Fuji Trip!

水豚先輩の週末旅日記

新春18きっぷの旅 中部編 その1

2016-01-18 19:50:33 | とりっぷ!



列車での一人旅をご無沙汰していた。
別に飽きたわけでもなく、なんとなくそういう気分にならなかったのである。

しかし、どういうわけか年末になって、ただ適当に電車に乗りたくなった。
1日中電車に揺られて、車窓を眺めたり、本を読んだり、試案に耽ったりしたいような気がした。

「軌道の上を漂流する」そんなフレーズを思いついた。
どこへ行くでもなく、ただただ電車に乗る。
目的はのんびりすること。

首都圏に住んでいれば、1日で周回できるコースは幾通りも挙げることができる。
それでも少しくらいは遠くへ行きたい。
そう思い考えついたのは、往路と復路を別のルートを選択できる中京圏への旅。

往路は山間部を通る中央本線ルート、復路は沿岸部を走行する東海道本線ルート。
このルートなら一応幹線であるから、一部を除いて列車の本数もある。
未完乗の区間もあるのが魅力的。



年明けの休日。
1日がかりの漂流に出かけることにした。





出発はJR横浜線の古淵駅。
久々に訪れると、乗車証明書を発行するオレンジ色の発券機が置いてあり、駅員さんは不在であった。
どうやらいつの間に早朝は無人駅になってしまったらしい。

高校時代に18きっぷで出かける際に駅員さんがかけてくれた「いってらっしゃい」という一言が忘れられない。

下り、八王子方面の始発列車発着時刻は4:59。
真冬の4時台の闇は深く、そして寒い。

ホームに降りると、すでに5、6人が列車を待っていた。
こんなに早い時間からどこへ行くのであろうか。








4:59 古淵駅発 横浜線【普通】八王子行き

ひと車両に3,4人の乗客を乗せた横浜線は各駅に停車して八王子駅へ進む。
東西を結ぶ東海道線や中央線と比べるとちょっぴり影の薄い横浜線や南武線もいつの間にか新型車両になって電車も駅も明るくなった。

寝ぼけまなこでうとうとしているうちに八王子駅へと滑り込む。
まだ5時台の八王子駅は穏やかで、人はそれほど見当たらない。

しんとした空気に「夕焼け小焼け」の発車メロディが響いている。


古淵駅で18きっぷに押してもらえなかったので、乗り換え時間を利用して改札で印を押してもらう。
1月10日、この日は冬季の18きっぷ利用期間の最終日。
もちろん、印が押されるのは5回目の欄である。



5:35 八王子駅発 中央本線【快速】大月行き

やってきたのは関東ではお馴染み、オレンジ帯のE233系。
気づけば中央線、横浜線、南武線と、よく利用する路線は皆同じ顔になった。


ここからは中央本線に乗車して、ひたすらに西を目指す。
立川始発の大月行きの列車は2つ先の高尾駅までは一応快速扱いである。

高尾駅を過ぎればいよいよ山間部に入るが、液晶ディスプレイの付いた新型車両に乗っていると、実感がない。
車窓に目を移してもまだ真っ暗である。

高尾駅から先では、ドアが自動で開かないようなので、終始ぬくぬく暖かい。



6:19 大月駅到着

気が付けばすぐに大月駅に着いた。
接続は良いようで、跨線橋を隔てたホームにはもう次の列車が停まっている。








6:23 大月駅発 中央本線【普通】甲府行き

さすがに登山シーズンでもないため、乗客もまばら。

車両もセミクロスシートなので、進行方向左側に腰を下ろして車窓を眺める。
少しずつではあるが、空が薄明るくなってきた。

甲斐大和駅から長い下り坂の隧道を滑走すると甲府盆地へと飛び出した。







春に来た勝沼ぶどう郷駅前の桜並木はとうに散っていて、夏に来た時に見たもくもくとした雲も今はない。
ここからの景色は、いつ訪れても異なった色を見せてくれるから好き。

いよいよ明けてくる空と、増えてくる乗客。
盆地に降りれば、終点甲府も近い。


7:12 甲府駅到着







乗り換え時間にコンビニエンスストアで少量の食料を買い込み、次の列車に乗り込む。
車両は先ほど同じ形式ではあるものの、座席はロングシートだ。
いちばん隅の席がまだ空いていたので腰を下ろす。



7:25 甲府駅発 中央本線【普通】松本行き

甲府駅からの列車は国境を越えて長野県松本駅までを結ぶ。
乗車時間は2時間弱。

その先の列車の接続時間が長いため、途中の下諏訪駅で途中下車して公衆浴場にでも浸かる予定を立てていた。

が、ロングシートで乗客もほどほどに座っているため車窓も眺めにくく、退屈して夢の中へ旅立ってしまった。
気が付いたころには時すでに遅く、私を乗せた列車は下諏訪駅のひとつ先の岡谷駅に停車中であった。

温泉は断念して、松本駅まで完乗することにする。

9:18 松本駅着



その2へ つづく



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