大学ランキングでみると、医学部や理工系学部を持つ国立大、医系の公立大や私立大が上位に並ぶ。国際性だと、特徴ある教育をうたう私立大が高い評価だ。18歳人口が一段と減る「2018年問題」大学全入時代になり大学生の学力低下が叫ばれる中、海外ではどんな大学が生き残れるのかをタイムズ・日本版ランキングは示しています。「大卒の方が就職に有利だろう」「とりあえず進学」という考えで下位大学に進学しても、充実したキャンパスライフは送れなくなる。下位大学に入学すること自体は高校さえ出れば誰でも入れるからこそ、何をどう学びたいか、また、卒業後にどう働きたいのか、しっかりと考えた上での選択でないと貴重な4年間の浪費。留学という選択も身近になるはずです。
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文部科英国の教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が、教育力に着目した大学ランキングの日本版を初めて作成した。18歳人口が一段と減る「2018年問題」が迫り、大学の生き残り競争は激しい。大学を評価する新指標として定着するか。
THEがこれまで出してきた世界大学ランキングは、研究力中心の評価だった。最新の「2016-17年版」は世界980大学がランク入りしたが、ベスト100入りは東京大39位と京都大91位のみ。私大を中心に大半の大学は順位と無縁で、初の日本版に関係者らが注目していた。
THEは国内435大学の協力を得て教育力を評価し、上位150を3月末に発表した。ベスト50の内訳は国立が33と大半を占め、私立は12、公立は5。ベスト10は早稲田大を除くと難関国立大がずらりと並んだ。「学校基本調査」で国内777大学の内訳をみると、国立86(11%)、私立600(77%)、公立91(12%)。比較すると、ランキング上位の国立大の多さがわかる。
23位の会津大(福島県)の菅野(かんの)健一企画連携課長は声を弾ませる。定員240人のコンピュータ理工学部のみの単科大学。教員の約4割が外国人で、英語での授業も多く、文科省の「スーパーグローバル大学」に採択された。単位や卒業の認定は厳しいが、就職率は100%近く、全国から学生が集まる。
同様に就職実績が高く、大学改革の成功例としても知られる私立の金沢工業大(石川県)。総合順位は68位だが、企業の人事担当者や研究者の評判に基づく「教育成果」でみると、19位。広報課は「自校のポジションがわかってよかった。高校の先生方にも、偏差値に代わる新たな見方になるのではないか」という。
THEは評価に際し、教員数や資金などリソース、留学生比率など国際性、高校教員からみた満足度、人事担当者や研究者からみた成果、の4分野に着目した。ランキングは四つを総合した指標だが、各分野の順位もわかる。
リソースの順位でみると、医学部や理工系学部を持つ国立大、医系の公立大や私立大が上位に並ぶ。国際性だと、特徴ある教育をうたう私立大が高い評価だ。
生徒を送り出す側の高校教員の満足度でみると、東大や京大を抜いて国際教養大(秋田市)がトップ。定員175人の国際教養学部のみの大学で、徹底した英語教育などで注目される。
学生を受け入れる側からみた成果の指標では、1位が東大で、2位が京大と大阪大。私立は慶應義塾大、早稲田大、東京理科大、立命館大などが上位だった。
THEは、国際的な大学評価の権威として知られる。昨年9月には、米国版ランキングをウォールストリート・ジャーナルと協力して作成。今回は2カ国目の国別版となり、ベネッセグループと協力した。
国別版を相次いでつくるのはなぜか。THEの運営会社のダンカン・ロス氏は「研究力は国境をこえて評価しやすいが、教育力は難しい」と話す。
世界ランキングの評価指標は、教育力(30%)▽研究力(30%)▽研究の影響力(30%)▽国際性(7.5%)▽産業界からの収入(2.5%)の比重でつくられる。研究実績が乏しい大学は評価されにくい。
「16-17年版」の世界ランキングでも、日本からのベスト100入りは東大と京大のみ。980までのランク入りは69大学だった。
<総合ランキング>※20位まで抜粋
◇=国立、○=私立、無印=公立
大学名/スコア
1.◇東京大/88.5
2.◇東北大/87.4
3.◇京都大/86.8
4.◇名古屋大/86.3
4.◇東京工業大/86.3
6.◇大阪大/86.1
7.◇九州大/85.1
8.◇北海道大/82.8
9.◇筑波大/81.7
10.○早稲田大/75.9
11.○慶應義塾大/75.4
12.◇広島大/75.2
13.◇神戸大/74.4
14.◇一橋大/72.4
15.○国際基督教大/71.8
16.◇千葉大/70.6
17.◇長岡技術科学大/69.8
18.○上智大/69.1
19.◇金沢大/68.6
20. 国際教養大/67.9