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平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

金持ち優遇根幹は利子配当分離課税にあり

2017-12-07 18:10:44 | 植草一秀氏の『知られざる真実』



金持ち優遇根幹は利子配当分離課税にあり

uekusak.cocolog-nifty.com

12月になると次年度予算案が策定され、税制改正の基本方針が定められる。

いずれも、通常国会に提出されて審議に付されるが、国会は単なるセレモニーと化している。

衆参両院で3分の2議席を占有する与党は、国会審議の日程だけをこなし、採決によって政府案を通す。

国会審議を通じて、修正が加えられて原案が、より良いものに修正されることは基本的にない。

国会審議は、野党が与党の不祥事を追及する場にしかなっていない。

これまでは国会における審議において、野党の質問時間が長く設定されてきたが、安倍政権は、これに異を唱え、野党の質問時間を短縮化している。

与党議員が質問に立っても、事前に整えられた質問と、それに対する政府答弁を朗読するだけで、一種の学芸会に成り下がるだけだ。

森友、加計学園問題では、安倍首相の政治私物化の実態が浮き彫りになった。

国有財産が不正に低い価格で払い下げられた事実が明らかになったにもかかわらず、安倍首相は責任を明らかにせず、責任ある当事者の証人喚問さえ実施されない。

警察・検察当局は、肝心要の問題に対する捜査を行わず、政治腐敗を告発した者を不当に逮捕、勾留して、言論封殺まで行っている。

日本は安倍政権の下で、最低最悪の国家に転落してしまっていると言わざるを得ない。

まさに、暗澹たる状況が広がっているが、それでも私たちは希望を捨てるわけにはいかない。

絶望の山に分け入り、希望の石を切り出さなければならないのである。

税制改定では、年収が800万円を超える給与所得者に対する増税が検討されている。

格差拡大への対応策を示すというのだろう。

年収800万円以下の給与所得者に対しては減税になるとしているが、トータルでは1000億円の増税提案なのだ。

格差拡大に対する施策としては、あまりにも姑息なものである。

消費税が導入された1989年度から2016年度までに、日本の税収はどのような推移をたどってきたのか。

1989年度の税収は54.9兆円だった。

2016年度の税収55.5兆円と、ほぼ同額である。

1989年度と2016年度で変化したのは税目による税収構成比だけなのだ。

1989年度
所得税 21.4兆円
法人税 19.0兆円
消費税  3.3兆円

2016年度
所得税 17.6兆円
法人税 10.3兆円
消費税 17.2兆円

つまり、この27年間に生じたことは、

所得税が  4兆円減り、
法人税が  9兆円減り、
消費税が 14兆円増えた

消費税が年額で14兆円も増税になったという事実はあまりにも重い。

消費税は所得がゼロの者にもかかる税金である。

小学生がわずかなお小遣いから買い物をする際にも消費税が課せられる。

他方、年収が10億円、100億円ある富裕層に対しても、所得ゼロの者と同額の税率が適用される。

富裕層は、その一方で所得税減税の恩恵に預かってきた。

法人税はこの27年間に、年額で9兆円もの減税となっている。

財政再建や社会保障拡充のために消費税増税が実施されてきたのではない。

法人税減税と所得税減税のためだけに、消費税が大増税されてきた。

所得税の最大の問題は、富裕層にとてつもない軽減税率が適用されていることにある。

所得税は、本来、所得の多い者は高い税率で、所得の低い者には低い税率で負担を求めるものである。

夫婦子二人で片働きの給与所得者の場合、年収285万円までは無税である。

しかし、所得が増えるに連れて税率が上がり、所得が極めて多い者に対する税率は国税で45%、地方税を合わせて55%になる。

しかし、現行制度には抜け穴があり、所得が極めて多い個人の税率は、所得が増えるほど低下しているのである。

利子配当、株式譲渡益に対する課税が優遇されていて、富裕層に対する、とてつもない軽減税率が適用されているのである。

「これを是正せずに、何が格差是正なのか」

ということを、すべての国民が認識する必要があるのだ。








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