鹿苑寺といえば金閣。
古都の代名詞である。
いつでも多くの修学旅行生や異国の団体旅行客で溢れかえっている。
総門を過ぎてまっすぐ進むと大きな池が現れて、その先に金閣が現れた。
「今日は風がないから水面に綺麗に映っとるやろ。」
タクシー運転手兼観光案内人の人が修学旅行生に話している。
本当だ。水面にもう一つの金閣が浮かんでいる。
北山文化の代表としても挙げられる金閣は室町幕府三代将軍、足利義満によって建てられた。
お堂に金箔を張ってみたり、各階の建築様式を変えてみたり、義満はそうとうアヴァンギャルドである。
この奇抜建築は奇跡的に応仁の乱で焼失を免れて二十世紀までその姿を伝えていたが一九五〇年に放火により焼失。
残念でならないが、現在の金閣は再建された二代目。
光輝く金閣はあまりにも「おくゆき」がないので、遊園地にあるハリボテのようだ。
そんな目で見たら復元建築がみんなハリボテに見えてきてしまいそうで、考えるのをやめた。