哲学の道から逸れて、坂道を登りつめると銀閣寺こと慈照寺がある。
鹿苑寺とともに足利家ゆかりの相国寺派の寺院である。建立は足利義政。
銀閣と呼ばれる観音殿は、しばらくの間修復工事をしており、修学旅行時には真っ只中だった。
ゆえに銀閣をお目にかかるのはこれが初めてなのだ。
拝観料を支払い、生け垣を進んでいくと横にぬっと銀閣が現れて驚く。
教科書や資料集で幾度となく眺めているためか、「みたことあるわ、これ。」という感想。
想像通りの色をして想像通りの大きさをしている。
それは、決して残念だと言うのではなくて、期待通りの現実感、落ち着く空間を今に残している。
また、 信仰の寺院とは少し違うから、寺にいるという感覚は少ない。
義政の別荘にお邪魔する感じがいい。
腰を掛けて季節や天気の移ろいとともにじっと見ていたい。
建築として気になるのは、東求堂。
四畳半発祥の地とも言われる同仁斎は義政の芸術活動の根源であり興味深い。
高額な拝観料を支払わないと見ることはできない伝説の四畳半である。