島根県立古代出雲歴史博物館の中に、市場がありましたよ!
といっても風土記の時代の市場の再現。
出雲の国風土記は733年完成だそうなので、奈良時代、ですよね。
この風土記は、地方の文化風土や地勢等を国ごとに記録編纂して、天皇に献上させた報告書なのだそうです。
神話・伝説も書かれていますが、その土地の産物も記録されていたようです。
それに基づいた市場の想像図が模型で再現されていました。
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これは薬草屋さんかな。 干した朝鮮人参みたいなのがありますが、これは、輸入品かも?(日本では育たないですよね?)
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魚屋さん。 広大な宍道湖があるので、魚介は充実していただろうなあ、と思います。波もなく、無限に沸くように魚や貝がとれただろうなあ。 湖畔の人は誰でもさぞかし豊かな食生活だっただろう、と思いますが、プライベートビーチ(?)とか入漁権が当時からあって、貧乏人はやっぱり苦しかったのだろうか・・・。
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手前の大きなザルはアワビ。干しアワビのように見えます。その左は生のナマコ。 このほか、エビ、コウイカ、シジミ、塩、サザエ、牡蠣、クロダイ、ハマグリ、カメノテ、ボラ、フグ、マグロ、ワニザメ、スズキ、鴨、マダコ。 すごい美味しそう。 海洋汚染もなく、今より美味しい魚貝だったのでは、と母が言っていました。 タイムマシンがあったら、美味しい魚介を買いに行きたい!(あ、この頃ってもう貨幣経済?)
あと、台湾の市場を見た経験から、これら全部が1件の店に並ぶことはないんじゃないかと思います。 湖のもの、海のもの(磯・沖)、あと乾物類は別の人が売っていたのではないかな。
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八百屋さん。 すごく寂しいです。ヤマブキ、カブ、セリ、ジュンサイ、タケノコ、くらいです。 (ジュンサイは多分シジミとかと一緒に売られていたのでは)
本当は、もっと色々並んでたのだろうと思います。 少なくとも一人の人が運べる限界までは、商品を並べたのではないかな。
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風土記を書いた人、野菜には興味なかったのかなあ。珍しい野菜だけ書いたのかな。調査した時期が早春で、品揃えが悪かったのかも。
当時は果物はあまりなかったのかな? (何かしらあったと思うけど) あとキノコも、季節にはとってきて売る人がいただろうなと思います。
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宍道湖の、当時の漁法。(見学していたおじいさんが、ちょっと前までこうやって漁をしていた、と言っていました) 巨大な竹箒みたいなのを湖に立てておいて、それを魚礁にするのだそうです。
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で、それをさっと引き上げると、竹箒に沢山の魚が挟まれて、つかまえることが出来るのだとか。
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漁具もいろいろ展示してありました。 植物系の採集は好きですが、狩猟・漁労はほとんど経験なし。なので見ても、ふーん、という印象しか持てず、でした。
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この小屋は、玉作りの工房の再現。 遺跡では、碧玉や瑪瑙などのクズが100kg以上出土したそうです。 もしこの時代に生まれたら、玉造工房に弟子入りしたいかも(子供の頃、石が大好きでした)。
この頃は、漁師の子は漁師、職人の子は職人、と将来が決まっていたのだろうか。 ある程度適性によって選べたのだろうか・・・。
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奈良時代、庶民の暮らしはどんなだったのでしょう。
忙しかったのか、意外とのんびりしていたのか・・。
便利な機械はないし、店で買えるものも限られているし、ヒマな訳はないよなあ、とは思います。
でも母によると、「子供が学校に行かないならば、結構な労働力になるわよね」と。
ふむ。なるほど。確かに。
子守もするだろうし、おかずになる魚をとってきたり、薪を拾ってきたり、色々役に立ってくれそうですね。
(母が子供の頃くらいまでは、子ども達が結構仕事してたかも)
豊かな宍道湖周辺では、少なくとも、食べるだけでカツカツ、ではなさそうです。
だから権力者が生まれて、特に役にも立たない古墳や、巨大建造物を造る余裕があったのだろうなあ、と。
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