関西学院大学博物館で『アンデスの布 -糸があやなすチャンカイ・レース-』展を観た。その1 よりつづく
この記事は羅(ら)のレースについてアップする。羅に刺繍を施したものは その3 にアップする。
小菱文様羅
紗(しゃ)や絽(ろ)は織ったことがあってまあまあ理解できるし、紗の格子がベースになったものに対して 羅がメインの技法のものは菱型が柄の基本になっている、というところまでは分かるのだが、羅はそれ以上はムリ!
羅については 京都・西陣の織工房 羅織り(らおり)職人 和泉 明のサイト がよくまとまっていて素敵な作品も多いHPなのでリンクする。
高機(たかはた)に半綜絖(はんぞうこう)を加えた機で織った中国や日本の羅だと、もっともシンプルな網綟(あみもじり)とそれより穴の大きな籠綟(かごもじり)で柄を構成するのだが、半綜絖のような仕掛けを加えず指で経糸(たていと)を操作したであろうチャンカイのものはもっと自由に技法がミックスされている。
半綜絖というのは綜絖の上半分もしくは下半分しかない糸綜絖で、隣の糸の下もしくは上をくぐらしてあるものだ。経糸が綟られていない状態だと半綜絖が経糸に絡まっているので、なんというか機の上がごちゃついた感じになる。
一枚の布に何種も綟りの柄を配置しようとすると半綜絖がいくつも必要になり、機のごちゃごちゃがすごいことになるだろう。開口も悪くなるだろう。逆に半綜絖に頼らなければ経糸のごちゃつきは解消される。が、その分織り手の手間や技量が必要になる。
図録より
格子文様羅
茶綿?
山形文様羅
山形文様羅
菱に猿鳥獣文様羅 真ん中の菱形に入っているのが獣、その斜め上の菱形に入っているのが猿と鳥だそうだ。
平織りに紗や絽を組み合わせるのはそんなに難しくないと思うのだが、これは平織りに羅を組み合わせている。
関西学院大学博物館で『アンデスの布 -糸があやなすチャンカイ・レース-』展を観た。その3 へつづく
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