データセンターを保有する米不動産投資信託(REIT)エクイニクスの株価が米株式市場で下落中。空売り投資家ヒンデンブルグ・リサーチの標的になったことが背景だ。ヒンデンブルグは、エクイニクスが会計を操作し、「人工知能(AI)夢物語」を語っていると主張している。
ヒンデンブルグはエクイニクスに対してショートポジションを建てたことをリポートで明らかにした。エクイニクスの株価は年初から3/19までに4.9%程度上昇していた。
ヒンデンブルグは、エクイニクスが主要な収益指標の項目について会計操作を行い、2023年は少なくとも22%過大に表示していたと主張。また、財務内容を「額面通り」に考慮したとしてもエクイニクスの株価は高値で取引されているとの見方も示した。
エクイニクスの担当者にコメントを求めたがこれまでのところ返答は得られていない。
エクイニクスはAIの成長加速が同社の不動産への需要を後押する一助になっていると期待を寄せている。これに対しヒンデンブルグは、AIが見通しにリスクをもたらしていると指摘する。AIの拡大に伴い、エクイニクスの施設で電力需要は倍増し、多くはアップグレードの必要性に迫られる可能性があるという。さらにエクイニクスの会計処理方法は同社がコスト面で傑出している印象を市場に与えていると主張した。
ヒンデンブルグはリポートで、「この誤った印象はAIへの全般的な市場の高揚感と相まって、結果的には、エクイニクスについて投資家がAIの恩恵を受ける重要企業であるかのよう評価する結果となった。真実はその逆のようだ。つまり既に電力が抑制されているエクイニクスの施設にとってAIはリスクをもたらしている」と分析した。