福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

今日は釈宗演老師の百一回忌です。

2019-11-01 | 頂いた現実の霊験
明治の傑僧、釈 宗演は安政6年12月18日(1860年1月10日)に生まれ - 大正8年(1919年)11月1日61歳で没しています。今日は釈宗演老師の百一回忌にあたります。
老師は円覚寺管長・臨済宗大学学長等を歴任しています。
1893年にシカゴで開かれた万国宗教会議は、世界中の歴史的宗教の代表者を一堂に集め会議を開 くという、当時としては実に画期的なイベントでしたがここに老師は高野山の土岐法竜師等と共に出席し、「仏教の要旨幷に因果法」という題で講演し日本仏教が近代的仏教であることをアメリカ人に印象付けたとされます。因果に関する部分です「我々は朝から晩まで常に楽苦・愛憎などの感情に心を支配され、あるいは野心や希望に満ちあるいは理性や意欲の最高の興奮に突き動かされる。このように心の活動は湧き出る水の果てしなき流れのようである。外面的世界の現象が多様で驚くべきものであるように、人間の精神の内面の心境もまたしかりである。このような驚くべき現象の説明を求めてみよう。宇宙はなぜ不断の流転なのか。なぜ物は変化するのか。なぜ心は不断の不安に支配されるのか。これらの問いに仏教は唯一の回答を用意する。それは因果の法則である。・・この因果法は宇宙のすべての粒子と人間のすべての行動を支配する。仏教の倫理性を私に尋ねるならば答えよう、仏教における倫理の根源的な権威は因果法に存する。・・」このあと、老師は通訳の鈴木大拙を伴いルーズベルト大統領に会ったりしています。
帰国後は徳富蘇峰主宰の碧巌会の講師として多くの政・財界、知識人へ指導しています。夏目漱石にも「父母未生以前の本来の面目」という公案をあたえこれが「門」に出てきます。「宗助には父母未生以前という意味がよく分らなかったが、何しろ自分と云うものは必竟何物だか、その本体を捕えて見ろと云う意味だろうと判断した。」とありますが、結局老師の許可は出なかったようです。恐れ多い事ながら、なぜか宗門は違いますが大変懐かしい感じのする老師です。


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