福沢諭吉先生の『天は自ら助くる者を助く』ではありませんが、❝老人大国❞の日本は定年後、のんびりと人生を楽しめないようです。元々、人生はそのようなものでは無いのかもしれません。❝学び続け、成長し続ける❞ことが重要です。日本国内事情のみで判断し、インフレは起こらないと決めつければ判断を誤ります。日本は世界的なインフレの波にいずれ巻き込まれ、円安、物価高に悩まされるでしょう。その時は、少子高齢化の波をまともに受け、高齢者の貧困が蔓延するはずです。
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日銀は必死で年2%のインフレ・ターゲットを実現しようとしているのだが、それが実現しないので「日本はもうインフレにならない国なのではないか?」と考える人も出てきている。
そうではない。日本も資本主義の中で生きている以上、必ずインフレの波に襲われる。国外のすべての国でインフレが起きて日本だけがモノの価格が上がらないのであれば、裁定取引が起きて物価は上がっていく。また、少子高齢化で労働人口が消えている。それに起因して企業のイノベーションを生み出す力が減り、内需も衰え、国際間の競争力も失っていく。
こうした現状が変えられないのであれば、日本という国の価値の減少につながり、円の価値も消え、円安になっていく。円安になれば、エネルギーと食料を輸入に頼っている日本では必ずインフレになる。インフレは日銀の量的緩和が成功するかしないかに関わらず、必ずやってくる。だから、私は必死になって「少子高齢化は亡国の道だ」と訴えているのだが、日本人は誰もこの問題に真剣に向き合う兆候はない。「事なかれ、先送り、見て見ぬふり」という日本人の悪い癖が少子高齢化に対する姿勢にも出てきている。
日本という国は、すでに長期債務残高のGDP比は236%である。この債務は日本人の貯蓄を担保にしている。しかし、これからは高齢者が貯金を取り崩す時代に入っていき、貯蓄額はどんどんゼロに向かっていくことになる。つまり、政府の債務残高はどんどん増えていくのに、担保となる日本人の貯蓄はどんどん減っていくのである。
すでに高齢化によって社会保障費が維持できない規模になっているので、いずれは医療費の負担は増え、年金は確実に減らされるようになる。破綻した高齢者の世帯は生活保護費に向かうが、この生活保護費も削られていく。そのため、日本は高齢者の貧困が蔓延する国になる。
高齢者は減るのではなく「もっと増える」のだから、状況は座視すればするほど悪化する。にもかかわらず、日本人は対策を取らずに「事なかれ、先送り、見て見ぬふり」で現状維持を貫き通そうとしている。この危機的な状況が見えてきたら、今すぐに個人的な自己防衛を考えるべきだ。
まずは「貯金なんかしていたら将来はない」ということに気づかなければならない。まして日本円で貯金なんかするというのは自殺行為にも等しい。
日本人が「深刻な問題」に対処しないのであれば、将来はツケを払うことになる。そんな国の通貨で貯金をするというのは、まったく合理的ではない。
では、どうするのか。不動産にでも投資した方がいいのか。いや、日本全体が崩落していこうとしているのに、これから日本で不動産を買っても苦しむだけだ。
日本は明らかに悪い方向に落ちていこうとしている。それを知って私は、「変わらなければならない」と訴えている。
にもかかわらず誰も動かないで現状維持に汲々とするのであれば、もう政府や行政に「何とかしてくれ」と頼る段階は終わっている。
つまり、自分の身は自分で助けなければならない。自己防衛すべきなのだ。鈴木傾城 氏