、融資増加に誘導すること。この準備預金の規模は1500億ユーロ(21兆円)。ユーロ高抑制(ユーロ安誘導 )の狙いも指摘されている。しかし資金需要が弱いので企業向け融資に資金がまわるかには疑問もある。利回りの高い債券に資金が集まる予想もある。
余剰資金を預けると0.1%の手数料発生 このヨーロッパの資金が日本の短期国債市場にも流入


日銀の国債買い入れが1回あたり3兆円で過去最大に(新発国債では5年以上では9割以上を買い上げ そのため国債の流動性が低下) 以上述べたのは国債に投資が集中したことで起こるケース。
2014年7月 日本でも国債金利マイナス化が生じる
投資家の人気が過熱して入札確保分では注文を確保できないとき
短期国債利回りがゼロ(2014年7月4日)からマイナス金利が生じた 7月10日には業者間市場でマイナス0.02%
証券会社が玉確保のために動いた。2014年7月10日こちらは注文手当の為と思われる。日銀が2014年10月末の追加緩和で、長期国債の買い入れを増やす一方短期国債買い入れを増やすとしたのも、短期国債ノマイナス金利解消が絡んでいる。

2014年9月9日 日銀が短期国債をマイナス金利で買い入れ。日銀は4月に量的質的緩和をうちだし年60-70超円規模で

2014年9月12日 日銀が短期国債をマイナス金利(購入額>償還額)で買い入れ 長期国債利回りは上昇

2014年9月16日 短期国債(新発3ケ月もの) 業者間でマイナス金利で取引される(5日に2ケ月ぶり その後7営業日連続でマイナス金利で取引)

2014年9月17日 1年物国債 マイナス金利で取引される

2014年9月19日 日銀による国債買い入れ(短期国債の一部でマイナス金利) マイナス金利での買入れは(9日 12日に続くもの)

2014年10月17日 日銀の短期国債買い入れ(異次元緩和の柱)で札割れ(異次元緩和後初めて) 3兆円の購入枠に対して2.6兆円

2014年10月23日 財務省が行った短期国債入札で金利が初めてマイナスになる

すでに2013年末に202兆円 2012年比57%増加 保険会社の197兆円を抜く
2013年末で143兆円 全体827兆円(短期国債除く)の2割とも
2014年末に270兆円がマネタリーベースについての日銀の目標 毎月7兆円ベースで国債を大量購入(新規発行の7割)
2014年6月に国債発行残高の2割が日銀保有に。銀行は国債保有を減らしているが当座預金には年0.1%付利で500億円の利益供与がある
都銀は資産に占める国債比率を2012年には25%ちかくまで上昇させていた。金利2%の上昇で7兆円の含み損とされたが
都市銀行は国債保有29兆をへらし当座預金49兆をふやした ⇒ 金利リスクは軽減
2014年9月12日再びマイナス金利 12日の短期国債入札で
国地方を合わせた長期債務残高は2014年度末で1010兆円対GDP比率で200%超えマネタリーベース拡大拡大を目標に。国債不足に対応して国債補完供給オペ活発 保有国債を一時貸し出すもの
日銀のBSはGDPの5割強まで膨張 2014年末には7割に接近 米国は2.5割ほど。日銀保有国債の長期化も注目される
当面 低金利で国債コストは低下 しかし今後金利が上がると 財政負担コストが上場可能性がある
2013年度の国債売買高は2004年度以降過去最低の150兆円  前年度比18%減
異次元緩和を2年で終えれば長期大型景気は期待できる? 2%ノインフレと長期金利3%と世界
長期金利を決めるのは理論的には経済成長率 物価上昇率 財政悪化への警戒分の3要素 
日本の金利低下背景はに人口低下問題があるのでは
経済の体温計の機能不全 あるいは潜在成長力への懸念の反映 金利下がり 設備投資回復しない 賃金 物価上昇にぶい
低インフれ 低成長  ユーロ圏に波及へ 金利引き上げを狙うアメリカにも長期停滞説
超長期債の発行増加 先進国各国で 低金利を利用 低金利が超長期債ニーズを拡大 買いが殺到すると利回り低下
長期金利0.5%われ(8月15日に一時0.495% 8月18日終値も 年初の0.7%台から急落 0.5%前後は歴史的低金利)
ドイツ2%割れ 米国は2.3%台 成長率は米国1.7% 日本は1.6% (N15-0816)
超長期債 入札増加で利回り低下 これまで日銀の買い入れ比率低い 8月13日1.660%
投資家としては11.7%より低いと買いにくい
金利の低下 高利回り投資へ 低格付け国債 サブプライムなど
出口は 緩和中止で金利引き上げで金利が急騰する懸念 1%半ばに急騰の可能性
銀行は国債保有リスクは減ってるが2018年からリスク資産ではなく総資産に対して自己資本比率をもとめるレバレッジ比率規制導入への対応は必要
マイナス金利の背景 短期国債の不足 日銀による大規模な国債買い入れ+民間銀行の取引担保ニーズ
ECBのマイナス金利政策 民間銀行向け当座預金金利をマイナス0.1%とした(2014年6月5日 実施は11日)
マイナス金利政策は主要国地域で初めて
政策金利を過去最低の年0.15% o.1%サゲ
合わせて総額4000億ユーロを低利で長期供給 南欧の銀行に事実上の補助金
銀行に貸出を促したが銀行は欧州の短期国債市場へ投資 その結果
6月6日に ドイツの1ケ月物国債利回りがマイナス金利に
6月13日に  ベルギーの1ケ月物が一時マイナス金利
6月23日に  オランダの1ケ月物が一時マイナス金利
ECBの政策の背景 消費者物価上昇率CPI1%割れでデフレ懸念高まる 2012年夏ころまで2.5%前後その後低下 0.5%ほどに
5月まで8ケ月連続1%以下CPI失業率は11.5%となお高い 欧州ではマイナス金利が常態化

 8月14日 ドイツの長期金利1%割れ 日本では2012年春ごろから

(1%割れ 1998年9月から 0.5%割れは一部邦銀経営に不安説があった2002-2003にも 日銀量的質的緩和政策を導入したのは2013年4月 そして今回2014年8月の3回) 

超低金利 ゾンビ企業が淘汰されない 古い産業の生産性改善さないなどの批判がある 2013年4月5日に過去最低の0.315%

日本病に悩むユーロ 日本病:成長の沈滞 デフレ的物価状況
              バランスシート調整 邦銀資金の還流 円高 
輸入物価の下落 国内の賃下げ リストラ デフレへ
          ユーロ:南欧で賃下げ圧力続く 物価押し下げ圧力 高失業率
              銀行は資産圧縮 米国日本など海外運用資産の回収 ユーロ高圧力

実物経済と投資機会を作るべきとの批判がある。
   日本では証券会社が必要額を確保するため3ケ月物や6ケ月もので
   ゼロやマイナス金利でも買うと(2014年7月)。額面価格>取引価格
   物価が上がらず資産価格が上がる 昨年の株価上昇は5割 …異常でないのか    
 
逆イールドカーブの説明
なおマイナス金利と同様に異常な状態とされるのが長短金利の逆転
これは右上がりのイールドカーブの逆転(リバース)ともいえる。
たとえば
信認の低い国の国債では 短期物金利>長期物金利 ことが生じる。
リバースイールドカーブがなぜ生じるかという問題でもある。
これは短期国債の売却で現金を確保する動きを表している。あるいは
近い将来の償還の不安を反映して(結果としての短期物売却が重なって)
いることを反映している。

国債金利の低下要因・上昇要因
 つぎに国債金利の低下要因・上昇要因を考える。一般に国債金利
とくにその長期金利は、その国の経済成長率を反映していると
考えられる。他方、短期金利は、その国の金融政策を反映していると
考えられる。それらの論点を前提にした上で以下のような議論がある。

リスク回避姿勢 国債投資への傾斜が強まると ⇒ 国債金利低下
同様に景気減速懸念拡大 米独の金利の低下も
他方で長期物へ  高い利回りを求めてが強まると 長期物金利低下 イールドカーブ・フラット化
以上とは逆に
国債から株式へ 過度な不安心理の緩和 があると ⇒ 国債金利上昇
ただし国債金利上昇すると ⇒ 含み損問題(480兆円とされる金融機関保有国債の含み損問題)が出てくる
金利上昇の懸念が高まると
日本銀行に対して国債買入圧力を拡大し、長期金利の低位安定を進めることを
求める声は続くことになろう。

国債の信認と消費増税、そして国債金利との関係
 ここで国債の信認というのは財政当局が、国債、すなわち国の債務の償還に向けた姿勢を保持していることが
国債の信認には重要だとするものである。それが欠けることになれば、国債金利の急騰(相場の暴落)が起きる
といった議論がある。

証券市場論 前期 証券市場論 後期 現代の証券市場 証券市場論教材
財務管理論 前期 財務管理論 後期 金融システム論 財務管理論教材  
original Aug.29, 2012
revised July 3, 2015

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