東京で自然に還りたくなったら、葛西臨海公園にいこう。
都市部で風を感じたいとか、広い空に抱かれたいとか、そんなの無理な話かと勝手に思っていましたが、ここには空があって、風があって、そして海があります。
JR東京駅から京葉線で約15分。
夢の国の入り口となる舞浜駅のひとつ手前の葛西臨海公園駅が最寄駅です。
平日は各停以外は停車しないので注意が必要。
この公園は都立公園の中でも大規模なもので、園内には唯一の都立水族館となる葛西臨海水族園をはじめ、大観覧車やホテルシーサイド江戸川などの施設も点在します。
なかでも自然を感じることができるのは、東京湾に浮かぶ西なぎさ。
園内の南端に位置し、橋を使って上陸することができます。
西なぎさには、これといって何があるわけではありません。
何もないところがまた素晴らしいのです。
冬場は風が砂を巻く寥寥とした砂浜、遠くには工業地帯の煙突が浮かぶ、場末的な光景。
一方で春になれば草木が芽吹き、彩り鮮やかに。園内の観覧車が絵になります。
時折、強く吹く海風と変わりゆく雲のかたちなどを眺めていると時間を忘れてしまいそう。
私はまだ訪れたことはありませんが、夕日もまたよいそうです。
なぎさの芸術的な砂浜。
ゆるくなめらかな曲線を描いて海水が迫ります。
遠くに見えるのは臨海副都心などのウォーターフロントでしょう。
冬場は特に色のない世界。
海風が強く、軽い砂をさらっていきます。
右方向に見える陸地は若洲公園。
その先に見える変なかたちの橋は東京ゲートブリッジです。
旧江戸川を挟んだ対岸には、リゾートホテルが林立しています。
風もそちらの方向に吹いていくような気がしました。
初夏には草木が茂り、Windowsの初期画面のような美しい光景が広がります。
周囲に高いものがないばかりか、遠景の建造物も主張してこないため、自然と目は空へと移るような気がします。
ここが東京とは。
見えている世界はほぼ千葉県ですが…
なぎさに繁茂している草木のほとんどは雑草なのだけれど、なんだか綺麗に思えて撮ってしまいます。
芝生も美しいので、寝転がりたい気分ですが、もちろん虫くんもおられます。
陸地に目を向けると、見えるのは公園内の大観覧車。
おとぎの国のような雰囲気がして、つい撮影したのですが、余計なものがないと風景はここまで非現実的になるんですね。
余計なものといいましたが、電柱や高圧鉄塔、ビルなどが嫌いなわけではないのです。
生活には必要不可欠なそれらが無い景色にリアリティがなく、不思議な感じです。
大観覧車があることで葛西臨海公園の景観が印象的になっていることは間違いありません。
観覧車も単体で真横から眺めてみると、なかかな滑稽な姿をしています。