Entrance for Studies in Finance

人口の高齢化:ボーナス効果とボーモル効果

人口高齢化とボーナス効果、オーナス効果そしてボーモル効果
生産年齢人口(15歳から64歳)のピーク:多くの国で不動産バブルのピーク・終焉とほぼ重なる。
生産年令人口の増加が経済成長にとって重要なのではと指摘されている。

日本 1991-1993年
欧州 2005年ころ(スペイン ポルトガル)
米国 2005ー2008年
中国 2014年ころ
韓国やタイ 2015年ころ

年少人口(0-14歳)と高齢人口(65歳以上)
1997年両者が並ぶ(均衡)
2014年に後者が2倍
2050年に後者が4倍

The Spending Wave baby boomの世代が消費のブームを作ることを予測した。その世代が
高齢者の新しい消費の波となることが想定されている。

勤労世代が多い 自動車 家電の需要を押し上げる spending wave(米エコノミスト ハリー・デントなど)
    働き手の増加
    ボーナス効果
    地価に上昇圧力

もともとは 平均余命の増加が経済成長にプラスに働く時期がある。
人口ボーナス効果 人口配当効果が働く時期があった。多産多死社会から少産少死社会への移行期に
bonus effect or dividend effect
生産年令人口が急増する現象 → 生産 経済成長 の加速
 ○ 労働力供給の増加(都市への人口の移動などを含める)
 ○ 出生率は低下するが死亡率も低下する
○ 平均余命の増加
 ○ 生産年令人口 の増加
 ○ 消費 貯蓄 の 増加

しかし少産少死社会が進展すると 平均余命の増加が高齢人口の増加に
直結して、高齢化が社会の負担になる時期が必ずやってくる。すなわち
生産年令人口が減少して高齢化が負担になる時期が必ずやってくる。
onus effect → 生産や経済成長に負担になる
 ○ 生産年令人口 の減少
 ○ 高齢化 労働力供給の減少
 ○ 高齢人口の増加
 ○ 医療費 年金負担の増加

地価に下落圧力
    働き手の減少
    オーナス(重荷)効果 働き盛りの人口の減少が成長を押し下げる


    オーナスの対策としては 高齢者の生産性上昇が必要である。
       社会と高齢者自身が共同で自身の働く時間(退職)をできるだけ
       先延ばしする。生産者であり続けることが重要だ。
       他方では
       労働力の外部からの確保 根本的には子育て支援などによる
       出生率の改善が指摘される

ボーモル効果
    高齢化により生産性が落ちる背景にボーモル効果を指摘する声がある。
    高齢化によりサービス業が増えることがいけないらしい。
    製造業からサービス業へのシフト 生産性の低下もたらす=ボーモル効果Baumol Effect
労働生産性の向上を伴わない賃金の上昇:Baumol cost disease

    労働集約的産業では生産性の上昇が長期的にもほとんど起きないこと。そこから
    生産性上昇率が高い産業比率の上昇 → マクロでみた生産性の上昇
    生産性上昇率の低い参照比率の上昇 → マクロでみた生産性の低下 をボーモル効果という。
    GDP工業比率低下 日本は70年代初頭45% 2008年に28%下がってしまった。 
2008年に中国は43% 韓国は37% 韓国のピークは1990年代初頭40%強 でそれほど大きく下がっていない

    高齢化 モノの消費 → 介護、旅行などサービス消費へシフト

他方で高齢化による消費構造の変化を、新しいビジネスチャンスに生かすべきだという考え方もある。
たとえば以下のリストには新たなビジネスの方向性が見えるのではないか。

    海外旅行 2011年 60歳以上が19.1%
    カラオケ 65歳以上 2011年現在14%さらに増加へ
    フィットネスクラブ 2012年3月期現在3分の1程度が60歳以上 さらに増加へ 
    コンビニ ネット通販 海外旅行
    フィットネスクラブ
    高齢者用品 医薬品はもちろん 遠近両用メガネ 栄養補助食品 などの需要増加
    介護ビジネス 介護用品、たとえば大人用オムツ(2012年3月期 乳幼児用を上回る8000億円市場 前期比10%増) 
           高齢者向け流動食

Area Studies ビジネスモデル論 Business Models Business Strategies

   

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