このすごい民家は よたっこカフェ 。
ここでバンドネオンのコンサートがあるというので行ってきた。 → ★
がらりと戸を開けるとこんな土間。
左に写っているのが店主のつねちゃん。
左を向くとこんな畳の間。
土間にひとつ椅子を置いて、そこで小川氏がバンドネオンを独奏してくれた。
客は上がり框とか畳の上とか適当なところで聴いた。
もうちょっとお客さんが入ればよかったのになぁ。
なんともムードのある音楽だった。 小川紀美代オフィシャルHP
憂いがあって、リズムやダイナミクスの緩急が大きくて、引き込まれる。
演奏も体を使って蛇腹を大きく動かし、見る方でも引き込まれる。
バンドネオンならこういう曲だろうな、というものばかりでなく、
小川氏オリジナルや『見上げてごらん夜の星を』の現代的なアレンジも演奏した。
入念にアレンジされていた。
演奏の合間に入れる話も興味深かった。
楽器の話とかアルゼンチンの話とかミュージシャンの地味な生活の話とか、
よたっことの関わりとか。 (つねちゃんの奥さんのバンドネオンの先生なんだそうだ。)
バンドネオンはアコーディオンとは違う。 見ていて思った。
それはコードを鳴らさないからなのか?
いや、以前 御喜美江アコーディオン・リサイタル に行ったことがあるが、
あれも分かりやすいコードなんてほとんどなかった。
でも歴然とバンドネオンとアコーディオンは違うなぁ。 なんでかなぁ?
ちょっと調べてみたら、バンドネオンの左手のキー配列はあんまりだった。
アコーディオンの左手のⅡⅤ(ツーファイブ)の方がよっぽどましだ。
実物を見てみたが、左手のボタンと右手のボタンの大きさは同じに見えた。
アコーディオンの左手のボタンは明らかに小さいから、そこらへんも差があるなぁ。
バンドネオンは両手ともストラップに手を通して
蛇腹を弾いたり押したりしつつボタンを押すので、
右手の親指もボタン操作に使えない。
また、空気抜きの大きいレバーがあって、
フレーズの合間にすごい勢いで抜くことがしばしばあった。
アコーディオンも空気抜きのボタンは左手の上の方にあるけれど、
あんな風にフレーズの合間に抜いてしまえるほど早くは抜けない、と思う。
楽器って面白いなぁ。
このコンサート以外にもチェロ(ピアノ伴奏つき)を聴く機会があってしみじみ思ったのだが、
テンポが自在な音楽はわたしはちょっと苦手だ。
テンポが一定だ、ということはつまり、知らない曲でも聴く者は次を予測できる、ということだ。
テンポが一定でなく且つ知らない曲だと、ホントに不案内で聴かなくてはいけない。
そういうものなんだろうけれど、わたしはリズムに乗りたい。
どんどんドライブさせてほしい。
正確なテンポから出てくるリズムのグルーブというものを知ってからというもの、
もうテンポが自在な側には戻れなくなってしまった。
例えば、付点四分、付点四分、四分 のラテンのリズムあたり、よれると台無しなんだよなぁ。
好みの問題なんですけどね。
とはいえ、バンドネオンの生演奏をがぶり寄りで観ることができて、とても面白かった。
自分ならどういう音楽をするのか、考える材料が増えてよかった。
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